All Aboutが1ヶ月で5,936冊の電子書籍を投入してきて何が悪いの?

・All Aboutが1ヶ月で6500冊の電子書籍を投入してきてるのってどうなのよ?
http://www.denmei.org/201307/allabout.html
読んだ、んだが。
はて?
全然ピンと来ない。
記事の中身はネットのハウトゥサイト「All About」が自分のところのコンテンツを大量に電子書籍化してAmazonで売り始めた、と言う事を非難してるらしい。


ウチもよく電子書籍は買う。
「ジョジョ」は電子書籍で買い直し。
「天冥の標」もずーっと電子書籍で購入。

状況が一変したのが6月末でした。All Aboutが、サイト掲載のレシピ1品を1冊として、Kindleストアへ1日に2000冊以上も投入してきたのです。さらにそれからも生活記事などを適宜投入しており、その冊数はなんと約半月で6500冊にも到達しています。
ちなみに正確には5,936冊ですね(7/18現在)。
f:id:paradisecircus69:20130718121315j:plain
「all about books」で検索すると洋書も引っかかるので6,500冊になる仕掛け。

とはいえ全然知らんかった。
だって検索してもそんなものは引っかからないし見かけない。
Amazonは毎日見てますけどね。
ブログに貼ったりもしてるし。

しかし、『電子書籍』という媒体の持つ何でもありという負の側面に対し、越えるべきではなかった一線を平気で越えてきた商業系が出てきて、それが『電子書籍の問題点』なんて小カテゴリまで作っているAll Aboutだという事に失望を隠せません。
越えるべきでなかった“一線”?
それって誰が考える誰にとっての“一線”なんだろうか。


All About Booksに関しては文章量の短いものを250円にて統一してあるため、ダンピングとも言えず、リンク先の例そのものではありません。ただ、すでに作成費用はペイできている原稿を元に絨毯爆撃的に6500冊を生成する行為は、危惧していた事態の幕開けに思えます。これで「面白いコンテンツを作れるプレーヤー」ならまだ良かったのですが、このままでは一方的に迷惑を振りまく害悪ですよ
なかなかヒドイ言い方ですねぇ。

「面白いコンテンツを作れるプレーヤー」ならまだ良かったのですが、このままでは一方的に迷惑を振りまく害悪ですよ

ここの部分ですが、
面白くないものをまき散らすのは害悪だ、って言うのがよく判らない。
実際、現実の書店に行って「面白くない大量の本」は山のように積んである。
でもそれは自分にとってであって誰かにとっては面白いんだろうし、面白くなければ隅に追いやられるだけ。
コンテンツの供給主が「面白くないコンテンツ」を供給する事は利用者にとって害悪だ!
それって是ですか?
それにAll Aboutでライターに書いてもらってるモノを二次利用していることが害悪で粗悪であるってのもおかしい。
電子書籍として粗悪だ、ならそれはAllAboutのコンテンツ自体の問題であって、電子書籍全体の問題では無い。
二次利用がダメってんなら有名人のブログが書籍として出版された時からダメな事は始まってたんだよ。
でもダメじゃないから続いてるんじゃね?
今はフリーだったものをどのようにマネタイズするのか、そういう事を考え始め動き始めた境界線上なんじゃないのかね。


これって電子書籍の問題では無くってAmazon、というか売り場の問題なんすよね。

ネットで言えばそれまで無料だったコンテンツが「メルマガ」ってパッケージで販売されるようになった。
同じ中身でもブログに書いちゃえば無料で読めるような中身でも「メルマガ」ってパッケージにする事で対価を必要なモデルとして確立した。
あるいは会員制ブログなんてのもある。
大体、知名度のある人がその名前を武器に「ここでしか読めない」「登録した人だけの」って言う差別化をもって文字に価値を与える。
「書籍」って言うのは文字データをパッケージにして市場で販売しやすいように加工したものであってね。
そのクオリティが高いものでなければならない、なんてわけはない。
ネットだってそうだもの。
有料であれ無料であれ酷いコンテンツは山ほどある。
だから検索エンジンがもてはやされるんでしょう?
だからはてブでいいコンテンツを探そうとするんじゃないのかな。


