「ももクロの魅力は全力」と言われる違和感

・全力ということ/ペンギンオヤジのDブログ
http://blog.livedoor.jp/penguinoyaji/archives/32402210.html

ももクロの魅力を語る時によく「全力」というワードが登場します。
で・・・
へそ曲がりの私はその言葉を聞く度に何か、違和感を感じてしまうのです。


プロとしてお金を貰っている以上、それがアイドルであろうが、
10代の少女だろうが、「全力」であるのは当たり前だと思うし、
他のアイドルの人たちだって、全力でやってると思うんですよね。。
競争が厳しい社会(芸能界)なら、尚更でしょう。


それじゃ、お前はももクロの魅力は何だと思うんだ!
えっ、そのへんハッキリしてもらおうじゃないか!


と、詰め寄られるとちょっと困るのだけど、
今日のテーマは「ももクロの魅力について」ではないので、
そのへんはまた後日ということで(早くも場外に逃げるのであった)

読んでたらペンギンオヤジさんが逃走してしまった 笑
おっしゃる通りで「全力」ってプロとしては当たり前の話。
逆に手を抜いたり、なめたりしてればそりゃ上手くいかなくなる。

ももクロは全力が魅力だ!」
じゃあAKBは全力じゃないのか?と。
走り回って踊り倒して、酸素吸入器で酸素吸ってる人がいるのも映画化なんかでやってたけど、勿論手を抜いてない。

アイドルは、モラトリアム。
虚像と虚構を売り、夢と幻想を見せる。

どれだけ醜くバタバタと足を動かしていても、水面の上の身体は動かさず美しく見せる白鳥と同じ。
裏では倒れても良いけどステージの上では気丈に踊り歌う。
「例え辛くてもお客さんの前じゃ泣いちゃダメ」
苦しくったって~♪
汗と涙を見せないのがアイドルだったのにおニャン子→モー娘。を経てアイドルは天上人から普通の女の子に変化した。


きれいで完璧にパッケージされたアイドルでは無く、おニャン子がアイドルシステムそのものをコンテンツにして見せたように、ASAYANでデビューまでの裏側を見せて「“愛の種”のCDを手売りで5万枚売れればデビュー」というストーリーを付与する事でモー娘。が成功したように(それが無かった平家みちよ)、今やアイドルにはハイコンテクストなサクセスストーリーは大事な要素になった。

ももクロYoutubeを上手く使った。
Uストリームで独自放送をし、裏側を映し、まだ知られていない頃の映像もアップロードした。
公園で踊っているところも、ヤマダ電機の前で踊るのも。

ファンは、それを更にYoutubeにアップする。
独自に編集したり、リミックス、マッシュアップ


コンテンツがあるから途中参加しても過去の逸話を追う事が出来る。
どんな風に泣いてか、どんな風に笑ったか。
これまでに何があったか。
ハイコンテクストなサクセスストーリーの共有。
昔からのファンと新規のファンの間には当然知識量の差がある。
しかしコンテンツのストックがある事でその差が埋まる。


「苦労を重ねて数十年、乳飲み子抱え借金返済の日々。それではお聞きください」
なんて前口上、サクセスストーリーは泥臭い、演歌歌手の常道手段。
どさ回り、ミカン箱の上で歌い上げる。
苦労してきた人間が歌うからこそ歌に深みがある。
そう思わせるためのストーリー。
歌詞の世界観は重い情念の世界、そしてそれに演歌歌手の実際の苦しい生活が二重写しになる。


早見あかりは脱退した。
6人で山里のラジオに出てミニドラマの中で
「早見あかりが司会の紅白に出演するももクロ
そんな未来が描かれメンバーは泣いた*1

脱退後、ももクロは急成長し紅白に出演が決まった。
早見あかりの司会は間に合わなかった。

6人バージョンの怪盗少女を聴いてモノノフは歓喜した。
胸の青いライトも、青いスポットライトの意味も正しく捉えた。
六人で出る事が叶わなかったからこその演出。
モノノフは、ストーリーを共有し、同じ思いで観て同じ感覚を共有する。


ステージの上の激しい運動量。
激しいステージをこなし、裏では倒れ込む。
それでも笑顔を忘れず、観客の事を考えパフォーマンスに真剣に取り組む。

キレイな衣装を着て汗を見せない、苦労を見せない。
それとは逆のベクトル。

長距離マラソンでゴール間近のランナーを見るのに近い感覚。
42.195kmの努力を見てきているからこそ、そこに感動を覚える。
ゴールだけ見てたんじゃ感想は「なんかフラフラやな」でおしまい。


ももクロの努力と全力は作られたものではない。
そうではなく単に裏側を隠さずに見せた。
彼女らはこれだけ戦ってるんです。
笑顔で全力で、倒れそうになりながらも走り回り歌って踊るんです。
汗も拭かない、涙も流しても良い。
それらがすべてストーリーになるし、だからこそファンは感情移入する。

ももクロが全力であることが魅力なのではなく、ファンが
「彼女らが全力であることを理解できるから全力が魅力になっている」
そーいう事ではないのかなぁ、と。
ももクロの全力と、他のアイドルの全力が違うのは、だからじゃないかな、と思うんですが。
どうですかね。

次のシングルの予約が始まってるな...。
限定盤はCD+DVDか。

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*1:当然、山里も号泣