ロシア軍隊格闘術 システマ超入門「逆境に強い心のつくり方」読んだ

ここ数年「システマ」の名前をよく聞くようになった。
アニメ「ハヤテのごとく」とか漫画「アクメツ」などフィクションにも登場。
イメージとしては何かクネクネしていて打撃はしなる鞭打。
ロシア謹製、スペツナヅなんかの危ないイメージ(素人的に)。

逆境に強い心のつくり方 (PHP文庫)
ステマの動画で興味が出たので、「システマ超入門」とサブタイが打たれた「逆境に強い心のつくり方」を読んでみた。

現代において事件や事故に巻き込まれるよりもずっと多くの人が病やストレスによって苦しみ、命を落としています。特に日本での二十代から四十代の死因のトップは「自殺」。
だからマーシャルアーツの技術よりも、身体と精神状態を穏やかに保つことの方がはるかに現実的で実践的な護身術となるのです
格闘技は好きでよく見るし、やってたこともある。
格闘技のをテーマにした映画や試合も見るし、本も読む。
しかし格闘・戦闘術を扱いながら
「身体と精神状態を穏やかに保つことの方がはるかに現実的で実践的」
と書いてあるのものはあまり見かけない。
普通の護身術や格闘術なら自己否定にもなりかねない。


※右のTシャツが著者の北川貴英氏
呼吸を行いリラックスしてどんな状況にも対応する。
恐怖に対しても怒りに対しても常に力を抜いて、自分の身体と感情を把握しコントロールする。
よくある護身術なら「こんな風に襲われた場合はこうやる」という型がある。
柔道や空手のように動きを身体にしみつけるための反復練習。
型が無かったり、組手を行ったり、練習ルーティーンがシステマには無いのだそうで、それは精神面を重視するからなのだそうだ。

基本となる呼吸法や身体の動かしかた。
いつでも落ち着き、緊張があれば必ずリラックスさせる。
常に身体を動かし位置を変える。
覚えるのはハードなストレスへの対処と精神の抑制。
心が乱れるのは仕方ないし、必ず乱れる。
この本では「重要なのはその乱れた心をどうやって正常な状態へと戻すかだ」と説いている。

ステマでは呼吸をコントロールしてそれを行うのだという。
やり方は簡単。
「システマ式呼吸法」なんて大それたもんではない。
リラックスして、鼻から息を吸って口を細めて吐く。
背筋は伸ばして。
緊張している箇所があれば力を抜く。
基本は、それだけ。

恐怖心が筋肉を緊張させ、筋肉が緊張することで脳がさらに緊張状態を増加させ、更に筋肉が緊張する。
それを呼吸で整え悪循環を遮る。
思考もシナプスと脳内物質の発生によるんだから呼吸によってコントロールするというのは合理的な考え方。
加圧トレーニングにしたって体内血流をコントロールすることで、脳を騙して成長ホルモンを出させる。
脳から体へと指令が送られた結果で身体の状態が変化するのだから、身体をコントロールすることで逆に脳の状態をコントロールする。

「体力をつけ、精神力を高めることで、攻撃しない人間になれるのです」
モスクワ本部のあるインストラクターはこう語っています。システマのトレーニングで目指す境地が見事に集約された言葉と言えるでしょう。
百戦百勝は善の善なるものに非ず。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり」と孫子も書いている。

「超入門」と銘打っているだけにシステマの概要とその根幹にある「格闘技や戦闘術ではなく、システマは呼吸と心理」に関して判りやすく書かれていて、実用書好きのおじさま方でも考え方を仕事に役立てたり、日常で使えそうな、そんな本になってる。
なかなか面白かった。

常に自然体で呼吸を意識して。
リラックスした状態から放つので、身体をしならせて打つ打撃になる、と。