この記事がピンと来ないのは
「ネットで読めるコンテンツを書籍化して売ったら電子書籍の全体の品質が落ちるだろうが!」
って言う視点なんすね。
いやいや。
そもそもKDPとかさ、Amazon Kindleってそういう高いクオリティを維持するための仕組みが無い。
別に審査される訳でも無く誰でも電子書籍を作り売れる仕組みがある。
もう一度言うが、もしこれが「粗悪でどうしようもない中身スカスカのモノを有料で売ってる」っていうならAllAboutが叩かれても仕方ない。でも無料で読めるコンテンツをパッケージにしてアマゾンで売って
「お前のところのコンテンツをAmazonで売るなよ」
はおかしい。


確かに、ブログをそのまま変換してたり、校正やろくに動作確認もされてない本が並ぶのもKindleストアです。それでも、市場全体に迷惑をかける事に対して歯牙にも掛けない姿勢というのは批判されても然るべきですし、社会的立場のある株式会社なら自分達のやってる事を冷静に判断して欲しいものです。

……なまじイレギュラーな手法ではあるものの、イリーガルとも言えないので歯切れは悪くなりましたが、一言でまとめましょう。空気読めや!!!!!

本人も書いている通りイリーガルでは無い。
“市場全体に迷惑をかける事に対して歯牙にも掛けない姿勢”と言うんだが、果たしてそうかな?
このAll Aboutの真似をするところが出てきたとして...で?
それが市場全体に迷惑をかける事になるの?
だって利用者は欲しい本しか買わないし、検索して余計なものが出てきても買わない。
中身が粗悪なものを買わない為にレビュー欄があるんだし、売れないなら売れる努力をするのは供給側の問題。
粗悪なものが市場に迷惑をかける。
はて、誰が、どのように迷惑なのかが見えない。

確かに今のネット上に粗悪なコンテンツは多い。
だからグーグルなんかはパンダアップデートだとかで粗悪なコンテンツを振るい落とそうとしてる。
もしこれで粗悪なコンテンツがアマゾンの検索システムを越えてユーザーに不利益(紛らわしいタイトルで買わせる、著作問題など)をもたらすならそれは電子書籍全体の問題では無く、アマゾンのシステムの問題じゃね?


電子書籍市場本番開始か
http://t2aki.doncha.net/?id=1373416794

第一次黒船騒動の2010年頃、この雑記帖で。

作家のブランディングやPR、保護、作品作りのサポートを考えると、出版社はなくなることはないし、玉石混淆で作品があふれてくればくるほど出版社ブランドは強くなる。

こんなこと書いてたけど、これが今はじまった、ということじゃなかろうか。

いわばこれからが本番その2、やっと次のステージになったのか。
従来の自転車操業型とはまったく違って、電子書籍は実売で商売。併わせて展開できればそれに越したことはなくて、いつか遠い将来電子書籍が中心となる頃には版元の儲けどころ、収益の形もハッキリして安定する、かな。

健全な発展・進化形態になりつつあると思う。

となると、割を食うのが無名の個人作家、個人出版、中小零細出版。とかいう話になるかもしれないけど。今の紙書籍だと部数が取れずに本が出せない、出せたとしても即返本対象だったりするわけで、少なくとも電子書籍に関しては、形にすることができる・店頭に、人前に並べることができる。
こんな美味しい話はないと思うか、やっぱりダメじゃんと思うか。

こちらはしっくりくる。
そしてこの「大手」「有名作家」「個人作家、個人出版、中小零細出版」に加えて今度は「ネットコンテンツ保持者」が加わって来た訳だ。
競争は厳しくなるし、ブランドを持たないところは更に厳しいかも知れない。
ネットの「フリー」でストックされたコンテンツを二次利用し有料化するために電子書籍化と言うのは常道だし、これでAll Aboutが非難されるのには違和感を感じる。
まぁ、どうせ買わねぇし。

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