口パク禁止とロックンロールの自殺者、そしてももクロに到る考察

※長文注意

最近、フジテレビで口パク禁止なんてニュースが流れてた。
口パク有無論なんて光ゲンジの昔っからシャボンのように現れては消えて来たもの。

「むしろ松田聖子、ユーミンがヤバい……!」フジテレビ“口パク禁止令”で本当に困る歌手たち/日刊サイゾー
なぜ今さら?って感じがするけど、迷走するフジテレビの舵取りの一つなんだろう。
「音楽番組も視聴率が取れない。差別感が必要だ」
「CDと同じじゃダメなんだ。原点回帰だ!やっぱ生歌だろ!」

深夜の企画会議で盛り上がって、そのまま行ってしまったのかも知れない。
ジャニーズとかAKBみたいに踊ったり、アクションしながら安定して歌い続けるのはしんどい。
だからももクロが評価されるんだが。


分離


その点、EXILEは上手い。
歌とダンスを分けて、観客に「歌」も「ダンス」も両方のパフォーマンスを100パーセントで見せる。
それぞれが役割に集中してパフォーマンス出来る。
人間って器用じゃないのでどちらかを優先すればどちらかが落ちる。
それは自然だし仕方が無いし、100パーセントに両方近づけようとすれば大変な努力が必要になる。
だからももクロが評価されるんだが(大事な事なので二度書きました)。


紅白「歌合戦」


向谷実氏の2012年紅白歌合戦実況とその感想と/togetter
紅白って今の世の中で未だ「古き良きお茶の間」共同幻想を形成しているらしく(下がったとは言え)高視聴率を叩き出す。
最高視聴率49.4パーセントですよ?
個人視聴率1%=約40万8千人x49.4パーセントですよ?
占有率は知らんけど、それでもすごい数字になってる。

この高齢者大国の、大晦日に稼働してたテレビの半分近くが紅白歌合戦を映してた数字。
モラトリアムな「古き良きテレビの歌番組」は、生歌ってイメージが根強いんだろう。
生バンドが演奏し、生歌を歌う。
「歌合戦」ですからね。
「合戦」って戦ですよ、競い合い。
「紅白に別れて歌で戦うのに「口パク」じゃあ戦ったって事になるのかな?」
幾ら「合戦」が有名無実でも、そんな疑問が出て来てもおかしく無い。
既に録音された音を流して、既に録音された歌を流して、踊る。


ロックンロールの様式美


ところでなんで口パクなんだろう?
歌って必ずしも綺麗でなければならないんだろうか。
別に踊ってる時に歌が乱れても気にしないけど?
きっとどこかに気にする人がいるんだろう。

ロック(と言われる)バンドって口パクが少ない。

Mステのトリとして出る筈の外タレt.a.t.u.が、なぜか楽屋にこもって出て来ないって事があった。
急遽代理で演奏したのがその日、既に演奏を終えたミッシェルガンエレファント。
(ミッドナイトクラクションベイビーだったか?)
Youtubeの映像は最初の演奏のもの。
出番順がt.a.t.u.のせいで狂わされてるのでドタバタ感がある。
演奏もチバが途中噛んだりしてるんだけど、クオリティを下げてない。
バンドだと、こういうアクシデントにも柔軟に対応出来る。


ギターウルフが,HEYHEYHEYに出た事が1度だけあった。

(ビリー.....涙)
映像が古過ぎて汚いんだが、演奏の音は当時もこんなもんだった。
当時、2chの実況スレをみてたら
>うわ、下手過ぎ
>なんだこれ。ノイズで何がなんだかわかんねー
って書き込みが一杯あったのを覚えてる。
いやいや、安定のクオリティですw
ギターウルフはいつもこんな感じ。

世界のどこでも変わらない安定の演奏と歌。

I LOVE GUITAR WOLF very much(CCCD)I LOVE GUITAR WOLF very much(CCCD)
オムニバス,スナッフ,ライトニング・ボルト,Puffy AmiYumi,ザ・D4,ザ・ヘルスクワッド,ポーチ・グールズ,カトー・サルサ・エクスペリエンス,J・マスシス+ザ・フォグ,ザ・ワイルドハーツ,オートラマ

