ダウンタウンの素人いじり

・お笑いが、苦手です。
http://inujin.hatenablog.com/entry/2013/10/08/185433

どうにも最近ダウンタウン語りが多くて、ウチでも最近のダウンタウン語りへの違和感については書いたんだけれども、

コテコテの関西人だけど、お笑いが苦手だ。

いまだに関西人は誰もが面白いことを言えると信じて疑わないピュアな人と出会うことがあり、そんな期待に満ちた目で見つめられても、何にも出てこないですよと、迷惑にすら思っている。

関西人でお笑いが苦手なんてゴロゴロいて、話の最後は必ずオチが無きゃいけない、なんて―のはある種の都市伝説だったりする(そういう連中もいるけれども)。それは日本人を見たら
「オー!ジャパニーズ!!ニンジャ!カラーテー!!」
外人さんが日本人=空手使いという勘違い程度には荒唐無稽。

苦手なものも受け入れろ!なんざ思わない。
当然だと思う。
オレだってキュウリが嫌いなのにみんなが好きだから食えと言われてもキレるわ。

で、この記事がお笑い苦手なんだ、ってところで終わるなら
「あぁ、なるほどなーそーいう人も居るよね」
で終わってたんだが。

ところで、少し不思議だな、と思うのは、もともと「笑い」というものには、既存の権力や硬直化した社会に対する抵抗や批評としての機能もあったんじゃないかな、ということだ。

たぶん、ダウンタウンさんが受け入れられた理由も、出演者全員をいじるという、それまでのテレビの世界に対する強烈なアンチテーゼがあったのだろう。

なぜ最後に苦手なものをなぜわざわざ語るのか不思議に思った。

オレは野球が苦手。
ルールはある程度判るが興味が持てない。
だからオッサン連中らが「昨日の試合がさー」「○○のピッチングがー」とか言われても適当に相槌打つか、流すか、話はしないし見解も無い。
ここ数日野球が盛り上がってるが全く興味がないし、書かない。


昨日、書評の話について書いていてその時に

僕が他の人の「ネットでの書評」を読んでいて、これはつまんないな、と思うのは「書いている人が、エセ評論家になってしまっている書評」です。
「みんなはこう言っている」とか「客観的に評価すると」とか。
誰も、そんなものはあなたに求めていないのに。

http://fujipon.hatenablog.com/entry/2013/10/08/113459

「いつか電池がきれるまで」さんがこのように書いていたのを思い出した。


漫才ブーム終盤、NSC一期生、四時です~のブレイクで関西で人気に火が付き深夜番組から徐々に認知度を上げてきた。それまでのベタでハイテンポの掛け合いネタの中に、スローテンポでアングラな価値観を持ち込んだ。

たぶん、ダウンタウンさんが受け入れられた理由も、出演者全員をいじるという、それまでのテレビの世界に対する強烈なアンチテーゼがあったのだろう
正直、泥沼なのであまりお笑い史について語りたくも無いんだが(そんなもんは故・香川登志緒氏の本でも読めばいい)元々舞台の上でのエンターテイメントだった笑いがブラウン管の中へと入り込んだ。


近代の毒舌や観客いじりと言うのは毒蝮三太夫だったり、萩本欽一辺りにルーツがあるか(エンタツアチャコ辺りかも知れないが)。
舞台の演芸などでの客いじり~、例えば
「今日のお客さんは、キレイなお客さんが多いですなぁ。そこの方、まぁ!えらいベッピンさんやわ!そのお隣も...べっぴんさん!(客席を指さしながら)ベッピンさん、ベッピンさん、一つ跳ばしてベッピンさん」(客席笑い)
そういった舞台からの客席いじりの技法を、テレビに出演した「素人いじり」に転用した。やがてそれが同業他者へと振り向けられる。
かつて一世風靡した萩本欽一坂上二郎コント55号の笑いは「不器用な坂上二郎萩本欽一が茶化す」と言った具合で、やがて「欽ちゃん」はテレビのバラエティーで司会を担当し番組に出演する素人いじりを始めた。
こういった技法が一般化したのは必ずしもダウンタウンでは無く、この手の事を語る方々の脳の中から同時代のとんねるずの素人いじりがスッポリ受け落ちてるのも気になる。
ダウンタウン以前には本当に無かったと言い切れるならまだしも、ね。
この辺の話って現代のトーク番組の形式の確立についての考察も絡む。一昔前はトーク番組もひな壇のテクニックも確立してなかった*1

笑う事と笑いを語る事は違う。


滑稽な笑いって蔑んでバカにする事で発生する笑いで、クラウンだとか世界的に存在するし、滑稽な笑いのルーツを辿って行くくらいなら専門書でも書けるくらい膨大。
最近になって嘲笑~蔑みの笑いに対する忌避感を多く散見するが、そんなに人間って清廉潔白なのか。
テレビは下品、ネットは潔癖。
どうにもネットが力を持ってから急に潔癖な方々が増えたような印象がある。
なぜでしょうね。

くだらなくってしょーもない。
下品でつまらない。
荒唐無稽でバカバカしくて子供には見せたくない。
お笑いなんて大昔からずーっとそう言われてきた。
でもオレは大好きですが。


なぜ苦手なのに書かれたんだろう...。
とはいえ、何を書いてもウチに対してブーメランなのでこんなもんで。
お笑いに詳しい訳でもないし研究もしてない。
以上、最近のダウンタウン語り~及びお笑い語りに対する素人の違和感と感想でした。
大阪の笑芸人 (1977年)

*1:二人がただ立って喋る~って言うトーク番組のひな形はパペポ~ガキ使辺りか