キングオブコントはそりゃあ、ああいう結果が出る

※以下は、独断と偏見と想像に基づく

今年の優勝は、かもめんたる
キングオブコントは採点方式があれだから仕方ないが、それにしても今年はさんざだったように思えた。
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2013/09/23/kiji/K20130923006676590.html

まず1巡目ネタ順は以下、
(1)うしろシティ(松竹芸能)=773点
(2)鬼ヶ島(プロダクション人力舎)=904点
(3)かもめんたるサンミュージックプロダクション)=923点
(4)天竺鼠よしもとクリエイティブ・エージェンシー)=879点
(5)アルコ&ピース太田プロダクション)=831点
(6)TKO(松竹芸能)=896点
(7)ジグザグジギーマセキ芸能社)=825点
(8)さらば青春の光(フリー)=899点

まず1組目、うしろシティの773点が本来の「平均」になる筈の点数だった。
ところが2組目鬼ヶ島が904点を出してしまった。
これは鬼ヶ島の笑いの質が「誰もに受ける爆笑ネタでは無いけど好きな人なら押すだろう」「アクシデントも笑いにしてたな」という部分を「周囲は上げないだろうが自分は点数を上げよう」と各人が思った結果予想以上にみんなが押してしまい点数が偏ってしまった。
別に玄人受けするネタだと言う事も無かった。
なにせ各人が点数を持って民主主義だから結果が読めない。
もしM-1みたいな少数審査員制度なら結果も変わるし、得点付けも「全組観終わってから」か「観終わるたびに付けるか」で全く変わる。
そして900点台を鬼ヶ島が出してしまったことで平均点が773→900点少し下あたりに引き上げられてしまう。

なので次のかもめんたるは「鬼ヶ島より面白い」と言う事で923点。
ネタの構造的には「勘違いした痛い若者」と「冷静な視点」といううしろシティと同じ構造だが、見せ方とネタ順に恵まれた。
うしろシティの方が好きだけど。

4組目、天竺鼠のいくら、たまごのシュールなネタはシンプルで「一般審査員相手のコンテストなら予選落ちするんじゃね?」と言った中身だが平均くらいの879点。ネタ的には、あらびき団向け。
アルコ&ピースはあの時間帯で取り方によっては下ネタになるようなネタを持ってきたせいで場が軽く引いて点数が伸びずに831点。
TKOの896点はTKOだからこそ、全員少し厳しく点数をつける筈で、ウケ方の割には伸びずに896点になった。
ジグザグジギーはネタがキレイすぎて(ペロペロがキレイと言う訳では無く)825点。そしてこの辺りで空気がすっかり熱量を奪われ始めた。
その影響か、さらば青春の光はネタ的には面白かったし会場ウケもしたがネタ順に恵まれずに899点。

設定されるべき平均がいきなり壊れる→そのまま続くので次の組は高くなる→少し滑り始めると平均がぶれ始める→特に伸びず特に下がる事も無いまま1巡目終了。

こうしてうしろシティだけが773点と格段に下がる結果が出た。


そして2順目。
(1)うしろシティ=814点
(2)ジグザグジギー=819点
(3)アルコ&ピース=808点
(4)天竺鼠=946点
(5)TKO=808点
(6)さらば青春の光=847点
(7)鬼ヶ島=950点
(8)かもめんたる=982点

まずうしろシティ、ジグザグジギーが平均となる800点台。
今ひとつウケが悪い。
あの流れでリズムネタ折りこむとは...いやいや。
1位から退く時のコメントもおスベり...ジグザグジギー

その流れでアルコ&ピースが結構な勢いでスベって808点を出す。
コテコテの擦れ違いネタなのに、観客と全くかみ合ってない。
ここで底が固まる。

振れ幅が発生するのでそこそこウケた天竺鼠は比例して高得点な946点。
観ていて下ネタだったから伸びないかと思ったのに。
スベる=800点台 ウケる900点台。
TKOは808点でアルコ&ピースと同じ。
ネタの選択がおかしい。1巡目のネタはまだしも。

さらば青春の光はそこそこウケたが、爆発が無くって847点。
去年の「イタトン!」レベルのネタがあればなぁ...。

ここからは審査員の方も、残り二組なので得点を付けやすい。
勢いがあったので鬼ヶ島は950点をたたき出す。
最終的なかもめんたるに対する審査員の価値判断は「鬼ヶ島より面白いか否か」それだけなので最終的に982点と極端に高い数字が出た。

笑いは絶対的なものでは無く相対的なもので、だからこそ何かしらの基準が必要になる。
審査員がベテランお笑い人なら自分の中の基準をベースに評価もするが、同じ現役の芸人同士なら出演者の中でまず基準を作ってそれをベースに評価せざるを得ない。



特に爆発に欠ける大会だったし、ネタ順でうしろシティが損をした部分はあった。
それにしても一巡目「さらば青春の光」の時に
「ようやくまともなコントが来た」
なんてツイートが流れてきたくらいに伸びのないネタが多かった。

良いコントとか良いお笑いは時間を忘れさせる。
気づくとネタが終わってる。
もう少し観たいと思わせるのがいいネタで、また繰り返すの?もう良いんじゃないかな?と思われるとネタとしてはダメだろう。
今回「もっと長尺のものが観たい」と思わせる爆発力のあるネタはとても少なかった。
シチュエーションがまずあって、一つひねって。
更にもう一ひねりが欲しいんだが、どれも捻り一つで終わるものが多かったってのもある。

過去のバイきんぐみたいに耳にフレーズが残ったり、爆発力があったり、東京03みたいに三人で世界観をかっちり造り上げて、三人をきっちり三人として生かしてるからこそ優勝も納得できた。
03はもっとネタを観たいと思わせるし、長尺のネタを上手く大会用に圧縮してる。



格闘技でもコンテストでもなんでもそうだが、結局ルールによって優勝者は決まる。
よく格闘技で「世界最強は誰だ?!」とか煽るが、そりゃあルールによって違う。
武器が何でもアリなら独裁国家の支配者が一番強いかもしれないし、テロリストの親玉が一番かも知れない。
武器が禁止で徒手空拳なら身体が大きい人間は有利だが、目玉を指で平然と突いたり、首筋を食いちぎる事でも躊躇しない人間は更に強い。
今回のキングオブコントのルールでは、かもめんたるが一番になった。
「他のお笑いより面白い」「コント職人の中で一番」ではなく、昨日の夜のあのルールで戦った中での一番。

それはともかく前1時間は必要ない。
一時間をあんな無駄な振り返りに使うなら、各グループのネタ時間を増やすか、時間を自由選択制(例えば:1ネタを3~5分で自由に)にすればいいのに。


アルコ&ピースはM-1の南キャンを思い出す失速ぶり。
うしろシティはネタ順に泣いたけど、じゃあ二番目のコントはどーだったと言われるとやっぱり駄目だったんじゃないかと思ってしまう。
お笑いは水物。
難しい...。
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