ゴンとキルアは、なぜ見た目が幼いのか?

そういえば前記事に書き忘れていた事があったので。
特に続編とかってわけでもございません。
ちょっと長いですが、よろしければどーぞ。

「なぜ主人公は幼いのか?」から始まる独りブレスト。




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ずーーっとHUNTERxHUNTERゴンとキルアの外観が気になってた。
Wikiによれば

ゴン=フリークス
12歳(初登場時は11歳)身長154cm 体重49kg
キルア=ゾルディック
11歳 身長158cm 体重45kg
11、12歳と言う事は小学校高学年〜中学生と言う事になる。
日本の2012年度平均身長は小学生6年が145cm、中学生1年が152.4cm
キルアが少々高くて、ゴンは平均身長程度と言った感じ。
ドラゴンボールの本編が始まる(少年期)も12歳から開始される。
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うずまきナルトは物語の開始時点で年齢12歳、身長143cm。
BLEACHの黒崎一護は15歳、174cm。
高校生と言う設定なので他と比べると年齢は少し高めにしてある。
ルフィは17歳、キャラの造型も手足が長いデザインになっている。


幼い主人公

キャラの造型は筋肉が無く力もなさそう。
棒のような手足、幼い顔。
しかしそこに何かしらの理由付けをする事でキャラは力を持つ。
孫悟空であればサイヤ人だから。
アラレちゃんならロボットだから。
ルフィならゴムゴムの実を食べたから。
ゴンは念能力があり、父はジン=フリークスだから。
血統と特殊能力。

血統主義ではあるが、範馬勇次郎のような剥き出しの筋肉の造型は必要無い。

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筋肉の量は力の理由になり得る。
しかし漫画では筋肉の膨らみのない、幼い身体で現実には有り得ないような力を発揮する。
なぜか。
それは読んでいる読者が感情移入するためだろう。
もしムキムキのオリバみたいなキャラが主人公では感情移入を阻む。

今は想定する年齢が少し高めになっているからルフィや一護のようにキャラの造型も手足が長くなっている。
(多分、夏目房之介さんの本とかに書いてある筈)
そして幼い外観から発揮される力の異様さは、ディフォルメされても違和感が無い。
外観の幼さは精神の幼さを表現している。
力は比例しない。


ドラゴンボールの連載は1984〜95年。
10年の間に悟空の造型は少年→青年になり、結婚し子供も(孫も)出来る事になった。
読者の年齢と共に悟空の時間も進み、1999年から始まったNARUTOでも成長が見られた。
ジャンプのパワーインフレーションで言えば少年→青年の変化は当然肉体的パワーアップの理由になるし、精神的な成熟度の向上も同時に示す。

1998年開始したHUNTERxHUNTERは途中休載を挟みつつ今も続いている。
しかしその外観は変わらない。
未だにゴンは「最強では無い」から。


父と子、師弟

ドラゴンボールで悟空は成長し、息子の悟飯が登場する。
インフレーションを起こしきった悟空ではなく、悟飯を中心にする事で読者の感情移入対象を作ると共に、成長物語も描ける、と言う利点がある。
そして世代が交代する事でパワーのインフレーションを抑制出来る効果もある筈だった。
しかしドラゴンボールで悟空は欠かせない。
そして「キャラの救済装置」であるドラゴンボールによってキャラの死の意味も曖昧になった。
悟飯に世代が変わり悟天に変わっても結局、悟空は登場した。
悟空が最前線で戦わなければならない以上、悟空にインフレーションは必要になる。
だから悟飯は悟空の元で「父と子」としての受け継ぎをせず、ピッッコロの元で「師弟」の受け継ぎをした。


成長は、師に近付き師を越える。
エディプスコンプレックスもあるかもだが、成長は師との同一化(類似)を目指す。
ところがHUNTERxHUNTERでのゴンの師匠はウイングとビスケである。
ウイングはゴンの直の師匠ではない。
ウイングはズシの師匠で、ハンター裏試験試験官だからこそ念能力の伝達を担った。
だからゴンはウイングを目指す事はない。
ウイングは念の基礎を教えたに過ぎない。

ではビスケか。
しかしビスケはゴンが目指すべきキャラクターではない。
女性であり、フリフリのスカートを履いてる。
本来の姿はビスケット・オリバだが、ビスケの一見幼い姿はゴンやキルアに近しい。

だから師ではあるが目指す対象にはならない。
母にはなれても父にはなれない。


仲良く一緒にゲームを

HUNTERxHUNTERでは「ゲーム」が重要なキーワードになっている。
ゴンとキルアはバディであり、共にゲームを遊ぶ友だちの関係性。
そしてゲームに師はない。
ルールを教えてもらい、攻略法を聞き、後は自分で調べる、学習して腕を磨く。
ゴンとキルアはいつでもゲームの初心者であり、ゲームの中で成長をする。
しかしその先に師は存在せず、最強にもならない。
(ウイングの近所のお兄さん風メガネもそう言った事だと思う)

コムギとメルエムの造型にも言える。
軍議を挟む二人の造型は幼さを残す。
逆にゲームに興味のない周囲の蟻たちには、幼さがない。


ゴン=フリークス

ゴンはキメラアント篇でカイトの仇を討つ為に急速な成長を遂げピトーを殺す。
何度も何度も拳を叩き付けて。

ゴンの目に瞳孔は無い。
ハチワンダイバーの谷生にも見られる。

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ゴンは黒目に光を入れる事で理性を表しているが、カイトの死によってゴンの目から光が無くなる。
そして暴走する事になる。
ゴンがキルアよりも怖い理由はその目に現れてる。
他にも貧者の薔薇を使う直前のネテロの目も黒い空洞として表現されている。
人の怖さ、狂気、闇、空洞。



この辺も前記事に書く筈だったんですけど長くなったので。
しかも書いてて忘れてた(笑)
他に書くなら、ヤンキー文化論辺りも絡めると面白いんですけど際限なってしまうので。
詰めの甘い部分もあるんですけど、ね...。
この辺で勘弁して下さい。

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