なぜメンノンが“キラキラ腐女子”を掲載したのか?

私がモテてどうすんだ(1) (講談社コミックスフレンド B)
・腐女子が主人公の少女漫画『私がモテてどうすんだ』が話題に-“キラキラ腐女子”ってなんぞや?
http://lunasaurus.hatenablog.com/entry/2013/10/24/124550

みまみた。
タイトルままの記事(多分に妄想含む)。
まず、ここから「オタク前史」が始まるのですが、長いので興味の無い人は下部
誰のためのキラキラ腐女子か?
まで読み飛ばしてください。
かしこ。
※オタク、サブカルに関する定義は独自のものです
※あなたがオタクだと思うものがオタクです。 ただし、他者の同意を得られるとは限りません
※あなたがサブカルだと思うものがサブカルです。 ただし、他者の同意を得られるとは限りません


オタク戦記

わゆる「オタクvsサブカル」の図式の敷衍は続いてるのがよく判る。
明るくて人づき合いも上手。一見普通の女の子と変わらない
今ドキなファッション。ときどきギャルもいる
コミケやニコ動のイベントには彼氏と出没
これらの3つの条件を満たす腐女子は、この世に存在しているかもしれない。

しかし、端から見れば完全なる“リア充女子”である“腐女子”が
「私の大好物はBLで、好きなカップリングは○○×■■で~///」
なんて他の“リア充”たちの前で言うものだろうか??

黎明期の「オタク」って言うのは、暗くてコミュ障で友だちが居なくて、アニメとか特撮とかが好きで、ファンジンを買い集め、VHSじゃなくてLD(レーザーディスク。判らない人はお父さんお母さんに聞こう!)を購入し銀色の円盤にプリントされたコマの一つを観ながら所有欲を満たしてた。
オタクとマニアは同意語、オタクとネクラは同意語。
マイナーな存在だったオタクが宮崎勤の事件で脚光を浴び、そういう「オタク」のステレオタイプとして90年代に宅八郎がテレビに登場して「紙袋を下げ外観が不気味な印象で格好にも気を遣わない」イメージを植え付けた。

不健康で社会に溶け込まない社会悪。
犯罪者予備軍。


打撃を受けたオタクが、2ch文化や電車男のイメージで変化した。
景気に左右されない一定購買層は商売になるからイメージを変えようとしわけだ。
ノマネコは売れた、ネットで話題になれば売れる。
嫌儲前の話。
・オタク市場に関する調査結果2012
http://www.yano.co.jp/press/pdf/1002.pdf

今でも豆腐をザクの形にしたりビグザムにすれば売れる。
アニメの付録を付ければコンビニで包んだ袋を貰うためにわざわざ買いものするやつもいる。


変容したオタク

タクのイメージは、社会的に変容した。
いや、させられた。
その結果、隠していたヤオイ属性を腐女子として名乗る方々が登場した。

腐女子は詳しくない。
ここ数年の呼称の気がする。

また、本来腐女子とは男同士の恋愛を妄想して楽しむ女の子たちのこと。ただのオタク女子とは違うのだ。

http://ddnavi.com/news/167584/

ヤオイの文化ってのは昔からあったが、腐女子とは呼ばれて無かった。

「オタクとは名乗るものではなく呼ばれるものだった」


今のオタクは随分ライトになって、誰でも彼でもアニメとか漫画が好きなら自称「オタク」だが、かつてのオタクって言うモノはデータマニアで博覧強記、コマのひとつひとつや演出など様々なアニメや特撮に関する知識が豊富な人々だけをオタクと呼べた。
オタクの基礎教養論議があったが、当時のオタクは基礎教養として学ぶコンテンツも少なかったし、誰かとの意見交換では無く自身のコレクター魂を満たすために行動していた。心の欠落を埋めるための収集。
フィギュア集めてます―、オタクです―。
マンガ買ってます―、オタクです―。
アキバ行ってます―、オタクですー。


サブカルとは大槻ケンヂである

ころがオタクとは言え、全員が全員ステレオタイプではない。
「マニアック」で知識も豊富だが、格好にも気を遣ったり、彼氏彼女がいたりするしコミュニケーションも取れる。
そういう見た目はオタク然としていないが知識量的にはオタクに類されるような趣味人はずっと存在した。
それがいわゆる「サブカル」として登場する。
「暗くて、くさくて、キモイ」オタクが社会的にバッシングされる中、知識が豊富で洒落ててセンスがいいサブカルは重宝される。
あるいは知識人として扱われる。
オタクの知識は、アニメとかアイドルなど狭く深いが、サブカルはアニメやマンガへの造詣もそこそこあり、洋楽やファッション、文化史から歴史から民俗学などアカデミックな方向にも向かったりする。
サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法
大槻 ケンヂ

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どっかのデマの人が「サブカルとは大槻ケンヂである」と言ってたがそれ以前に、サブカルとは山田五郎だし、泉麻人だしタモリだし、みうらじゅんだしいとうせいこうでもあるし、どちらかと言えばそっちの方が古い。
こうやって並べるとよく判るがサブカルは、東京近郊で培養されたんだろう。
で、どーいう人らはアニメや特撮も語れるがオタクよりは浅く、その分広い。
オタキングも気づけばサブカルに近くなってしまった。


そしていわゆる「サブカルvsオタク抗争」がある。
この辺は検索でもすればゴロゴロ出てくる(まるっと投げる)。
※ウチの過去記事も引っかかるがスルーして下さい。


誰のためのキラキラ腐女子か?

