大槻ケンヂ「40代、職業・ロックミュージシャン」が素晴らしい

40代、職業・ロックミュージシャン 大人になってもドロップアウトし続けるためにキッチリ生きる、'80年代から爆走中、彼らに学ぶ「生きざま」の知恵 (アスキー新書)40代、職業・ロックミュージシャン 大人になってもドロップアウトし続けるためにキッチリ生きる、'80年代から爆走中、彼らに学ぶ「生きざま」の知恵 (アスキー新書)
大槻ケンヂ

アスキー・メディアワークス 2013-04-10
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God Gave Rock'N' Roll To You
神様がお前にロックンロールを与えてくれたんだ

God Gave Rock'N' Roll To You/KISS


人生って続く。
昔はバンドブームって言って、新人のどさくさまぎれみたいなバンドマンが有象無象にあふれてて、ブームに乗っかって音楽で食って追っかけの女の子を食って追っかけの女の子を食ってなあの頃ペニー・レインとみたいな世界があった。
でもブームはブーム。


やったもん勝ちなバンドは姿を消した。
あの頃輝いてたバンドマンは、アイドルと太鼓の達人でリズム対決するときくらいしか見かけない。
でも別に死んだわけじゃない。
テレビで見かけなくなっても音楽はやってるし、生きてる。
オーケンはサブカルで食うとか言って、小説書いて星雲賞とったりしてる。
辞めちゃってフランチャイズの店長やってる元ボーカル。
出来ちゃった結婚したけど浮気がばれて営業しながら慰謝料を払い続けてる人。
ずーっと音楽にしがみついてる人。色々いるんだと思う。

大槻 :まぁ、居候させてもらうとなると大変でしょうねえ。
ナオキ:もう、気ぃ遣いまくりよ。お金は無いけどなんでもするし。
    掃除も洗濯も(笑)
大槻 :洗濯までしますか!
ナオキ:もうカンペキよ。洗濯物のたたみかたとか、すごいうまいもん。

ナオキ/SA


週刊アスで連載されていた大槻ケンヂとロックミュージシャンとの対談をまとめた一冊。
ロックで食ってた、未だにロックで食ってる、あるいはロックを夢見てる人々。


サンプラザ中野くんベジタリアンマクロビオティック話、ファンキー末吉が中国の田舎で売れないバンドの若者を集めてやってる「ロック村」の話やダイヤモンド☆ユカイの離婚と結婚、リンドバーグ渡瀬マキが期間限定再結成の際に子供の世話をしてもらうために自分の母親を田舎から呼び出した事とか。。
病気や身体の事、年齢、親、子供、税金、お金、、そして音楽。

大槻:税金なんてさ、ロッカーの経費はどこまで落ちるかって問題でいつも悩んでまよ。例えば服とか。
   いかにもステージで着ますよって服なら落ちるって言われるけど、
   グランジロックの人なんて普段着がステージ衣装じゃない?
水戸:しかも汚いやつがね(笑)

水戸華之介/アンジ―


化粧のノリが若い頃より良くなったと語るローリー寺西とか、
子供の躾とは遺伝子との戦いだとか、スーツを着た金髪のライオン丸みたいな格好で行ったと語るギタリスト橘高。
年をとって身体と食べ物に注意してアルコールは取り過ぎないようにして、
ジムに通って加圧トレーニングして、赤いチャンチャンコきていつかはライブをやるかもと語る寺田恵子とか。
でもみんなキラキラと目を光らせて「ロックを続けてる」と語る。
ここまで人を惹きつけてやまないロックっていったいなんだろう。


ロックとは単なる音楽のジャンル。
でもロックとは生き様で、
ロックとは人生そのものだったりもする。

若い頃は音楽をやってて、その音楽性を語れば格好も付く。
でも生きるには音楽じゃ腹は膨れない。
洗濯も掃除も炊事も、年老いた親もいれば税金も払わなきゃいけない。
家庭を持てば子供の面倒も見なきゃいけない、参観日に金髪で参加しなきゃいけない。
音楽をやるって楽しい。ロックって楽しい。
だから生きていけるし、だからロックをやれる。
そんな風なロックな日常生活が詰まった一冊。
とてもいい一冊でした。

きっとロックは、自分は何てダメ人間なんだろうと、はいつくばって生きている連中にとって、最高の救済手段なのだ

ロッキンホース・バレリーナ/大槻ケンヂ


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