ヤマト2199のダメージ表現の面白さ


ヤマト2199が良い。
特に3話のヤマトのショックカノンでの敵駆逐艦撃破のシーン。
ヤマトに迫る三隻の駆逐艦と戦艦が一隻。
駆逐艦は正面から、戦艦は横に回り挟撃を計る。


ヤマトの主砲、ショックカノンは横並列同時三射で、砲門は三門。
三門あるショックカノンは二つで駆逐艦を、一つで戦艦を狙う。
そこから青白い熱線と思しき光線が射出される。
敵艦に当たる前に、途中でその熱線が渦を巻き三本の熱線が絡み合い一本になる。
一射を躱した駆逐艦のうち一隻が二射目を避けきれず正面に直撃。
すると駆逐艦正面が凹み、内部まで貫通、駆逐艦中央辺りで誘爆する。


この表現がとても面白い。
ん?そう思いません?
だって弾頭じゃないんですよ。
熱線砲に見えたし、実際光学によって敵駆逐艦に直撃する前に三本が収束しエネルギー量を高め、ダメージを拡大するようになってると思われる。
熱線のアニメ表現って普通は凹むんじゃ無く溶けるんですよ。
熱線で装甲板に穴が空く。
当たった途端に直撃部が灼熱化し赤く光り、うじゃじゃけて外に開く。
さらに光線が内部へと進み、敵の内部機械などを破壊、誘爆する、って表現が多い。
あるいは中で誘爆してボコボコトウモロコシみたいになるマクロスガンバスターでもあった気がする)みたいな表現もありますけど(でも、あれはミサイルだっけ?)。
なのにショックカノンが当たると駆逐艦正面が交通事故にあったみたいに凹み、内部から爆発する。
まさに熱線なんだけど徹甲弾みたいに物理ダメージのある「ショックカノン」
ほんと面白い表現っすよね。
徹甲弾だと逆に貫通表現になるか?...まぁ、良いや。

三射目で敵戦艦の前方に当たった時は装甲板貫通じゃなく被弾して折れて、誘爆する。
被弾距離が違うから被弾時の影響が違うように見える。
これも面白い。
※どっかに分析したブログがあった気がするんだけど?
科学的に云々言ってもそこは「未知の科学技術」が関わってるので(主砲も?)なんともですけど。
序盤、敵戦闘機が母艦からカタパルトでなく放出されるように出て来る表現も面白かった。
無重力だから必ずしもカタパルトである必要も無いですよね。
ガンダムみたく射出の勢いで燃料節約って表現もありますが。



ダメージ表現


さてこのダメージ表現って注目して見るととても面白い。
やっぱり有名なのは大友の「童夢」。
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コンクリートの硬さと言うのはみんな知ってるし、想像が出来る。
そして超能力はみんな知らない。
超能力の強さを表現するのに蜘蛛の巣状にひび割れてコンクリートが円形に凹み、押し付ける力の強さと苦悶する表情でどんな力がジジイに加わってるかが読んでいる人間に判るようになってる*1
ドラゴンボールは吹き飛ばされれば壁を貫通し、岩山に穴をあける。
身体はオーラかなんかに包まれてるせいだかとても堅いらしい。
「星ごと消えてなくなれ!」とか言っちゃうし。


光るオーラ


ちょっと話はそれるが気(オーラ)が光るんですよね。
ドラゴンボールって。
光る表現が一番安易と言えば一番安易。
視覚的に判りやすい。
というかドラゴンボールが安易にしてしまった。
どうしてオーラが光るのかとかそんな説明は誰もしないし、観ていても不思議に思わない。
だって光るなんておかしいでしょ。
スプーン曲げの時に指先が光るなんて聞いた事無いし。
オーラも超能力も光るのは映像表現としては伝えやすいけど理論や理屈はあまり無い。
だから中には「光子が」とか言う説明をする作品もあったりする。