ンノンにオタクに対するサブカル的な「キラキラ腐女子」が登場。
ここからが本題。
MEN'S NON・NO (メンズ ノンノ) 2013年 10月号 [雑誌]
これが載ったのがメンノンってのが面白い。
アメリカンボーイとコード推しのPOPEYEならまず扱わない。
TOOL雑誌と化したHugEも同様。
金持ちの黒一辺倒なSENSEも違う。
ちょっとおっさんのSAFARIもあり得ない、OCEANS、LEON、FREEE&EASY、RUDE。
どれも違う。
メンノンってとこが重要。

「果たしてメンノンを読むのは誰か?」
メンズノンノと言えば老舗男性ファッション誌。
実績があり知名度もあり、キムタクとかジャニーズがモデル。
言えば誰にでも通じるし載ってるのは十代、二十代のファッション。
(...でも表紙見たらプローサムのバッグに夢中とか書いてるなー。うわー)
そして脱ヲタを企む
「ファッションとか判らんしネットで脱ヲタとか見ても今ひとつ具体的じゃないしなー」
そーいうヤツがメンノンを買う。
そこで「コミケに彼氏といきます」みたいな“キラキラ腐女子”の記事を読んで
「お?マジで?オレと合いそう」
ってな事になる(と編集は思ってる)。
購買層を考えれば“キラキラ腐女子”なんてもんをメンノンが載っけるのも何やらよく判る話。


three cheers for our side~海へ行くつもりじゃなかった

こ数年、ファッション業界からオタク層へのアプローチが多い。
・美少女フィギュアの「カリスマ」ボーメさん10周年記念展-渋谷パルコで
http://www.shibukei.com/headline/5612/

そもそもなぜエヴァストアがアキバではなく原宿なのか。
http://www.evastore2.jp/tokyo01/


景気が悪いとファッションは売れない。
バブルの名残~ライブドアショック前はブランドブームで高級な服も売れた。
Three Cheers for our side ~海へ行くつもりじゃなかった
しかしその後の長期の不景気。
ファッション界はオタク層への取り込みを模索し始めた。
・渋谷パルコに本物のクールジャパン発信基地が誕生!!
http://biz-journal.jp/2012/09/post_749.html

こういう文脈で読めば「なぜメンノンで“キラキラ腐女子”か」がよく判る。
カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生
オタクからすればサブカルなんて外道なわけですよ。
趣味に邁進もせずにオシャレとか紅茶でも飲みながら女子と語らってワーキャーチャラチャラしやがって語りはナンパ用に使って「オレって詳しいでしょ」アピールしやがって、心血を注いでコンテンツを生み出したクリエイターに対して失礼なんですよ、大体、ピチカートファイブだの渋谷系だの聞いて、オープンカーでドライブですわ。年とったら今度はボタニカルライフとかロハスとか言い出して「やっぱり自然がいいね」とか泥にもまみれないクセに上っ面で自然賛美しやがる。そんなやつらはサブカルクソ野郎ですよ。そしてサブカルクソ野郎は自分がサブカルのクセにサブカルをクソ呼ばわりするんですわ(via長谷川○蔵)。


そりゃ腐女子からすれば“キラキラ腐女子”は輝いてるんだから腐女子でもなんでもない。
オタクがサブカルを嫌悪したように。
妄想の彼方のモラトリアムで遊ぶのが是のオタク/腐女子と、リアル世界に趣味を持ち込むサブカル/キラキラ腐女子じゃ合わないに決まってる。
と言うかそんなものは認めない。
そんなもの腐って無いじゃない。


“キラキラ腐女子”は、脱ヲタのために創り出されたモラトリアムの彼女。
脱ヲタしたからって急にオシャレな彼女は荷が重い。
オタクファッションをやめたイケてるボクとオタク趣味を共有できる素敵な彼女。
franc-francの雑貨でオシャレにしたボクの部屋で、一緒にアニソンが聴ける。
脱ヲタしたらそんな彼女が出来るかも知れない。
だからみんなメンノンを読もu..asfnおasだfoif

ユリイカ2005年8月増刊号 総特集=オタクvsサブカル! 1991→2005ポップカルチャー全史