キルラキルのパワーインフレ構造

「バトル物マンガにおけるパワーインフレに関する考察」は定番の話題。
ウチでも過去に
【関連過去記事】「HUNTERxHUNTER」で否定されるパワーインフレーション
http://azanaerunawano5to4.hatenablog.com/entry/2013/03/31/122619
こんな記事を書いた。


・バトル漫画の「弱い敵から順番に出て来る」問題の克服法の考察
http://yamanashirei.blog86.fc2.com/blog-entry-1653.html
考察の記事が新たに書かれてた。
なかなか面白い。

過去にも書いた事があるのですが、この中でも「HUNTER×HUNTER」は「弱い奴から順番に出て来る」要素を完全に無視した漫画ですね。
連載初期からヒソカ登場とか、ドラクエで最初の町を出た直後にゾーマにエンカウントするようなものですしね。
お散歩する大魔王ってネタ、「銀魂」あたりで見たなw
ヒソカの他にもイルミやらゾルディック家やら幻影旅団やら…。
ゴンを遥かに凌駕する(その上、未だに強さで追いついてもいない)キャラがこれでもかと出て来ている。
んー、ちょっとウチとは考え方(捉え方?)が違うかも知れない。

バトル漫画での「パワーインフレーション」と言うのは
「戦い→主人公が勝つ→次の敵が現れる→勝つために何かしらの理由が必用(修行や新たな武器など)→敵に勝つ→新たな敵が...」
という「戦闘を中心とし、敵を倒す度に敵が強くなり比例して主人公も強くなるために登場人物らの強さがインフレーションを起こす構造」を指すのであって、主人公らが戦わない(いずれ戦う敵も含める)、あるいは敵が本気を出さない(つまり勝てるが勝たない)という理由づけで主人公のパワーを否定しない場合は、パワーインフレーションの例外とはならないんじゃないだろうか。


例として今放送している「キルラキル」で考える。

生徒会長 鬼龍院皐月は、当初から出ているし極制服すら着ていないが主人公 纏流子よりも圧倒的に強い(という演出をされている)。
他にも生徒会四天王らは纏流子よりも強くいずれ戦う(であろう)が、当初から登場している。
登場時期とパワーは、イコールではない。
鬼龍院皐月は、纏流子が「相手にもならない」と思っているため上から見下ろす学園の象徴としてのみ出演する。
纏流子の目的は「本能字学園の生徒らを倒し鬼龍院皐月の元に辿り着き倒し話を聞き出す事が目的」という構造。そのためにはパワーを上げていくしかない。

さてここからは推測になる。
纏流子の着るセーラー服「鮮血」は、極制服の元であり、「鮮血」の糸を折りこむことでパワーを得ている。
纏流子が極制服を着る部員らを倒す事で「鮮血」に糸が戻り「鮮血」はパワーを増す。
纏流子もまた戦闘の中で経験値を増し、敵も徐々にパワーを上げていく。
構造としては手塚の「どろろ」に近しい。
これもまたパワーインフレーションの構造にあると思われる。

ONE PIECE」は、「HUNTER×HUNTER」とは異なり、「弱い奴から順番に出て来る」という要素を多少なり含んでいます。
けれども、弱い奴から出て来る明確な理由付けがなされている漫画でもあります。
ワンピースもまたパワーインフレ要素を持ちながらそれを避けようと模索している。
ルフィーに関して言えば初期の状態よりも
この漫画に於いては、主人公が最弱の海から出発し、徐々に強い海へと漕ぎ出る様を描いているからこそ、次々と強い敵と出会う事に説得力を持たせています
理由付けがあればパワーインフレではない、というのはちょっとおかしい。
パワーインフレとはあくまでも
「後半になるに従って敵の力が増大しそれに合わせて主人公らの力も増大していく」
状態の事でしかない。

「ルフィーは一体誰と戦ったのか?」
「どのように強くなってきたか?」

こう考えないとノイズが多い。

ゴム人間→成長する→技が増える→ギアセカンド→ギアサード→覇王色の覇気
うん、インフレしとる。
最初っから強い訳じゃない。


ただワンピースは、他の仲間を入れてその成長も描く事でインフレを鈍化させる。
主人公がただ戦って勝つ→(成長)→勝つ→(成長)→勝つ...
これはインフレ率が高く進行が速い。
そこで他の仲間の成長も入れ込む。
主人公が勝つ→仲間が勝つ→仲間が勝つ→(成長)主人公が勝つ→仲間が勝つ→仲間が勝つ...

そして誰がどれだけ強いかをはっきり明文化しない。
ドラゴンボールは「○○の戦闘力は」と数字化した事で最終的にとんでもない数字を叩き出す事になる。
ところがワンピースの登場人物の強さは数字で表せない。
或いは最後に気合で勝つ。
「気合い」「思い」というのは数値化出来ない火事場のクソ力。
主人公らの強さが通常では弱かったとしても、土壇場で「火事場のクソ力」を出せるのであればインフレーションせずに勝つことも叶う。
それに単純な殴り合いでなく「能力」であれば、それは相性である場合もあり、必ずしも力と力の差ではない。


また暇な時にでもインフレ系の考察します(今日も体調が悪い)。
キルラキル楽しみだわ。
「キルラキル」オリジナルサウンドトラック