森博嗣「「やりがいのある仕事」という幻想」

「やりがいのある仕事」という幻想
森博嗣「「やりがいのある仕事」という幻想」を読んだ。

アマゾンのレビュー欄に「具体的なことなど書かれていない」と書いてある通り、森博嗣流の抽象思考で「働くとはなんだろうか?」を客体化して考えたり、そもそもの「働く意味」とはなんぞやという問いかけ。
よくある「○○は××だ!」という自己啓発のお馴染み無責任でドヤ顔の著者が断定してみせる一方的な決め打ちがない分、そういう「誰かが自信満々に明言する事に頼りたい」人には向いてない。
マニュアル本じゃあない。


この本での森氏の主張は
「生きるため、糧を得るために働いているのであって、働くために生きているのではない」
だからこそ自分がどうなりたいのか、どうなることが幸せの最終的な形なのかを考え、そのために適正な働き方があるのならそれを目指すために考えてみなさい、といった事が書かれてる。

岡田斗司夫氏が「悩みのるつぼ」という相談コーナーをやってる。
読者からのさまざまなお悩み相談に岡田斗司夫氏が答える企画。

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岡田氏は読者からの悩みをどのように分解し、再構成し、ディテールをそぎ落とし、必要なディテールを残し取捨選択した上で回答を行うか、という思考ルーチンの公開をやってる。
この本はかなり評判もいいが、悩みというのは感情や自分の都合や関係性があるからこそ悩んでいるのであって、無関係な第三者にそれを投げれば感情が無い分はン判断はシンプルで、明快な答えが出てくる。

森氏の言う抽象思考なども「既成概念にとらわれず本質を見て、抽象から具象へと変化させディテールの取捨選択をしなさい」という事なのだが、岡田氏の方がわかりやすい。そういうルーチンすら自分で考えるひとでないと「当たり前の事を言っているだけ」としか読めない。
森氏の思考と言うのは「このように捉えられる」「このように考えればいいと思う」であって「こう考えなさい」「答えはこうなんだ」とは書いていない。
終盤に質問コーナーがありそこで質問に対して森氏が答えているんだが、かなりシンプルであっさりしている。
感情を排し個人的事情を鑑みないなら簡単な答えが出る。


不親切と言えば不親切だし、この後に書かれた「人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか」と内容は似ている。
こちらは仕事や生きることに特化していると言うくらいか。
中心となる思考法は同じ。
思考法なら「人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか」
仕事に特化した抽象思考を知りたいなら本書を読めばいいんだろう。

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