アイドルブーム語りに感じる違和感

・第61回:いつの間にリスナーは「アイドルソング」を聴かなくなった?のか。
http://www.drillspin.com/articles/view/586

これはボクが今アイドルブームに感じていることを言い当ててくれている!
なんて思えるほど素直でもない。
ドリルスピンコラムって読んでるといつも違和感を覚える。
そのくせ毎回好評(笑)
違和感の原因を考える。
※以下、ドリルスピンの記事を読んで違和感を感じた人だけにお勧めします



文中で感じた最初の違和感は、木村カエラの扱い。

そこから翌年3月の、木村カエラのラジオでの楽曲のヘビーローテーション、さらにその後の快進撃から現代の奇跡としか言いようの無い超大ブレイクから現在

sakusakuのMCをジゴローとやってた木村カエラはインディーズで「レベル42」を発売。
当時はモデルだったけど歌が好きだったし、歌をやりたいと熱望してて、sakusakuやりつつ「happiness!!!」を発売。
インディーズで「レベル42」出した時はアイドルでも何でも無いんですよね。
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当時サクサカーだった自分がリアルタイムで見てる分では「KAELA」以降の木村カエラがどんどんアイドル的な売れ方をしたとしても、彼女自身はモデル兼歌手だったと思う。
アイドルと歌手とかSSWの差ってなんでしょうね。
カエラは少なくとも歌詞は自分で書いてる。
売れ方がアイドルっぽいからアイドル?
よく判らない。
sakusakuは観なくなったけど、木村カエラをアイドルと思った事は無い。
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こういう話をすると「そもそもパフュームはアイドルじゃないから」と言われることもある。けれど、そういう言われようは、全く違う。2006年当時はアイドルシーンに間違いなく属していたし、筆者は竹中夏海氏の「アイドルという言葉は『ヒロイン』と同じ」という言葉を断固支持する立場なので、アイドルシーンの中でパフュームが大きな立ち位置を作って来たこと、一般層に対してアイドルを再認識させた功績が大きいことは間違いないと言えるはずだ

大きな骨格をなしてるPerfume=アイドル説。
「アイドルという言葉は『ヒロイン』と同じ」
だからPerfumeはアイドルなのだ!という論理構造と語彙が感覚的過ぎて全く分からないんだけれども、やはり
「そもそも何が何をもってアイドルなのか?」
という定義がフワッとしたまま進んでいくのが気持ち悪く感じる。
ヒロインだからアイドル?
言葉の意味はよく分からんがとにかくすごい自信だ*1


それと同時にその前年から活動を開始したAKB48が徐々にその存在感を増していくことになり、翌々年にはももいろクローバー(現ももいろクローバーZ)も活動を開始。マスという意味では、その3ユニットが女性アイドルシーンを引っ張っていく存在となっていき(その当時は、シーンの外側から眺めている身からすると、まるで絶海の孤島の楽園のような存在感を持っていたモーニング娘。およびハロプロ勢の存在も忘れていはいけない)、現在のように音楽チャートの大半をアイドルが占めていくような、ある種の異常事態に突入していく。

「アイドルシーン」、「ブーム」という一事象で語ってしまう違和感。

AKB48ってまずチームがそれぞれあって、テレビで順繰りに露出する。
あの大人数を生かしてる訳ですよね。
そしてNMB48とかHKT48とか地方にまたチームがあって、それぞれがそれぞれに活躍してる。モーニング娘。及びハロプロ、と同じ。
AKB48とその他のチーム」
モーニング娘。ハロプロ
ジャニーズ事務所

これって個のアイドルじゃなくてマスゲームなんすよ。
例えば「AKB48」も一つではない。
同じ「AKB48」ブランドから複数のチームが発生する。
システマティックにベルトコンベアーの「アイドル」という供給構造があって、そこに何を乗せるかの回転寿司方式。
アイドル構造は、囲い込みが終わっててそこに何を投下するかって問題になる。
露出が増えて刺激が鈍化して行けばコンテンツとしてのアイドルは消費されてしまう。
だからシステムで次のアイドルを投下する。すると刺激が新しくなりまた循環が始まる。

お泊まり写真撮られようと、関東連合と一緒に酒を飲んでようと一旦自粛させる、あるいは間引く。
代わりはいる。
そして自粛が終われば復活、再度アイドル軍団を構成する要素の一つとして活躍する。
いつの時代にも、どの世代にも。

アイドルがブームなんだ!
ブームってもっとカンブリア紀のカンブリア大爆発みたいなイメージじゃないかな。
だって元記事の2012年のチャートをよく見ればAKB48とその他のチーム」「ジャニーズ事務所だけって解る。
だから昨日のウチの記事に
「ジャニーズがずっと売り続けてたシングルチャートにAKB48が入り込んだ」
「アイドルブームじゃなくAKB48がブーム」
「今はバンド衰退期」

って事を書いたんですよ。


ももクロおよびエビ中」
とは言わない。
事務所はそうしたいのかも知れないけど、ももクロの売り方を同様にエビ中にもやって二匹目のドジョウは厳しいから。スタダはこれからノウハウを手に入れてそういうシステムを確立したいのかも知れないけど。
ももクロはブランドじゃないんですよね。
5人しかいない。
そして「第何期生」みたいな循環が出来ない。
唯一無二なんすよ。
入れ替えの効くブランドとももクロを一緒くたで語られてもおかしい。
だから
AKB48とかももクロとかモー娘。とか」
ていう縮尺がバラバラの一括論は芯が無い。