キューンレコード
売り上げランキング : 202302

Amazonで詳しく見る

でも世界中のミュージシャンからはリスペクトを受けてる。
だからこんなトリビュートアルバムもある。


ギターウルフには、ライブでのお約束って言うのがある。
「仁義無き戦い」のテーマが流れてメンバーが登場。
セイジ(G、vo)が缶ビールをあおって、他の二人がリーゼントを櫛で整える。
セイジは暴れまくって、でもドラムはリズムをキープし続けて、ベースが楽曲を支える。
観客をステージに上げて人間ピラミッドをさせたりギターとピックを手渡して演奏させて
セイジはスピーカーのテッペンからステージに飛び降りる。

全てがパフォーマンス、全てがギターウルフとしての様式美で出来上がってる。
演奏が上手いとか下手とか、そう言う事じゃない。
共同幻想のロックンロール。
リーゼント、バイク、不良、革ジャン、愛。
誰もが知っているけど誰にも曖昧模糊と確定出来ない「ロックンロール」を体現してみせる。
言葉じゃない。
だから世界でやっていける。


バンドって演奏も含めてパフォーマンスなんですよ。
ギター、ベース、ドラム、ボーカル。
それぞれの演奏が一体となってのパフォーマンス
ボーカルが前に出やすいけど、歌も楽器の一つと考えれば良い。

インストゥルメンタルとかオーケストラとかクラシックってそうでしょう?
バイオリン、チェロ、コントラバス、フルート、オーボエ、etc...。
全部の楽器が一つの曲を鳴らす音が曲を構成する要素の一つ一つ。

特に解りやすいのはナンバーガールか。
向井の声って演奏の前に出てないんですよね。演奏と同じ場所に居る。
アヒトイナザワのバカ太鼓も、田渕のギターも、中尾のベースも同じところで同じだけ。
どれが主でもどれが従でもない*1


なにが「主」でなにが「従」なのか?


アイドル、歌手は「歌」と「楽曲」がそれぞれが近しいけど一つじゃない。
「歌」が主で「楽曲」が従。
「踊り」も従に相当する。
歌いながら踊る。「ながら」って言葉は「主から従」への繋ぎの言葉。

勿論、ダンスのクオリティが高ければ勿論良い。
だったら「踊りながら歌う」になる。
でもダンサーじゃないんですよね。
アイドルも「ダンスが素晴らしい」って評価で出て来た歌手って無い。
歌手は「歌い手」ですから歌が主であるのは当然。
ところが口パクで「主」が「主」で無くなってしまった。
録音した歌で踊るアイドルや、口パクで歌うマネだけの歌手。
そのパフォーマンスの価値は当然著しく落ちる。
勿論、それに慣らされているなら伝わらない。
普段からずっとこうだし、こんなもんでしょう?

でも歌手の生歌って凄いんですよね。
昔、椎名林檎の生歌聴いたときは全身鳥肌立ちまくった。
トム・ヨークの声で涙がこぼれそうになった事もある。


ももクロってCDの音で聴くよりライヴを観たいって要素が強い。
なんでかっていえば「歌って踊って」が一つのパッケージになってるからだろう。
「踊って歌う」「歌って踊る」
どちらかが主でどちらかが従じゃない。
モノノフって、口パクで踊ってるももクロは求めてない。
たまに「ももクロってロックだ」とかいう寒い意見が(w)出るけどそれってつまり
ももクロはバンドに近いパフォーマンス性を持つって言う事だろうと思う。


口パク禁止で困るのは誰なのか?


さて、だいぶ逸れたので口パク問題に戻そう。
口パク禁止で誰かが困るか、と言えば実際どうだろう。
ブッキングの際に「生歌?出れません」と歌手が断って困るのは歌番組の方だろう。
既にディナーショーとか、ライブとか握手会とか、アルバム買う人とかもう固定ファンがいる。
新人で、これから口パクで出て来る歌手らは困るかも知れない。
「歌番組の影響力」をまだ活用出来るような層は。
売れちゃってる方々は、今さら口パク禁止とか言われたらそこに出なきゃ良いだけの話。
他に幾らでもあるんだし(冠の番組とか)、歌番組の影響力は随分小さくなった。

どちらにしろ、ももクロ好きには関係無いので安心ですが。


西武ドームでももクロを観るのを楽しみにしております。
当然、口パクではありませんし。
ではでは。


THEE LIVE [DVD]THEE LIVE [DVD]
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT

日本コロムビア
売り上げランキング : 10236

Amazonで詳しく見る

え?!
44,000円?プレミア価格になってる...。

*1:だから歌が主のバンドは「バンドだから=ロック」と言われると個人的には疑問