「電子書籍は紙の本より安いべきである」は本当なのか?

ルポ 電子書籍大国アメリカ (アスキー新書)

米・英<日本

角川のKindle70%オフから学ぶ電子書籍の適正価格 - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)
他人の引用強め、普段のメイロマ節「海外デハー」アピール弱めで別にいいんですが、ひとつ気になったので。
つまり、電子書籍の適正価格というのは、中古書店の値段と同程度かそれより少々高い程度であり、紙の本より安くなければなず、その位の値段であれば、とりあえず買っておきたいという感じでお財布が緩むユーザーが少なくない、ということの様です。確かに、日本の電子書籍は、先行しているアメリカやイギリスに比べると高いかもしれません。
このソースはどこなんだろうか?




ちなみに

一般的に新刊書ではハードカバーがいちばん高く25ドルぐらいだとすれば、ペーパーバックが約半額の12~13ドル、Eブックだと15ドル、というのが平均的な値段でしょうか。

アメリカの電子書籍事情でおさえておきたい9つのポイント

アメリカでは再販制度がないので元々の書籍の価格が高いんです。
そこへ来て電子書籍価格が、ハードカバー~ペーパーバックの中間で、しかも粗悪な紙質のペーパーバックとくらべればそりゃあ電子書籍買うよなー、と言うのが実際でしかも国土が違う訳ですから
1つ目の理由はアメリカに実際に行ってみると分かると思うのですが、「書店が本当に少ない」です。スーパーマーケットに行けばレジの近くに雑誌が置いてあったり、カーゴの中に申し訳程度にバラ売りされているのを見かけます。ですが、日本のように駅前に行けば書店があるといった現象はなく、最寄り書店は車で30分というのが普通です。

また、大学の多くは敷地内にブックストアが設けてあるのですが、大学の大きさの割に大変小規模です。サンフランシスコやニューヨークなど大都市中の大都市に行けば、ジュンク堂レベルの書店はあるとのことですが、一般の人はそこまでして本を手に入れるとは考えにくいです。

アメリカの書籍事情は全く違う!! アメリカでAmazonとKindleが成功した3つのシンプルな理由 | ビーカイブ

書店に行くにも遠い。
でかいからこそテレビにしろだからこそCSが異常に普及している国なわけでそりゃあお国柄は色々。
徒歩何分で本屋がある、なんて環境は日本ならでは。

電子書籍先進国イギリスではどうかと言えば

イギリスでは本の売上の15パーセントを電子書籍が占めており、電子書籍市場の80パーセントをアマゾンが占めているという。

例えば、ハリーポッターシリーズの著者として有名なJ.K. ローリングの大人向けの新作「The Casual Vacancy」はアマゾンで注文すると定価20ポンドから割引かれた9ポンドで購入可能である。同作を電子書籍で同じアマゾンで注文すると11.99ポンドである。

出版社側は電子書籍の場合だとあと5パーセントは安く設定できると認めているが、電子書籍は追加に税を払う必要があるとも主張している。
「なぜ電子書籍の方がハードカバー本より高額なのか?」とイギリスで争論になっている件 - IRORIO(イロリオ)

さて、電子書籍の話をするとき、よくアメリカの事情なんかは引き合いに出されるよね。
だけど今日は、イギリスの電子書籍事情についてのお話だよ。
イギリスの書籍業界の雑誌「ブックセラー」によると、イギリス国内の電子書籍の売り上げは、いまや年間約2億6000万ポンド(約320億円)に達し、書籍市場全体の15%を占めているんだ。
ヨーロッパ全体での書籍に占める電子書籍の売り上げ比率は6%。イギリスではそれに比べても高い比率で電子書籍が販売されているんだね。

そんなイギリスで、人気のある本の価格調査をしてみると、なんと電子書籍の3分の1が、紙版よりも価格が高いことが分かったんだって!
一般的なイメージとして、電子書籍は紙の本よりも安い、というものがあるけど、実際、紙の本だけにかかる印刷や配送コストは値段の5%程度。電子書籍だからといって劇的なコスト削減ができるわけではないんだ。
出版甲子園 - 【イギリスの電子書籍】 こんにちぱん! やっと気温が下がってきたね~。... | Facebook

電子書籍の方が、紙の本より高い場合すらある。
えーと「確かに、日本の電子書籍は、先行しているアメリカやイギリスに比べると高いかもしれません」でしたっけ...。
どこのパラレルワールドの話なのか。


電子書籍<紙の本

個人的には電子書籍万歳で、おかげで部屋の積読が電子化されて幾ら積読してもスペースをとらなくなった。

紙の本は、重い。
Kindleタブレットは軽いし、タブレットを忘れたらiPhoneのアプリで読めばいい。
電子書籍は暗くても読める。
文庫本なら一冊くらいしか持ち歩かないが電子書籍なら数十冊でも持ち歩ける。

