鈴木みそ「Xまでとどけ」

Xてんまでとどけ アイゾー版 (Mac Fan Books)

連載スタートから11年。鈴木みそのデジタルへの愛憎がぎっしり詰まったドキュメンタリーがついに結実する。11年前、みそ氏の興味はすっかりMacやアップルから遠のいていた。しかし、そんなみそ氏を「Mac OS X」へ導くべく始まった連載「Xてんまでとどけ」では、やがてみそ氏元来の性分、気になったら実際に試さずにいられない、詳しく話を聞かずにいられない心をアップルプロダクツの数々が魅了しはじめる。アップル&デジタルガジェットへの愛憎(アイゾー)遍歴は、きっとあなたにも共通する価値観かもしれない。
鈴木みそ氏が桜玉吉氏と二歳差なのに驚いた。
年下かと思ってたのに随分上だった...。

PowerMacintosh9500に始まり、窓と林檎とをとっかえひっかえやってるガジェット好き鈴木みそ氏のライフログ漫画。
OS9の時代からXの時代へと急速にガジェットが進化して、SCSIとかMOディスクがすっかり過去のモノになって、mixiを皮切りにSNSも一般化したり。
マカーであれば作中出てくるPowerBookとか(鈴木みそ氏が解体するもんで保障外になったりする)旧型のハードディスクが回ってる白iPodとか(未だにウチにもあるわ)懐かしさもひとしお。
読みつつ、当時の個人的な経験を思い返してみたり。
あー、あったなー、そういえばー。

とはいえ林“アップル詩人”信行氏のような林檎信者とは違って、鈴木みそ氏は窓も使うので、その辺りはある程度の距離感が感じられて清濁併せ呑んでいるような印象。
Mobile Meにチェックが入ってるせいで無料の筈が気づけば勝手に年会費が引き落としされてるとかいう楽天的仕掛けへの怨嗟の声とか、新しくなるたびに過去をざっくざく切り捨てるMac的な思考とか(過去互換?何それ?美味しいの?はAppleの常識)。
そんなのあったな。
愛憎両方あわせ持ってる。

そりゃあ年もとるなー、としみじみ認識させられた。
PC8801なんて触ってた頃が懐かしい(3.5とか7インチフロッピーとか...その前にパソコン用カセットテープもあったっけ)。
技術は日進月歩で、今やNikeFuelbandSEでライフログを記録して、何かあればツイートし、iPadでテレビを観て映画レンタルして、Kindleで本を読み、iPhoneドラクエやって音楽聴いてる毎日。
数年前には、こんな未来になるとは想像もしてなかった。

Apple好き(知らない人には「こーいう時代もあったのか」と思えるかも知れない)にいい感じの一冊。


ちなみにこの「Xまでとどけ」はKindleでの電子書籍版と、直販サイトでの紙の本(電子書籍版付き)の販売を先行で行って、以降は通常に販売していくみたいだけれどもアマゾンの紙本は売り切れの模様。
『Xてんまでとどけ アイゾー版』特設ページ | マイナビブックス
(※↑一部試し読み可)

鈴木みそ Mac Fan編集部から「予約分の限定になりますが、電子と紙合わせましょう」と提案をもらったんです。僕も、購入者は"読む権利"があるので、紙を手にしたら電子が同時に付いてくるのは当たり前だと考えていたので大賛成でした。ことの顛末は、僕の公式ブログ『ちんげ教』に書いてますが、いろいろ問題が山積みでしたね(笑)。ただ、僕は純粋に読者として、紙を買っても電子版がほしいし、より利便性を高めたいんですよ。それで、電子書籍がもっと普及してほしくて、このシステムでの販売を選んだんです。だからこそ、ぜひ皆さんに手にしてもらえたらなと思います。 個人的には、一度購入したら、その権利をできれば永久に、無理だとしてもしばらくは奪わないでほしいなと考えています。それに、デバイスを選ばずに、一度手に入れた作品は読みたいですね、その流れを作家側が止めていたら時代が逆行すると思うんです。
『Xてんまでとどけ』鈴木みそ - 「電子書籍は実物がない、だからこそ読む権利を保証してほしい」 | マイナビニュース
確か以前に「メディアの仕組み」(池上 彰/津田 大介)がこれと同じように電子書籍版のダウンロードコード付きで売ってたっけ。
こういう売り方もいまどきの新しいやり方かもしれないなぁ(ウチはKindleで買った)。
最終的に「てんまでとどけ」のマイナビ予約は800まで行きました。予約して買ってくれたみなさんには心の底から感謝してます。
あの販売方法でよく800も行った、といってくれる人もいましたが、1000を切ったことは負けも負け。大敗です。
じゃあ800部刷ります。というわけにもいかないのが印刷物の難しいところ。注文の数だけ刷るオンデマンドなら可能ですが、今回はオフセットの豪華版。どうするのかと思っていたら、
「なんとか2000部刷ることにしました」
と編集長。
ええー、刷るんだ。
余ったやつは書店で? 
「アマゾンとマイナビ通販で、あとは書店でも少し。半年で売り切るということで、がんばりましょう」
ひえええ。まだ勝負は続いていたのかー。ここで売れ残ったら本当の負けだ。

原稿落ちました - CHINGE

かなり売れてる模様。