TBS版人狼ゲーム『ジンロリアン』に見るフィクションとノンフィクションの間

最近、「汝は人狼なりや?」をテレビでやるのが流行ってるんだか。
先日のCX人狼~嘘つきは誰だ?~に次いで今度はTBSでジンロリアンって番組をやってた。

Twitterの感想を見てると面白かった、面白くなかったと結構割れてる。

個人的には失敗だなと思ったんです。
一番の要因はフィクション性をいれたところではないかな、と。
※以下、なぜ面白くなかったに関する個人的な考察ですので、番組を面白いと思った方は読まない事をお勧めします


人狼ゲームとは


基本的なルールを。
ある村の中に、村人に扮した狼(オオカミ)が混ざっています。狼は夜になると一人ずつ村人を食べていきます。

村人は、狼だと疑う人を一日一回処刑していきます。狼を処刑出来れば村人の勝ち。村人を食べつくしたら狼の勝ちです。

http://nanapi.jp/37796/


役割は他にもあるんだけどジンロリアンでは一番シンプルな「村人」「人狼」のみでやってた。
プレイヤーは浅見れいな綾部祐二(ピース)、劇団ひとり、鈴木 拓(ドランクドラゴン)、千葉雄大濱田マリ、山崎樹範、山本美月、六角精児の8人。
そのうち二人が人狼になる、というもの。


ジンロリアン


今回のジンロリアンの特徴は3つ。
1.狼と人間という二種類のみの一番シンプルなルール
2.出演者はアドリブ芝居をする
3.ストーリーがあり少し演出もある

まずチュートリアルステージで出演者に普通にプレイをさせる。で、視聴者にルールを理解してもらう。
ここまではいいです。


次からアドリブ(即興)芝居が始まる。
この辺りからおかしくなる。
通常に人狼ゲームをやりつつも、なぜか演技をしてシリアスな雰囲気にしようとしてる。

そんな中、村人だった鈴木 拓が人狼にやられるんですね。
で、濱田マリが一瞬笑いそうになる。
気持ちは解る。
でも顔をそらして笑いを我慢した。
つまりあの空間って笑いはダメなんです。
緊張感とドラマ性。


キス我慢選手権


キス我慢選手権ってあるじゃないですか。
テレ東ゴッドタンの名物企画。

セクシー女優が芸人をキスさせようと誘惑して、その誘惑されてデレデレしてる様を笑う企画なんだけど、劇団ひとりだけ違うんですよね。
そこにアドリブ芝居を入れる。
劇団ひとりは、どんなストーリーになるか教えられてない。
そこで芝居を始める。
司会とか他の芸人さんは、大まかなストーリーだけあって、ひとりだけはストーリーの中でフィクションっぽさ(過剰なんだけど)を出す。
で、相手のセクシー女優さん(みひろとか)もそれに合わせてアドリブをして見せる。そのアドリブ合戦がとても面白いんですよ。
瞬発力とか、発想力とか。

みのすけ氏出た時はホントに嬉しかったもんです。実力派キターー!って(笑)


視聴者の共感


キス我慢が面白いのはガヤ(実況)の存在なんですよね。
ひとりがどんな芝居をやっても、バナナマンとかおぎやはぎが笑いながらツッコんだり乗っかったり驚いたりする。
視聴者は、そのガヤに共感を得る。
ガヤは視聴者と同じ、常にノンフィクションなんです。素のリアクション。
だってガヤ陣はストーリーも知らない、劇団ひとりがどんなふうに演じるかも知らない。
視聴者と立ち位置、目線が同じ構造になってる。

バラエティでよく画面下に小さな画面(ワイプ)ってある。
あれと同じ。

ステーキが映る。美味しそうなリアクションをしてる表情がワイプに見える。
そうすると視聴者はワイプのリアクションで画面のステーキをさらに美味しそうに感じる。
そういう仕組み。
だから重要なんです。ガヤは。


既知


出演者って有名な人ばっかりじゃないですか。
芸人、役者。モデル兼役者もいるけど。
視聴者も出演者も誰が誰かを知ってる。
で、シリアスなアドリブ芝居をやる。

だからおかしい。

例えば舞台設定があり、役の設定があってアドリブをやるなら成立する。
でも出演者の素性はノンフィクション。
見たまま。
離婚経験の多い六角さんとか、山本美月はやっぱり可愛いなあ、とか。

だからそこに乖離が生じる。


だって鈴木拓が食われて居なくなったら面白いじゃないです?
オレは笑えた。
でも笑わないんですよね、笑えない。
シリアスなアドリブ芝居をするから。


演出の必要性


誰のための芝居だろう?
最初からガッチリと舞台設定あって、それぞれ役もあるフィクションなら必要はある。
でもテレビ番組で、スタジオでタレントがやってる人狼ゲームでアドリブ芝居が必要な理由ってなんだろ?

緊張感?
アドリブ芝居で緊張感は出ない。
緊張感を出すなら演出と舞台設定をもっとシビアなものにしないと。


―閉鎖空間に閉じ込められた男女。
普段知り合いのメンツだがその中に二人何かしらの理由で人を喰う化け物がいる。あるいは殺人鬼とか。
で、昼間は多数決で決定して、誰かを牢屋に閉じ込める(退場)
で、殺人鬼が一般人を越えたら終了のバッドエンド...

みたいな設定ありきでアドリブ芝居やるならまぁ、ね。
それでもアドリブは、いらないと思うけど。


視聴者に謎を提供する、っていうならそもそもアドリブである必然性が無いんですよ。
各人のリアクションが生のものじゃなく加工されたものになる。
嘘つきは誰だ?
じゃなくて
「誰の嘘が下手か?」
ってゲームになる。
それはルールが違う。


普通にタレントさんが人狼ゲームをやる。
退場させられたタレントがガヤをやって
「騙されるなー!」
「あいつが人狼だったのかー!」

とかガヤをやる。
CXの人狼~嘘つきは誰だ?~は、この形式。
あるいは誰が人狼か教えずに視聴者との共感役にさせる。
「誰なんだよー?!」
って言う感覚を共感する。
シンプルでいい筈なのになんで余計な要素を入れたんだろう。
まぁ、面白いっておっしゃる方もいらっしゃるみたいですが。
経験者とか、推理しながらとか。
色々目線が違うのかもですからね。


個人的な感想


素材のままで良いのに味付けしすぎて失敗した料理みたいな感じ。
序盤に鈴木拓が消えたところと、山本美月が可愛くてそこだけが救いでした。


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