電子書籍は紙の本よりも利点が山のようにある。
虫がわかない、焼けたり色があせることもない、床も抜けない歪まない。
書店のあいている時間に関わらず気になったらすぐ買える。
紙の本なんて古本屋に売ったって数円にしかならない。
以前、部屋いっぱいの本を売っても二十万くらいにしかならなかった。
原価幾らやと思ってんねん。


なのに
電子書籍は紙の本より安くなくてはならない」
と言われる。
なぜ?
もちろん装丁に凝っていたり、紙の本ならではの雰囲気や手触りなんて言う単なるコンテンツ以外の付加価値を提供することが出来る。
ただ電子書籍にはそれなりの利点があり、別に紙の本に劣るものじゃあない。
内容...コンテンツの価値は等価。
だとしたら「安くなければならない」の考えは「紙>電子」と言うことになる。
紙の束であることは、そんなに価値があるんだろうか。

紙の束を買えば確かに所有欲は満たされる。
手触りが無い、読んだ感じがしない、手にした感じがしない。
電子書籍は人に貸せない、とか色々言われるが読みたければ買えばいい。

今は対価の対象が「モノ」から「コト」へと変化しつつある。
お金を払い何か「モノ」を買うことから、なにかしらの「コト」を体感するために対価を支払う。
電子書籍であれば「モノ」は本で「コト」は電子書籍を読む権利に相当する。


リンク先の記事でメイロマ様のまとめの中に


こんなツイートがあった。
古本屋に行けば懐かしい作品も売ってるが今更それを大人買いする気にはならない。
紙があせたり、誰かが読んでクセがついている古本を山ほど買ってくる...。
今、全巻買ってきて部屋に本が積み上がるのを想像すると辟易する。

「紙であること電子書籍より価値がある」
なぜ価値がないのが当然なのか。

自分はそれを感じない。
電子書籍と紙の本が同じ価格であれば電子書籍を買う。
自炊しなくても出版社が代理でやってる、と思えば等価でも不便はない。
元々紙の本だって別に「紙だから」金を払ってたわけじゃなく、コンテンツに対しての対価を支払ってたのであって、その媒体が紙だろうが電子だろうが個人的には利便性が高い方が嬉しい。
なにが「適正」な「価格」なんだろう。

しかも今の電子書籍は紙の本より安いものが大半。
たまにセールもやる。
角川ばかり注目されてるが、以前には講談社も50%オフセールをやってた。


別に全ての本を電子化するつもりはないし、されることもないだろう。
調べ物をするなら紙の本の方が便利な場合だってある。
「確か中盤過ぎたあたりの...この辺だったかな...」
みたいな調べ方は紙の本の方が楽。
紙の本だからこそ表紙の外せばおまけマンガがついてたりするし、作者のお遊びもあったりする。

紙の本じゃないといつか読めなくなるかもしれない、とよく言われる。
しかし家に所有している本が数千冊としてそのうち何パーセントを読み返すんだろうか。
いつか読み返すかもしれない、と思って押し入れに眠ったままの本がどれだけあるのか。
単に積んであるだけの紙の束がどれだけあるのか。
劣化し風化していく紙の束を背にして「いつか読むかも知れないし電子書籍なんて読めなくなったら終わり、単に読む権利を買っているだけ」と言うのは勝手だけど、個人的には何度も読み返す本があるならそれだけを紙で買って、あとは電子版で買う。
その方が効率的。
あえて紙にこだわる理由はない。
単に利点を生かせばいい。
「モノ」>「コト」じゃない。
「モノ」にも「コト」にも利点も欠点もある。


電子書籍はまだこれから普及していくんだろうし、一過性のブームと言うわけでもない。
電子書籍をろくに買ってないし、まだ慣れてもいないのに
電子書籍は紙よりも価値がない、高すぎる、下げろ」
ばかり言うのはどうなんだろう。

本当に電子媒体であることは価値がないのだろうか。
紙の本しか読んでいないユーザーに対してアピールするために「安さ」というのは一つのウリにはなるけど、でも安さだけが取り柄なら電子書籍は今後も紙の本の安価版・副サービスにしかならない。


単に紙の本を電子化しただけの電子書籍ではなくって電子書籍であるからこそできる、電子書籍だからこそ価値があると人の口に上るような、そんな電子書籍が出てくる未来を期待して、この「積み上げた紙の本に圧殺されず幸せに生きる方法」記事は終わりたいと思う。
日本に殺されず幸せに生きる方法 (あさ出版電子書籍)