ドラゴンボールのかめはめ波なりなんなり、熱線っぽい。
ピッコロ大魔王が直撃くらった時はそんな表現だし、燃え尽きる、みたいなイメージ。
でも岩山に当たった時は貫通したり誘爆したりする。
んー(笑)
判りやすいですけどね、その辺りにあまりこだわりは無さそう。
界王拳はなぜ赤いのか、なんて誰も考えないですし良いけど。
フリーザの指先から光玉を出して惑星ベジータを消し去ったスーパーノヴァ(?)は白色矮星っぽい熱球イメージだったりしてあの表現は面白かったけど。


オーラだとか気だとか超能力だとか、見えない不思議な力が一緒くたに「なんか光ってると普通じゃなくスゴそう」みたいな安易表現が多いのは気になるとこですよね。その理由とか理屈は特に考えず「そういうもの」として処理されてしまってる。今の日本なら観れば伝わるから。
ジョジョでは、そういう超能力を「スタンド」って言う独自の概念で具現化したキャラクター的な存在として表現してみせて、やっぱり荒木飛呂彦は少し違うよなと感心させられる。もしスタンド無しで全身が光って光の帯が飛んで行って技の名前を叫び合うような漫画だったらジョジョも全然違う漫画になってたろうし(最初の波紋がそうなんだけれど)。
途中で波紋(と吸血鬼)をあっさり捨てて、スタンドへ完全に移行して行ったし。


あべし


ダメージ表現って言うと革新だったのは北斗の拳でしょう。
殴って殴られるだけなら当たり前。
北斗神拳経絡秘孔っていう設定で「人間が爆発する」「折れる」って言う表現とその際の異常な死に方で「あべし」「ひでぶ」だのと変わった悲鳴をあげて敵が血をぶちまけて死ぬ。
アニメ版で南斗水鳥拳のレイに敵が切断されるシーンがあるんですけど、そん時に切られた敵の視界を表現する画面が横に分割されてずれるんですよね。レイはそいつの顔面を横に四つ割くらいにするんだけど、考えてみればおかしい。
だって画面が分割されるんならレイは相手の眼球を四つ割にしてなきゃおかしい(しかも四つ割にしたら水晶体が溢れて視界は見えなくなるから無理だな)。実に物理法則無視の映像的表現。
そういうのも面白いのが北斗の拳なんすね。
千葉繁さんが絶好調だったし。


安易な表現


ダメージ表現って安易にやってしまうと、それ以上、それ以上ってなってしまうし、こだわりが無いと説得力が無くなる。

夢枕獏の闇狩り師に出て来る気功使いの攻撃は「見えない気の塊」が横合いから襲って来るんすよね。
光る攻撃なら避けられる。
でも見えないから苦労する。
間合いが計れない、だから未知だし面白い。
そー言うのを続けるような作品って意外と少ない。
小説だと言葉で表現出来るから必ずしも光る必要がないってのもある。


伝説の巨人じゃないすけどね。
特殊能力って希少だからこそ面白いと思うんですよ。
で、どうやってそれを乗り越えるか、倒すか、読者を裏切るか。
特殊能力が使えます、にしてしまうと結局なんでもありなんですよね。
使える人間がどんどん出て来る。
すると使える力が違うパターンのが出て来て、それを謎にする。
だって既成のパワーの正体はある程度バレちゃってる。


最近は安易によく判らないパワーが出て光ってるとそれだけで「...」ってなるんすよ(笑)
またかよ、みたいな。
吹っ飛ぶ時は、必ず壁を貫通したりとかね。
壁の中って芯に鉄線とかあるんだけどね。
そんなとこに突っ込んだら切断されないか?
戦う時って薄い壁のとこばっかりだよね。全然考えてないよね。
視聴者ってそんなに簡単って思われてる?
いや、簡単なのか...。

隅々までこだわってるヤマト2199にとても期待してます。

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*1:実際は表現として過剰だが、過剰だからこそ読者に伝わりやすくなっている。リアリティとは必ずしも物理法則や現実に即している必要性はない