自薦「ラノベ好きにお勧めしたいミステリ」とラノベとミステリの曖昧な境界と

ライトノベル好きが違和感なく読める一般小説10選 - 補助線とタワシ

ラノベかラノベじゃないか微妙なラインの小説7選 - tailwisdom's blog
どろっどろの泥沼だけど、あえて手を突っ込んでみる。
「ラノベと一般小説」っていう閾値がハッキリしないのはもちろん

あなたがそうだと思うものがライトノベルです。ただし、他人の同意を得られるとは限りません

ライトノベルとは (ライトノベルとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

とあるようにラノベとは誰しもが口にしながらも漠然と曖昧なもの。
一般小説の「一般」が曖昧な上に「ラノベ」が乗っかり更には「新本格」やミステリが混ざったもんだから言わずもがなの泥だらけ。

例えば補助線とタワシさんでは舞城王太郎のデビュー作「煙か土か食い物」を挙げている。
個人的には、近々「舞城王太郎入門」でも書こうかと思っていた矢先にラノベ好きなら「煙か土か食い物」読めますよー、と言われると、いやいやちょっと待っておくれ、と。
そもそも舞城は「ミステリ界の地雷原」メフィスト賞からデビューし、文学賞候補になるも石原慎太郎村上龍辺りから嫌われて受賞を逃しているわけで、一般小説と言うにはあまりにも極北の存在。
これって
「テクノを聴くには何がいいですか?」
「んー、オウテカかなー」

「料理マンガ興味あるので何か読んでみたいんですけど」
「だったらスーパー食いしん坊を読みなさい」

みたいな斜め上の勧め方で、いやいやいきなりそれは無い 笑

先日亡くなった殊能将之氏の名作「ハサミ男」も挙げているが、殊能氏でラノベ...ファンタジー好きなら間違いなく
黒い仏 (講談社文庫)
キマイラの新しい城 (講談社文庫)
黒い仏」「キマイラの新しい城」の二作なら特定の有名作家好きが引っかかる筈で、どれか勧めるのであればこちらの方がいい。
ちなみにどちらも新本格の中でも極北...メタやアンチミステリに位置して、一般小説ではないが。



ベクトル変更。
んでtailwisdom's blogさんで挙げられてる作品。
まず田中芳樹銀河英雄伝説
元々は1982年徳間ノベルズより発売され、その頃はもちろんラノベなんて言われて無かった。
(創刊は角川スニーカー文庫が1987年、富士見ファンタジア文庫が1988年)
1983年、朝日ソノラマ文庫から発売された菊地秀行吸血鬼ハンターD」はジュブナイル小説と呼ばれていた。
それが86年には「銀河英雄伝説」のコミック化並びに88年にアニメ化し、国産SFとして認識されていた銀英伝はいつのまにやらラノベと認識され始める。その辺りは田中芳樹アルスラーン戦記やマヴァール年代記などの表紙を天野喜孝が飾ったのも一つの要因かもしれない。

野尻抱介氏のクレギオンシリーズが当初は富士見ファンタジア文庫から発売され、その当時はラノベと認識されていたにもかかわらず、作品がハヤカワへと移り再発される運びになると今度は
ヴェイスの盲点―クレギオン (富士見ファンタジア文庫)
ヴェイスの盲点―クレギオン〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)
弘司氏のキャラ中心だったものが宇宙船に代わってしまった。
こうなると中身は同じなのに「ラノベ」とは呼びづらくなる。
(このシリーズは宇宙船サジタリウスっぽい名作ですけれども)

この辺りは元記事の「ラノベかラノベじゃないか」と言う趣旨に沿っている選択だと思う。
結局パッケージの印象論でジャンルなんて変わってしまう。
で、綾辻氏の「Another」はどーだろうか。

「Another」は、新本格第一世代の綾辻氏「ミステリ」「ホラー」にジャンルされる。
十角館の殺人」でデビューし、氏のホラー好きから「殺人鬼」と言うものも書かれた。
こちらはスプラッターホラーと新本格ミステリを融合させようとした作品になる。
殺人鬼 (新潮文庫)
殺人鬼  ‐‐覚醒篇 (角川文庫)
こちらも表紙が新潮→角川で変更されているが、この変更はAnotherの発売後に行われてる。
ミステリ業界も下火で、新しく支えて行く作家が出て来づらい現状がある中で、ミステリがラノベ寄りになるのはむべなるかな。
表紙をアニメっぽくしたりキャラを描けばそれらしくなる。
個人的にはAnotherは綾辻の書いたラノベ、と言う認識でいたりする(とはいえ2010年のこのミスでランクインしてるから必ずしもその辺りの明確なジャンル別けは微妙だなー)。

