「ウェブそのものをソーシャル化する AuthorRank の足音」を読んでメモ

ウェブそのものをソーシャル化する AuthorRank の足音/Lifehucking.jp
セマンティック・ウェブとか、フォークソノミーだの、マイクロフォーマットだの。
よく判らん。
ので、メモ代わりに咀嚼してみる。
※以下、個人用メモ


銀河をググるべきや



「散歩男爵」新城カズマ氏が2010年に上梓した「われら銀河をググるべきや―テキスト化される世界の読み方」と言う本がある。
ほんとうは、こんなことになるはずじゃなかった…。グーグル・ブック検索にはじまる書籍電子化の急激な波に直面した一人のSF作家が、自分自身を取り巻く状況をリサーチ。そこに持ち前の想像力を加味して綴っていった日々の雑記は、いつしか文明論の様相をも呈し始めていた―Googleとは一体なんなのか、電子書籍の真の衝撃、Web時代の著作権から、有体財と無体財の相克、ついには人類文明の行き先まで。日々、生起する情報に精緻な考察を加えつつ、いつのまにかこれからの世界を生き抜くための「思考法」までも提示してしまう、現代人必読の書。

本の中身に関しては散歩伯爵のログをGGGタグで絞れば分かるけども、あれから3年で随分と状況は変わったなぁ、と思う。
いや変わってないのか。Googleは着々と進み続けてる。
X「まあな。あそうか、電気自動車の次にGoogleが大々的に投資するネタが分かったぜ」

M「え、なんですか?」

X「全人類規模での劇的な識字率向上だよ。なんつっても、スクリーン上の広告をクリックしてもらうためには、字が読めたほうが断然良いからな。(ふと腕を組んで)……待てよ、もしかすると……例のGoogleBookSearchってのも、実はそのほんの一部にすぎなくて……」

S「……まさか、Googleによる史上最大の『もっと読書しましょう週間』!?」

http://d.hatena.ne.jp/sinjowkazma/20090407/1239088848


AuthorRank



Googleの検索アルゴリズムはこんな感じのものが元になって弾き出されているのだそうだ。
Demand Media自体は自社のサイトをコンテンツファームと呼ばれることを嫌っていましたが、Googleの広告で単価が高いものをアルゴリズムで探し、そのキーワードに最適化するようにして記事の執筆を大量に発注する手法はまさにそれ以外の何者でもないという意見が根強くありました。いわば究極のGoogleハックだったわけです。

検索アルゴリズムに引っかかるように恣意的に作り込まれた(被リンクを増やしただけのSEO対策のスパム)サイトを排除するべくパンダアップデートなんかを仕掛けて、検索を改変→品位を上げようとか色々やってる。


で、そこにAuthorRankってのが登場する。
Author..つまり“著者・書き手”のランク。
検索の対象の言葉に対しメタデータが付属する訳ですけど、そこに更に書き手のデータも加わる。
「この人が書いてるから信用できる」「この人が書いてるから重要だ」
など、あずまんが言ってた(元発言が消されてるのですが...)



といった
「フォロワーがたったの150か...雑魚め」
SNSでの影響力も検索結果に反映される、という事になる。
とは言え今でもインフルエンサーとか言われる一部の人の発言はファボられる事が多いし、被リンクも多いので自然と検索上位に出るんだけれども。
ただこの場合、コンテンツの品位はあくまで「著者がはっきりしていて」「メンションが多く、リンクも多い」「SNSでの活動が活発でフォロワーも多い」と言ったメタデータが反映される訳で、だとすればihayatoみたく

アンチのみなさん、今日もせっせとありがとうございます/ihayato書店

これでこの記事のAuthorRankを構成する要素が一つポイントされる訳ですよね。
アンチがはてブしまくればしまくるほどAuthorRankは上がり、検索の上位に位置する。
比例して実質はク○コンテンツだろうがマネタイズは上手く転がり月収52万にもなる。
実際の中身は関係ない。
多く読まれるモノを作り出す=AuthorRankが高い、という単純な指標。

