バカだけど皮肉と社会風刺いっぱいのSF映画「アイアンスカイ」

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バカバカしいんだかなんなんだか(笑)


お話は簡単。
月の裏にナチスの残党が居て帝国を築いてる。
ネオジオンみたいなもんです。
アメリカが有人宇宙船を月面に送り込み、飛行士がナチに拿捕されてしまう。
飛行士の持っていたスマホによってこれまで起動出来なかったナチスの巨大宇宙船「神々の黄昏号」を動かす事が出来ると判り、野望を抱くクラウス・アドラーは地球へ潜り込む、ってなお話。
時間の止まった月の裏側のナチスの帝国がステキ過ぎて、映画「独裁者」を「10分のショートフィルム」として(地球儀の風船をチャプリンがお手玉やるシーンっすね)「陛下を讃えるための作品なのです」と、子供たちの教育資料にしてたり、未だにハイル・ヒトラーやってたり、出渕デザインみたいな宇宙服で月面闊歩してたり、トランジスタで出来たチューニングの大聖堂な超巨大コンピューターが出て来たり一体どこのスチームパンクですかw
技術革新とか全然してない割に円盤は作れてる謎。
拿捕した飛行士をアーリア人種に改造すべく「黒人を白人に変えるクスリ」そんな斬新なクスリw
遺伝子工学だけはものすごく進んでる。

ヨーロッパ映画で、第二次大戦から地下に逃げ延びて、そのまま文明が止まってる映画があったなー。
あれ思い出した(タイトル出て来ない...)。


そもそもアメリカに送り込まれた黒人宇宙飛行士もファンキー過ぎて、完全にバイト感覚。
なんかよく判らん方法でいきなり逃げた黒人宇宙飛行士が、宇宙服も無しでエアロック開けるんじゃねーよ!
と思ってたら真空に吸い出される勢いでナチスお姉ちゃんの服が脱げる仕掛けはさすが。
上島竜兵イズムを見た。


出て来る役者がどれも良い感じで、大統領広報官のペーター・サージェントがやり手に見せかけといて、急に色情魔になったかと思いきや復讐鬼女に返信して宇宙船の館長になってナチス討伐に出かけるなんて女性上位時代ですね(大統領もだし)。背中の羽飾りとか意味が分かりません。
それにしても宇宙船の名前がジョージブッシュって皮肉が凄まじいww

怪優ウド・キアーって日本で奥菜恵と一緒に歯ブラシのCMやってたイメージ。
権力があるんだか無いんだか、冴えてるんだかバカなんだか判らないけど個性だけは強い総督役。


ナチスが地球に攻勢をかけ、各国の代表が
「どの国かがあの(ナチスの)円盤と影で繋がってないか?」
話し合いの中、北朝鮮代表が率先して手を上げるのも皮肉効き過ぎ。
全員で爆笑して
「はいはい、嘘はいいから北朝鮮代表は座って(苦笑)」
現実にありそうだものなー(北朝鮮なら)。


結局、簡単に核撃っちゃうアメリカとか、北朝鮮とか、利権争いとか。
おバカな映画だと思ってみてると結構皮肉が効きまくってて、最後の方なんかの雪崩式の展開は
「確かになるほどね」
ってところに落ちる。
ただバカなだけの映画じゃないんですね(ほぼバカですけど)。