まぁ、スニーカーミステリ倶楽部なんていう徒花もあったようにその辺りを明文化しないでおく方が臨機応変に(殺人鬼が表紙変更で再販できるように)コンテンツは自由度が高い方がどうとでもなる訳で、その辺はGOSICK(S)を見てもよく判る。
GOSICKs ―ゴシックエス・春来たる死神― (富士見ミステリー文庫)
GOSICK  ―ゴシック― (角川文庫)
(米澤の「氷菓」もスニーカーミステリ倶楽部→角川文庫→角川スニーカー文庫と変遷してアニメ化して花開いた歴史)
ホント微妙なラインと言えば微妙なライン。


自薦「ラノベ好きにお勧めしたいミステリ」

自分がもし「ラノベ(と言われるような小説)を読んでいる方々へ送るミステリ」と言うのであれば
キララ、探偵す。
アンドロイドのメイドが事件を解決する竹本健治「キララ、探偵す。」とか、
笑う怪獣 ミステリ劇場 (新潮文庫)
警視庁特捜班ドットジェイピー (光文社文庫)
喜国はまだしも、竹本健治はどーした...。
「ラノベ好きに送るミステリ」というのであればこの辺りを自分なら挙げるし、ミステリと一般文芸はやはり違うのではないかな、と思うのだけれども。
コズミック流 (講談社文庫)
あとはキャラ探偵がバシバシ出る清涼院流水「コズミック」
「1年に1200人を密室で殺す」警察に送られた前代未聞の犯罪予告が現実に。1人目の被害者は首を切断され、背中には本人の血で「密室壱」と記されていた。同様の殺人を繰り返す犯人「密室卿」の正体とは?推理界で大論争を巻き起こした超問題作。第2回メフィスト賞受賞。
ウヒョー!JDCすげーぜ!格好良いぜ!
読み終わったとき壁に投げようとしたのは内緒だぜ!!
さらに西尾維新好きなら
ダブルダウン勘繰郎 トリプルプレイ助悪郎 (講談社文庫―西尾維新文庫)
こっちに行くのもいい。

魔界探偵 冥王星O ヴァイオリンのV (講談社ノベルス)
覆面作家 越前魔太郎(作品により著者が違う)のシリーズにはラノベ(にジャンルされる)作家も多い。

乙一 - 魔界探偵 冥王星O ヴァイオリンのV (講談社ノベルス)イラスト:redjuice
入間人間 - 魔界探偵 冥王星O ウォーキングのW (電撃文庫)イラスト:ブリキ
秋田禎信 - 魔界探偵 冥王星O ホーマーのH (講談社ノベルス)イラスト:redjuice
相生生音 - 魔界探偵 冥王星O フィータスのF (『電撃文庫MAGAZINE』掲載)
折口良乃 - 魔界探偵 冥王星O ペインのP (メディアワークス文庫)イラスト:KeG
新城カズマ - 魔界探偵 冥王星O ジャンクションのJ (講談社ノベルス) イラスト:redjuice
御影瑛路 - 魔界探偵 冥王星O トイボックスのT (メディアワークス文庫)イラスト:鉄雄
舞城王太郎 - 『魔界探偵 冥王星O デッドドールのダブルD』(講談社ノベルス) イラスト:redjuice

越前魔太郎 - Wikipedia

ウチがラノベ好きに舞城をすすめるなら(出来不出来は作品によりまちまちだが)こっちのシリーズも面白いかもしれない。

すべてがFになる THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)
森博嗣のデビュー作「すべてがFになる」
西之園萌絵犀川創平はラノベ好きにはかなりグッとくると思う。
森作品はVシリーズにしろキャラ立ちがしっかりしてる。

幻惑密室―神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)
西澤保彦氏の「チョーモンイン 神麻嗣子」シリーズ。
超能力を使う犯罪者に対抗する、と言う設定で一応萌えです。
最近なら、こっちの方がもっと萌えかも知れないけれども。
幻想即興曲 - 響季姉妹探偵 ショパン篇

京都の鴨川を舞台にカンガルーが...いや、まぁ変なお話。
ディプロトドンティア・マクロプス (講談社文庫)
火浦のこっちとかもいいかもしれない。
ミステリーよりSFのひとだけど。
ハードボイルドで行こう (角川文庫)
ニワトリはいつもハダシ【両A面】 (ソノラマノベルス)