もしいまこの瞬間すべての人間がいなくなってしまい、それでもインターネットがそのまま動作し続けたとして、ページランクは凍りついたままとはいえそのまま動作します。

というのも、ページランクはURLとURLの有向ベクトルの指標にすぎないからです。それはどこか静的で、ウェブサイト同士の冷たい私語という感触がします。

AuthorRankはそれに対して、誰かが何か言葉を発した時、Google+に投稿して、コメントを発した時、人間がウェブにむかって何か行動を起こした時に発動します。ページランクが蜘蛛の巣の網なら、AuthorRankはその上に滴る水滴といってもいいでしょう。


ぐぐたすに自分が著者であるページを結びつけることでAuthorRankが上がる
→皆、ぐぐたすでオーサーシップを表明し始める
→墓場だったぐぐたすが盛り上がる
→ぐぐたすをやり始める人数が増えればFacebookに対峙できる
Googleの検索領域が広がり、Googleはウェブそのものになる

と言う「風が吹いたら桶屋が儲かる」ドミノ倒しを狙い、更にフェイスブックの不可視領域にぐぐたすで対抗しようとするGoogleのテコ入れな意図も見える。


フォークソノミー


現在のワールド・ワイド・ウェブ上のコンテンツは主にHTMLで記述されている。HTMLでは文書構造を伝えることは可能だが、個々の単語の意味をはじめとする詳細な意味を伝えることはできない。これに対し、セマンティック・ウェブXMLによって記述した文書にRDFやOWLを用いてタグを付け加える。この、データの意味を記述したタグが文書の含む意味を形式化し、コンピュータによる自動的な情報の収集や分析へのアプローチが可能となると期待されている

wiki/セマンティック・ウェブ


草薙素子の言うようにネットは広大で果てしがない。
無数の情報があり、それがあちこちに乱雑にスタッキングされている。
毎日世界中から生み出されるデーターはサーバーに保存されその品位関係無しに記録され残される。
データはその時ゴミか宝石かはわからない。
人がその情報を知り、判断し、価値を見出し、被リンクし、ファボし、検索する事でGoogleのアルゴリズムは情報の重要性を認識できる*1
そこに人が手を加え、メタタグによって情報の重要度を左右する。
メタタグはその無数の情報に価値を与え、ゴミを選別する指標になる。
ネットは広大だから。
誰かが生み出した情報に誰かがメタタグを付け、Googleはそのデータの重要度を認識する。広大な情報を人の手を使って人海戦術で振り分ける。
いわゆるフォークソノミー
オーサーシップによって実存の人間の世間での評判や認知度、そういったメタデータが情報に紐付き、フォークソノミーによって情報にメタデータ・タグが付与される。
はてなが人力と自称しているがGoogleだってかなり人力で出来てる。


電脳メガネ



今われらは鏡をもて見るごとく見るところ朧なり、然れど、かの時には顔を対せて相見ん。今わが知るところ全からず、然れど、かの時には我が知られたる如く全く知るべし

コリント人への第一の手紙 第13章


去年からGoogleがGoogleGlassを発表してる。
2014年には出ると言われているが、GoogleGlassは画面を通して世界を見る構造になっている。
アニメ「電脳コイル」や最近なら「PSYCHO-PASS」に見られる現実世界とインターネット世界がヴァーチャルリアリティとして物理世界にレイヤーとして重なる。
位置情報を元にパーソナライズされたGoogleのシステムは使用者に適合したデータを表示し、求める情報を即時表示する*2
GoogleGlassのヴァーチャルリアリティを通して映る物理世界にはタグを打たれ、メタデータが付与される。かつてセカイカメラというアプリが目指そうとした光景。
現実世界に付与されるタグとデータ、物理世界のデータ化。
それは現実世界とインターネットを近づける試みだろう。


Googleはインターネットを構成する一部から、インターネットそのものになろうとしていると言われる。
なら現実とインターネットを近づける試みはGoogleがこの世界そのものになろうとしていることの表れなのかもしれない。

追記:
士郎正宗押井守が「攻殻」で描いたように人とインターネットが直結されれば、人もインターネットの一部になり、Googleは人も含めるこの世界の全てに...いやさすがにそれは誇大妄想かw

*1:だからこそSEO対策ってなもんがある

*2:いわゆるGoogle Now