「となりの関くん」机上のモラトリアムとワンダーランド

となりの関くん 1 (コミックフラッパー)となりの関くん 1 (コミックフラッパー)
森繁 拓真

メディアファクトリー

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面白い(笑)
なんつーか、虚構。


簡単に言えば、漫画の内容は
主人公 関くんが授業さぼって机の上で遊ぶのを、隣の席の横井るみが実況する。
そんな感じ。

関係性で言えば
関:ボケ
横井:ツッコミ

その机の上で繰り広げられるボケが日常思いつくような授業のサボりっぷりじゃなく、そこに過剰な妄想レベルの(漫画ならではの)暇つぶしが行われ、それをドキドキしながらも目が離せず実況しツッコミ続ける横井るみの視線が面白いんだろう。


抑制状況


授業中。
サボってるのが見つかったら当然先生に怒られる訳ですよね。
関くんが異次元で亜空間な「内職」を繰り広げるのは、机上がモラトリアムだから。
授業は暇で退屈なモノ。
勉強してなきゃ当たり前。
普通はボケーッと窓の外を眺めてるか、最近気になってる女の子の背中を見てるか。
でも関くんの机はモラトリアムだからなんでも出来る。
普通に暇だったとしてもやらないようなバカバカしい事も「授業中の暇」と比較すれば余程意義がある。
物理的制約も精神的制約も無く、ただ声を出せないと言う抑制以外なくシュールに様々なモノが作り出され繰り広げられる。
例えば究極超人Rならモラトリアムは部活だったり、うる星やつらなら授業以外の全てがモラトリアムとして作られ、そこを舞台に既視感とボケとが機能してる。
この「となりの関くん」では授業中、関くんの机上と関くんと横井さんがモラトリアム。
授業中という「規制」が抑制として機能し「禁忌感」生む。


ツッコむ横井さんの視点って言うのは「日常」なんですね。
消しゴムでドミノ倒しを完成させたのを見た横井さんの感想が
f:id:paradisecircus69:20130408112840j:plain
「凄っ」
いや、ドミノの完成度より、まずその大量の消しゴムと花火の出所が先じゃね?(笑)
「前もって陸橋準備しとったんかい?!」
「日の丸?!ねぇ?日の丸っ?!!」
「打ち上げ花火って?!」

とかさ。
そんな横井さんの共犯関係な視点が面白い。


ボケとツッコミ


授業中に関くんが囲碁を始めたのを見ながら横井さんは
「囲碁なんてルール知らないし」
「今日はしっかり授業に集中できそうだな」

そこが問題じゃないんですけど(笑)
つまりルール知ってたら横井さんは実況しちゃうって事ですね(笑)

とはいえ横井さんは関くんに対して諦観がある。
前提としてまず「その物資供給は如何に?」なんて野暮な事は疑問に思わない。
横井さんは、まず机上の状況にたいして素直にリアクションをする。

でも、関くんは囲碁じゃなく黒石と白石でそれぞれパンダとクマを描いて争わせる。
それを見た横井さんが
「あっ、でも戦ってる。確かに黒と白が戦ってる」
いやいや、なにをうまい事言うとんねん(笑)

横井さんが関くんの作る世界を補強し、乗っかり、そしてツッコむ。
横井さんは声を出して関くんを注意する訳じゃない。
横井さんの頭の中でその状況を解説してツッコむ。

読者と関くんの間に横井さんはいて
「授業で騒いだらダメなんだ」
「先生に見つかったらやばい」

という世界観とルールを構成させながら、関くんのボケもフォローする。
TKOでアテレコのネタがあったと思うんですけど、あれと狙いは同じだろう。

あらゐけいいち「日常」も授業中に麻衣ちゃんがシュールな事をやり続ける話があった。
あれでいえば横井さんが祐子で関くんが麻衣ちゃんの関係性。
とはいえ「日常」はボケツッコミが頻繁に変わるので何ともですが。


学校、授業中に対して誰しもが持ってる既視感と禁忌感。
そこに繰り広げられるニッチでシュールなボケと少しずれたツッコミと。
まぁ、なんも考えんと素直に読んで面白い。

まだ一巻しか読んで無い。
全巻買うかなー。

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