新書100冊読んでも、なにも成長しない

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photo by YLev

読書家の俺が思う読書の弊害

お前ら読書しろ。

読書すれば、知識はつくし語彙力がつく。

アイディアは途方もなく出てくるし、プレゼンスキルもつく。

多分、世の中の◯◯力といったものは、大半は読書でまかなえる。

その辺にある新書100冊くらい読めば、自分の成長ぶりに驚愕するぞ。

でもな、読書すると周りの奴らが滑稽に見えてくる。

自分に自惚れて、周りが許せなくなる。

そんな自我肥大人間は社会には受け入れられないんだよ。

だからさ...社会で生きたいなら、読書するな。

ツッコミどころ満載の増田(はてな匿名ダイアリー)の記事。

読書家と言いながら読んでるのは、キャリアポルノ(メイロマ様©)の新書本。

大量に新書を読んでも得られる知識や語彙は限られてる。

延々、ノウハウのカタログ本を読み漁るようなものですから。

ネットでも「これであなたのブログもアクセスアップ間違いなし!10のテクニック」「初心者が必ず覚えておくべきSEOの秘訣」「デザインこそがブログの一番のポイント」みたいな記事をとりあえずブックマークしてる方々をよく見かけるけれど、あーいう「人が教える方法(ハウトゥ)を読まないといられない」というのはキャリアポルノで脳が汚染された結果。

ろくに読みもしない記事をブックマークしただけでやり遂げた気分になってる。

どれもこれも手あかのついたネタの似たような記事ばかりなのに。



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マニュアル男

昔で言えば「マニュアル男」とかいって、自分のやり方に自信がないからマニュアル本に頼る男を揶揄して言われたんだけれど、今どきのまとめサイトやSEOやキャリアポルノなんてすべて

「誰かが代わりに解釈して簡単に噛み砕き教えてくれる安易な知識」

でできあがってる。

読むのにクリエイティブな能力は何一つ必要ない。

読んだだけで成長した、知識や技術を会得した気分になれる。

「絶対見ておくべき名作映画50」なんてまとめをブックマークしたからってその映画を観たことにはなってないって言うのに。


多分、世の中の◯◯力といったものは、大半は読書でまかなえる。
まかなえてないんだよね。

もしキャリアポルノを読みまくればスーパービジネスマンになれるなら、どうしてキャリアポルノが売れ続けるのか。

世の中ににスーパービジネスマンが溢れてないのか。

自分だけがスーパービジネスマンのつもりなら他のやつはキャリアポルノを読んでないのか。

自分だけが賢い?上手くやれてる?成長した?


偽薬効果

これは「もしダイエット本を読んでやせるのならダイエット本が売れ続けるのか」に似てる。

「世の中の○○力」ってのは基礎の部分に相当する。

こんな風に考えよう、こんな風にやろう。

でもそれを実践しても上手くいかない。

なぜかと言えば、その「世の中の○○力」だけで解決するように世の中はできてない。

自身の状況に合わせて独自にアレンジした「○○力」を作って実行しなきゃならない。それを続け実践しなきゃあ効果がない。

読んで知識を得るだけじゃ意味がない。

自分の人生のハウトゥは自分で作らなきゃならない。

既存で売ってる、誰かが言ってるものが自分に合うなんて限らない。

なのにそれに食いついてしまうのは「ダイエット本を読むだけでダイエットが成功したような、やせたような錯覚が得られる」のと同じく、ハウトゥ本にはそういう偽薬的な錯覚を生む効果がある。

ダイエット本を買う→読み終わって少し試す→効果が今ひとつだから次のダイエット本を→ダイエット本を買う→読み終わって少し試す→効果が今ひとつだから次のダ……。

それは効果が今ひとつなんじゃなくて一つのダイエット本を徹底してやってないからでしかない。

やるなら一冊に書いてあることをやせるまでやれ。

数を読めばやせるってわけじゃないって言うのに。


低読解力

キャリアポルノを読めば読むほど読解力が無くなる。

なにせキャリアポルノは「○○は××だ!」「△△をするべきだ!」と断定してくれる。

誰かの判断に身をゆだねるのは楽だ。自分で考えなくていい。

「自分の頭で考えなさい」というキャリアポルノを読み「そうだ自分の頭で考えるべきだ!」という言葉に踊らされてる時点で自分の頭で考えてない。

「自分の頭で考えなさい」というキャリアポルノを読み「そうだ自分の頭で考えるべきだ!と思わされたら、自分の頭で考えてるってことになるのか?と考えることが自分の頭で考えるということなのか」までたどりついて、ようやく自分の頭で考えてるってことになるんだ分かったじゃーねー。

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物語や背景に暗喩的に何かしらがある作品は、読みながら脳内に世界を再構築し意味を考え裏の意味も考える。

そうすると読解力が身につき、暗喩や構造を考える力も出来上がる。

ところがキャリアポルノはマニュアルと同じで何かしらの考えややり方を明言しハッキリと提示して見せる。

だから読み込む必要がないし、読んだだけでわかった気になれる。


余談だが、キャリアポルノの感想文(紹介記事)は、ブログの書き手からすればとても簡単。

ハッキリ書いてある方法と主要な中身を書き出して、フレーズを引用すればできあがり。

そう言う新書紹介系ブログの記事ってだからどれも似たり寄ったりでしょ。あれ以外に書きようがない。

彼らは方法を読んだだけで実践した訳じゃないんだから。


そしてナイフを持って立ってた

その辺にある新書100冊くらい読めば、自分の成長ぶりに驚愕するぞ。
それは「今まで知らなかったノウハウを知ることで才能が広がった」ように感じるだけの話でそのノウハウが使えてないなら何の意味もない。

「このナイフって缶切りもコルクオープナーも付いてるんだぜ!」
と十徳ナイフを手にしても缶も開けずにコルクも開けないならすべてムダ。

さっきも書いたがハウトゥは成長させてくれるわけじゃない。

自身が成長するにはそのハウトゥを使い問題を解決し自分なりのノウハウを構築して知識を自分の血肉にしなきゃならない。

道具はあくまで道具だ。

使ってなんぼ。

ナイフを手にして強くなったような気分になっても自分は何も変わってない。

でもな、読書すると周りの奴らが滑稽に見えてくる。

自分に自惚れて、周りが許せなくなる。

そんな自我肥大人間は社会には受け入れられないんだよ。

頭でっかちで使いこなせず、知識がある分周りのやり方の不備が見える。

「ドアを開けても何も見つからない、そこから遠くを眺めてるだけじゃ*1とザ・ブルーハーツは歌ってたけど、キャリアポルノを読んでドアを開けても、そこから一歩も踏み出しもしないで次のドアを開けたって、それはいつまでも家の中でしかないんだよなぁ。


こじらせた意識の高い人間をキャリアポルノは生み出すものですよねーなどとメイロマさまの本の宣伝みたいになったことを後悔しつつ記事を終ってみる。
キャリアポルノは人生の無駄だ (朝日新書)

*1:少年の歌