野尻 抱介「女子高生、リフトオフ! (ロケットガール1) 」

女子高生、リフトオフ!: 1 (ロケットガール)

「…ちょっとしたアルバイト?」怪しげな男の何気ない誘いが、自分の人生と、宇宙開発史を大きく塗り替えることになろうとは、森田ゆかり自身、知る由もなかった―。父を捜しに訪れたソロモン諸島・アクシオ島で、ゆかりはある男に出会う。ソロモン宇宙協会の所長、那須田と名乗ったその男は、父親捜しを手伝うかわりに、ゆかりを協会にスカウトしたのだった。アルバイト―そう、協会の開発した宇宙ロケットの、史上最年少の宇宙飛行士に!小型で軽量、知能と度胸は抜群―日本の誇る“女子高生”は宇宙を目指す!スラップスティックSFの傑作、新装版としてついに復活。
1995年、富士見ファンタジア文庫から発売されていた本書がイラストを改め、ハヤカワ文庫から発売。

野尻抱介氏作品は「クレギオン」にしろラノベとして富士見ファンタジア→SFとしてハヤカワの流れが多い。
ノンシリーズの「沈黙のフライバイ」「太陽の簒奪者」辺りは結構なハードSFだし、「南極点のピアピア動画」「ふわふわの泉」辺りは読み口は軽めなのに奇想を活かしてがっちりしたSF作品になってる。


このロケットガール、すでにアニメ化されてたらしい。
...WOWOW加入してたのに全く観てない。

Rocket Girls Opening Title ロケットガール OP - YouTube


物語は、かなり強引に女子高生 森田ゆかりが宇宙飛行士をやることになり、ぶつくさ言いながらもそれなりのやる気で宇宙へと向かう。
近未来、通常の打ち上げよりも遥かに安価なロケットの打ち上げ実験...危険な匂いしかしない上にうる星やつらに出て来そうな個性の強いキャラクターが脇を固めて、嫌も応もなく巻き込まれる。

科学考証的なディテールに関してはさすが野尻氏だけあって細かい。
打ち上げシークエンスが、意外とあっさりしてるように感じたが、その辺は王立宇宙軍の見過ぎかもしれない。


面白い、が最近の「南極点のピアピア動画」「ふわふわの泉」辺りの名作と比較すると「んー」って感じだし、「大風呂敷と蜘蛛の糸(短編集「沈黙のフライバイ」に収録)」の奇想と比べると真っ当で王道の宇宙ロケットものだって部分をどうとるかによるかも知れない。
単体としては面白い、読み口の軽いライトなSF。

ロケットガールはシリーズ作品なので新装版で刊行続くか。
期待して待つ。
沈黙のフライバイ