韓流が嫌いでも韓国映画は別腹まとめ

韓国と言うと「日本が嫌いなー」な韓国ヘイトで、反しておばちゃんは「○○が格好いいわぁ」と韓流ブームの名残で、どちらに傾倒してもいろいろと香ばしい界隈だったりする。
個人的には韓流も興味が無いし、国や政府の施政や外交政策と民族性と個人を混同して一絡げで語るような浅さは持ちたくないので、好きとか嫌いとかそういうことを語るつもりは無くって。
韓国映画特集『活況を呈する韓国シーンから続々日本上陸!新たな傾向と動向を探る!!』
ただ韓国の映画は面白いものが多い。
甘ったるい物語では無く、昭和日本の映画みたいな熱量がある。
もし韓流のイメージとか単なるイデオロギーと先入観で「韓国の映画なんて」と見下してるならかなり勿体ない。国籍なんて抜きにしてエンターテイメントとして上質。
だからこそハリウッドでも今韓国の監督が注目されてるし、進出できる。
どこぞのサングラス欠けて腰振ってるギャングスタイルのアホみたいな曲が世界中で(日本を除く)流行った背景とは違う話で、ひとつひとつのクオリティがとても高い。

※艾未未悪ふざけver


ポン・ジュノ

『スノーピアサー』予告編 - YouTube
新作「スノーピアサー」はバンド・デシネ「Le Transperceneige」が原作。

文明が崩壊し雪に閉ざされた近未来の地球。
生き残った人々は「スノーピアサー」と呼ばれる列車で暮らしている。
列車にはヒエラルキーが存在しており、最前列の列車に支配者階級、後方の車両に貧しい人々が住む。
「原作に出会ったのは運命」監督が語る映画『スノーピアサー』 - ぴあニュース - 朝日新聞デジタル&M

ポン・ジュノは、ペ・ドゥナ主演の「ほえる犬は噛まない」のようなコミカルな作品も撮れるし、「殺人の追憶」「母なる証明」のような人間の悪意をドロドロ描くハイセンスなサスペンスも撮れる。

そして「グエムル-漢江の怪物-」で表層的には怪獣映画を描きつつ、暗喩的には殺人鬼とその家族の復讐譚を描いてみせた(あくまで個人的解釈)。
人間らしく暴力的で悪意と闇に溢れる作品を撮ると卓越してる。
どれもハズレが無い。


パク・チャヌク

オールド・ボーイ 日本語予告 - YouTube
パク・チャヌクの代表作「復讐者に憐れみを」「親切なクムジャさん」「オールド・ボーイ」の復讐三部作は有名。
ハリウッドで去年「イノセント・ガーデン」を撮影したり世界的な評価も高い。
日本では最近の嫌韓が台頭する前に「JSA」がヒットしたのも覚えてる。
映像センスが秀逸で「イノセント・ガーデン」でのアンナ・ギャスケル的な暗喩なエロスは素晴らしい。


キム・ギドク

キム・ギドク作品はとてもキリスト教や宗教的な匂いが強い。
映画「サマリア」は援助交際の中で自殺する少女と生き残った少女の贖罪の物語でタイトルも「善きサマリア人」のサマリアから引用してる。
映画「弓」では処女性と海の神に奉る生贄の話だし、「春夏秋冬そして春」ではリインカネーションを描く。
観念的な世界や宗教観を暗喩的に描くもんだから深く考えながら見るのが必須で、当然ながら娯楽を求める一見さんお断り。どの作品もとても深いのに上っ面しか見ないと実に退屈に見えてしまうのが残念。
「サマリア」「うつせみ」「弓」は傑作。


キム・ジウン

A Tale Of Two Sisters Trailer - YouTube
キム・ジウンも人間の黒々とした悪意を描くのが上手い。
「箪笥」にはゾクッとさせられたし、「甘い生活」や特に「悪魔を見た」での血と暴力のハンパない量。
バイオレンス好きにはもちろんおススメ。
「だって韓国映画なんてさ...」
って人はとりまシュワルツェネッガーの「ラストスタンド」を観て、どんな映画を撮る監督か知ってからでもいいかもしれない。

『ラストスタンド』予告 - YouTube


【ナ・ホンジン】

映画 チェイサー 予告編 - YouTube
この「チェイサー」もそうなんだけれど韓国の名作映画って実際の起きた事件をベースにしてるものが多い。
予告編観てまた見返したくなる。
残酷な誘拐殺人犯と被害者を救うべく奔走するオッサンの物語。
ハリウッドでリメイクしてもこの泥臭さとか汚さは出ないんだろうなぁ。
それがいいのに。

こちらもハリウッドリメイクの話。


【ヤン・イクチュン】

主演もやってるヤン・イクチュンの「息もできない」は名作。
観た方がいい。
これしか長編撮ってないのが残念だよなー。


【まとめ】
イデオロギー云々は置いといて、単なるエンタメ好きの一個人としては、韓国から出てきた監督がハリウッドで世界へ向けて映画を撮れるのも今の勢いからだろうし、新・仁義の墓場とか初期三池作品に見られるような昭和犯罪・ヤクザ映画の溢れる熱量が欲しいのに、今の日本映画を観てもそれを全く感じられなくって、女性がハンカチを持って客席を埋め、ケータイ小説が原作とか余命幾ばくもない少女が倒れて彼氏が世界の中心で愛を叫ぶお涙ちょうだい作品よりもっとパワーあふれる物語が観たいんだがもはや求めるべくもない。
別に暴力的だから面白い、と言うのではないけれども、なにやら綺麗にパッケージされたキャラクターで物語を作成されたものとか、ともかく泣かせようとか、ゼロ戦でサザン流しといたらヒットするぜみたいな事されても...。

KILLERS面白そうだなー、と思ったらインドネシアの監督なのか。
なんだかなぁ。
そーいえば「クローズEXPLODE」の監督は三池じゃなくって豊田利晃氏だそうで、それは期待できそうな予感。

また歌舞伎町の映画館で、本物のクローズらに囲まれて観てみたい。


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