セカイ系のカタチ 小川麻衣子「ひとりぼっちの地球侵略」読んだ

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最近ってほんとマンガに疎いんですよ。
だから今さら急に、九井諒子とか真造圭伍とかふみふみことか買い集めてる。
就活中@頑張れないさんとこの記事、
・とある居合道部員が決めた、2012年度の読んでおきたい8冊の漫画
http://gannbarenai.hatenablog.com/entry/2013/03/29/153145
こちらを参考に小川麻衣子「ひとりぼっちの地球侵略」を買ってみた。
一巻、二巻をまとめて。


使い古された言い回しをするならセカイ系
最終兵器彼女なボーイミーツガール。

ボーイ・ミーツ・ガール(Boy Meets Girl)とは、物語の類型のひとつ。直訳すると「少年が少女に会う」。つまり、少年が少女に出会い恋に落ちる話。
転じて、主人公の一人の少年が一人のわけありの少女と出会い、少女の近辺で起こる騒動に巻き込まれながらも、少女と共に騒動を解決しようとする、といった一連の話も指す。逆に少女が主人公の場合は「ガール・ミーツ・ボーイ」と呼ばれる。「月並みな話」という意味で用いられることもある

Wikiの
>主人公の一人の少年が一人のわけありの少女と出会い、少女の近辺で起こる騒動に巻き込まれながらも、少女と共に騒動を解決しようとする
まさにこれ。


主人公 広瀬岬一は、高校の入学式で仮面をかぶった謎の女生徒に襲われる。
宇宙人を名乗る大鳥希は岬一に
「この地球を一緒に侵略しましょう」
と持ちかける
ってなお話。


ひとりぼっちの宇宙戦争



タイトルも元ネタは藤子・F・不二雄「ひとりぼっちの宇宙戦争ですね。
地球を侵略しに来た宇宙人と偶然に選ばれた主人公が星の代表として一対一で戦う。

ひとりぼっちの地球侵略ではその「地球代表」「侵略宇宙人代表」が入れ替わりになってる構造。
そこに主人公 岬が存在する事で、お話がバディもの兼ボーイミーツガールになると。
関係性は、同級生でもよかった筈なんすよね。
それが先輩後輩なのは、当然意図があるだろう、と。
宇宙人 希と岬の関係性って微妙なんすよね。
そもそもが過去に経緯があり、希が自分の心臓を岬に分け与えてる。
ベタベタするような仲の良さじゃあないし、かといってドライでも無い。


BOY MEETS GIRL


少女と少年は出会い成長する。
思春期の情動や関係性を描くボーイミーツガールものの主題はそれですよね。
幼くて不器用な恋心がお互いに傷ついたり、傷つけられたり。
そういう経験や時間が成長の糧になる。

「ひとりぼっちの地球侵略」での岬と希の関係性が面白いのは「先輩後輩」なんすね。
先輩彼女って偉そうだったり大人ぶった発言をしてみせたり、そういう年長である事を出してそこに「カレカノ」との距離感の相違とかやってみせて、上手くいかないエピソードなんてやってみたり。
彼氏は彼女を守りたい、でも彼女は先輩で年上で。
結局守られて、でも守られるより守ってあげたいボーイズビーアンビシャス。
ツンデレで普段しっかりしてる彼女が二人きりだとデレキャラになったり。
そういうのがベタな先輩彼女な恋愛マンガの王道だと思う。

この希ってキャラは宇宙人なのに宇宙人らしくない。
感情に欠けたバルカン人でも無く、半分機械のボーグでも無い。
普通の女の子。
そりゃあ小さいころから地球に送り込まれて独りで育ったって背景もある。
宇宙人より人間に近い、というか人間。
ただ恋愛ものになるかって言うとなかなかそうはならない。
恋愛何それ美味しいの?

このシーンが判り易いんだけど
f:id:paradisecircus69:20130402114942j:plain
岬が気絶してる時に希にキスされてた事を知らされるシーン。
右上コマはアニメだったら「ガーン」ってピアノの鍵盤を叩きつけた時の音が鳴る。
右下で真っ白でまんまるな目で魂消て倒れてる。
この次のページで岬は頬を赤らめて否定する。
ベタな恋愛ものだったらまず頬を赤らめるんじゃないかな。
ショッキングだったって描写を挟んで、岬のうぶさを表現してはいる。
希と岬は確かにボーイミーツガールではあるんだけど本人ら(特に希は)にとっては至上は地球侵略
それがレゾンデートル。
そう考える方が自然。
左下の希の背中が「キスの価値」を示してる。


男ばかりの家


ひとりぼっちで侵略をしてた希に恋愛なんて感情は無縁のもので、岬を「共犯関係」バディだと思ってる。岬も希に対して恋愛感情じゃなく「共犯関係」を見てて、恋愛に関しては圧倒的に奥手。
疎いというか朴念仁。

なにせジジイを筆頭に男系家庭で育ってる。
祖父、兄、弟、そして自分。
岬の家の男ばかりの人数の多さも希の
「ひとりぼっちでの孤独」
を強調させるし、岬の女性との距離感を表現してる。
岬の家に女性がいたら、女性として希に理解を見せる役割が現れちゃうんすね。
母とか姉とか。
だから岬の家には男しかいない。
というか少なくとも二巻までは女性キャラがほぼ出ない。


色々書いたけど面白いです、おススメ。
今後は岬の弟の凪が物語を動かしていくんでしょうが。


三巻は5/10に発売だそうなので光の速さで買いたいと思ってます。

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次は、中村明日美子辺りを読まなきゃかなぁ。