シングルの売り上げを昨日の記事でなんでやめたかってーと、今ってCDを買う意味が喪失しちゃってる。
この後の展開にも触れるところだと思うんだけど、特典が欲しいから、握手券が欲しいから、って理由でCDを買う。
逆に言えば他の人らはダウンロードとかで買うんですよ。
だって安いもの。
オレも殆どiTunesで買いますよ。
CDで買うのは特典CDが付いてるとか、DVDが付いてるとか。


<かつての複数買い>
開封して聴く用、保存用、友人に貸す用。

<現在の複数買い(1例)>
各メンバー、あるいは推しメンと複数回のチェキ+一定枚数クリアするとできる全チェキの枚数。
2枚組シングルの2枚目ディスクトラック違いのコンプリート収集。
各店舗別特典入手のため複数購入。


一面的には合ってる。
昔は「開封して聴く用、保存用、友人に貸す用。」って文化が確実にあった。
写真集を三冊買って「保管用、観賞用、オ○ニー用」みたいな文化。

今はコンプリートの為に...。
確かにそうだけど、それ以前にCDを人に貸すって文化も減った。
「ちょっとあのCD貸してー」
なんて随分してない。

そもそも全く知らない誰かの音源を貸してもらって聞くって言う文化が廃れた。
だって聴こうと思えば「Youtubeで聞いてね」って言えばいい。
iTunesで試聴したっていい。
CDで無きゃ聞けない、って文化が廃れたから友人に貸すって文化も減衰した。
もし渡すにしてもmp3でCD-Rに焼けば済むんだし。
一時期のコピコントロールCDなんて評判悪いだけで実行力なんて無かった。
CDを補完しなくてもPCに取り込めば保管したことになる。
CDをスリーブやジャケットごと残しておきたい、って文化もどんどん減退してくるのかも知れない。
特典目当てにCDを複数枚買いするのは確かにそうだけど、でも昔の複数買いと違ってしまった原因はそれだけじゃないって事ですかね。


余談がすぎてしまったが、というように複数買いマジックやらまだまだ根強く残る偏見やらで、アイドルソングは決して「聴かれてる(≠知られている)」とはまだ言いがたいのではないだろうか

この記事の一番大きな違和感ってこの
「買ってくれたお客さんとの何げない会話と疑問」
を中心に表題を組み立ててる。

まずアイドルソングが聴かれてるか、聴かれてないか。
そもそも「聴かれてる?」って主語は誰になるのかよく判らない。
一般のアイドルに興味の無い人が「聴いてない」のか、
それともアイドルのCDを買ってる人が「聴いてない」のか。
アイドルの熱烈なファンなのに「聴いてない」のか。
アイドルに興味の無い一般の人は聴いてないだろう。
だって興味が無いんだから。

じゃあアイドルに興味のあるCD買ってる層が「聴いてない」のか。
フライングゲットも、真夏のサウンドグッドもアケカス以外は歌えない?
シングルは歌える?
んじゃ「聴いてない」ってどの程度を指すんだろう。
何曲知ってたら「聴いてる」になるのかなぁ。
知名度って意味ではそりゃドラマとかアニメの主題歌になってそのドラマが流行れば一般の人でも知るだろうし、毎週かかるんだから聴くだろう。
ともかく漠然としすぎてて何とも言い難い。


ということで、以上タイトル詐欺でした。「アイドルソング10選」とか書くよりこういう感じで書いた方が読んでくれるだろうなと。アイドルソングは本当に奥深く、今回紹介したのは、はじめの一歩として申し分の無い(偏った)もので、かつ、ちゃんと「音楽」しているもの、そしてもっともっと聴かれてもおかしくないものを紹介してみました。

「知ってる」と「聴いてる」は全然違う。だから聴きましょう。ソーシャルを熱く語るのもいいけど、自分が言うまでもなく、今のアイドルシーンは異常なので、是非CD買って現場に行きませんかと。「いつまでもあると思うなアイドルとCD」。あるいはアイドルに特化したソーシャルプラットフォームもニッチだけどいいんじゃね? 細部が仕組みを整えるって日本ぽくね?とかなんとかも思いつつ…。そして事後報告になってしまいましたが、色々パクった柴さんごめんなさい!


ま、色々突っ込みましたがタイトル詐欺ですか。
真面目に読んで損した...。


おすすめアイドル10選ってタイトルの方がよほど素直に読めた(オレはね)。
詐欺ですか、釣りですか。
10選聴く気無くなりましたよ...。


今アイドルブームなのかもハッキリわからないのにブームだと言い切り、
アイドルとは何かも定義されずにアイドルを語り、。
でも最後にちゃぶ台返した上で、
アイドルっぽいものを並べて聴いてくれ、そういう事ですか。
なるほど。


聴けってんならとりあえずTomato'nPineを入れておきたい。
ファンクmeetsアイドルなんて他には無い。
解散しちゃったけどね。

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*1:©与作(cv水鳥鐵夫)