フィクションの中にあるニセモノの現実

「リアリティ」というのは「本物らしさ」のことを言うのであって、
現実世界の本物に類似することを指す「リアル」とは違う、ということを多くの人は多分よくわかってない。
例えば、ファンタジーRPGにはその世界独特のリアリティがあるのであって、
「魔法が使えるからこのゲームにはリアリティがない」という指摘は的外れである。
あくまでその独自世界の中で、「本物らしさ」がない時にのみ、「リアリティがない」というのが正しく、
ダンガンロンパにはダンガンロンパの世界観があるのに、そこに対して現実世界という違う世界観のリアリティを持ち出すのはおかしい!

http://anond.hatelabo.jp/20131001170523

昔、スタートレックNGを観てた。
その時に友だちが来てそれを見て笑った。
何が面白いのか聞くと
「だって演技過剰じゃね?この吹き替え(笑)」
と言われた。
でもスタートレックとか海外ドラマ見慣れてる身からすれば吹き替えも普通で、こんなもの。別に過剰とも感じない。
ところが普段そういうドラマを観ない人がロミュランとかクリンゴンに扮装した俳優を観ると荒唐無稽でしかも演技も海外っぽくて大きく、吹き替えの声も過剰に演技してるように思えたらしい。


フィクションにおいてリアリティを求めるってなんだろう。
「こんなもの現実に即していないじゃないか」
現実世界ではBGMも鳴ってないから自然音と後は流れてる音楽だけ。
宇宙で爆発音なんてありえないし全て無音。
コクピットでパイロットが聞く自然音だけしか許されない。
話してる声も滑舌よく聞こえるように話すとは限らない。
ぼそぼそ喋る事もあるだろう。
わざわざカメラに映るようにやってるんだし。
セリフの途中でクシャミしたり咳したり。
だってそれが自然。
あと誰かが何も話さないまま5分とかありえる。
カット割りってなんだよ。現実がこんな風に見えるわけがない。

あれ?
これって「警視K」だ 笑

勝新が撮った、既存のドラマツルギーを完全無視した(いやドラマツルギーへの斜めからのアプローチ)斬新すぎる迷作ドラマ。
カメラを無視、セリフが聞こえるか聞こえないかなんて関係ない自然体。
もし「リアリティ」を徹底すれば「警視K」は、かなり良質なお手本になりえる。



ガス・ヴァン・サントの「エレファント」
セリフは決められておらずアウトラインだけ決まってるから役者人は全てアドリブで筋に沿った台詞を話す。
特にBGMとかも使われて無くってだから背景には自然音が流れてる。
で、こういう映画を世に出すと必ずつまらない、退屈、何が言いたいのか判らないといわれる。
現実に近い「リアリティ」を出せば判りづらいと言われ、過剰にやればリアリティを持たせろと言われる。
どっちにしろ文句。


アニメの声優の演技は過剰。
そーいうのが嫌いだから宮崎駿はどこぞの役者を使うんでしょう。
役者は表情や仕草もすべて含めて演技なのに対して声優は声で演技をするから似て非なる。
アニメの画に声優が合わせるなら声は張って滑舌よく。
もしアニメに対して「リアリティ」を求めるならそういう過剰な演技に関してはどう思うんだろう。

アニメというコンテンツの物語世界自体がフィクションで出来てる。
だって画だもの。
その中でキャラは自己を顧みる事も無くコギトエルゴスムと悩むことも無い。
顧みたら「言霊使いの罠」の時の鬼太郎と「カイロの紫のバラ」のトム・バクスターみたいになるけども(とは言えそれすら脚本の中にあるメタだけれど)。
書かれたものすべてがフィクションで現実は何一つない世界*1


リアリティとは「本物らしさ」
それもなんか違う。

例えば、ファンタジーRPGにはその世界独特のリアリティがあるのであって、
「魔法が使えるからこのゲームにはリアリティがない」という指摘は的外れである。
あくまでその独自世界の中で、「本物らしさ」がない時にのみ、「リアリティがない」というのが正しく、
この言い分だとまず「魔法が使える世界での本物らしさとは」の定義が無きゃならない。
いやいや、魔法の世界もフィクションなんだからそもそものリアルが存在しない。
そりゃ「「魔法が使えるからこのゲームにはリアリティがない」という指摘は的外れ」なのはその通りだがだからって「あくまでその独自世界の中で、「本物らしさ」がない時にのみ」っていう独自世界のリアルっていうハイコンテクストも何もないものを持ち出しても永遠に平行線。
それにアニメだろうがドラマだろうが見るのは、この現実世界の人間なんだから基準は現実世界になるのは至極当然。

本物らしさ、と言うよりも
「例え過剰であっても視聴者が納得させられるディテール」
なんだと思う。
フィクションはそもそもホンモノじゃあない。
本物よりも過剰にして、画面ではようやく本物に見える。

うどんとかのCMで美味そうにアツアツの湯気が出てたりするけど、あれは別にアツアツじゃなくてドライアイスなんかを使って表現してる。でなきゃカメラが曇る。でもそれを「美味そうだなー」と視聴者は感じる。
視聴者がうどんの映像を観て食欲をそそられたならそれはリアリティ。
本物らしさじゃない。
本物よりもより本物と思える「脳の中の理想の現実」

だって鍋に入ったうどんが画面に出てきたら湯気は欲しい。
湯気が無いんじゃ暑いのか冷たいのか伝わらない。
伝える為に、だから過剰に湯気を足す。
そしてそれを視聴者は「リアリティ」だと錯覚する。
シズル感ってやつですな。
・なんでもかんでもシズル感/DPZ
http://portal.nifty.com/2008/07/02/b/
ただ単に置いてあるビールの缶よりも水滴がついてる方がリアリティが出る。
このリアリティ。


フィクションにリアリティを求めて批判するならすべて批判すればいい。
中途半端に「ここの部分にリアリティが...」実にアホらしい。
もっと色々リアリティが欠如してんだろ?!

学級裁判の場面で弾丸のCGが出るがあんなものは現実に即していないし、そもそもあの学校はどこにあるんだ。
超高校級ってなんだよ。超高校級の傭兵??荒唐無稽すぎる。
大山のぶよが声を出してるあの熊の仕組みはあり得ないし、人が死んだシーンと処刑のシーンはリアルにもっと描け。
なにが超高校級の希望だよ。
なんでクマだけ起き上がってんだよ。
多重人格者をきちんとレポートしてそれを元に描いてるのか?!!
BGMが流れてる自体ありえないし、時間が編集されてるのもおかしい。
30分のアニメなら30分だけ描け。

...つまらなくて底の浅いモノの見方だなぁ。
ダンガンロンパ1・2 Reload 初回特典「ダンガンラジオCD 超高校級のスペシャルエディション」 付

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