街の書店 vs ネット書店 vs 電子書籍

リアル書店とネット書店と電子書籍 - WINDBIRD
それぞれにいい点悪い点があるのは当然として、ただ少し上記リンクの方(WIREDに空目したのは内緒)と見方が違う部分が多々あった。
※似たようなことは以前にも書いてる

・街の書店
・ネット書店(アマゾンなど)
電子書籍Kindle、角川bookwalker、Kinoppyなど)

のいい部分悪い部分を考えてみる。

1.品揃え

これは圧倒的に
ネット書店>街の書店≧電子書籍
というところか。
街の書店は規模がピンキリなのでブックファーストとか紀伊國屋とか都心部なら異様に品揃えがいいが、小さな本屋だとヒット作とか近年のモノ、メジャーな雑誌しか置いてなかったりする。
電子書籍も頑張ってはいるもののまだまだと言ったところで、特に新刊が書店よりも遅れて配信されるのは現行仕方ないだろうが、電子書籍派としては「新刊で出たけれど電子書籍化するまで待つ」ということが発生してしまってる。
例えば「食戟のソーマ」なら紙のコミックスなら2/4に出た6巻が最新だが、Kindleだと3/4に出る5巻が最新。
※電子版は現在、去年12/4に出た4巻が最新刊になる
これは出版社などにより異なるがジャンプコミックス食戟のソーマ」の場合、コミック一冊分ずつ遅れて電子化されている。


2.買いやすさ

短所は「買いにくい」こと。配送までに時間がかかるし、受け取りが面倒だし、決済の方法を準備するのも大変だし
リンク先の方はネット書店を買いづらい、と評しているが、この辺もなかなか微妙なところ。
例えば田舎に住んでいるとして、近所の書店は品ぞろえが悪い場合、都内の大型書店まで出かけるとなると交通費や時間と言うリソースがかかる。
ところがネット書店だと注文すれば送ってくれる。
コンビニ受け取りにして受け取れば在宅する必要もなく、コンビニに買い物がてら受け取ることもできる。
Honya Club.com
電子書籍が圧倒的にいいのは読みたい時に読め、買いたい時に買えるところ。
面白い本を読み進めて、続きを読みたいがもう夜。
そんな時でも続きが買える。深夜でも豪雪でも関係ない。
部屋にいて、電波が繋がれば書籍を買える。
本屋の開店/閉店時間を気にしなくていいし、宅配で届くのを待つこともない。
学生時代、小遣い全額本に突っ込んでパツパツのビニール袋を両手に抱えて帰ってたが、電子書籍ならコミックス全巻買っても持って帰る苦労もない。
※そのせいか大人買いが増えた気がする


検索機能

リアルな書店には検索機能がない。
もちろんブックファーストのような(ブックファーストの回し者では無いですが一番立ち寄るので)大型書店の場合検索用端末を導入しているが、そうでない小さな本屋なら探すのに店員さんに聞きだのしなきゃいけないし、ただ現物見たいだけなのにわざわざ店員さんに捜してもらって買わない、ってのも気が引ける。
電子書籍は検索が使えるというだけでも随分とアドバンテージがある。
そしてアマゾンの場合、電子書籍がなくても、代わりに紙の本を注文できるので「探している本が手に入らない」と言うことがほとんどない。
・街の書店
・ネット書店(アマゾンなど)
電子書籍Kindle、角川bookwalker、Kinoppyなど)

というよりも実際的には
・街の書店
・ネット書店+電子書籍

ということなのだと思う。

ただそういう「検索機能がない」ということは書棚を片っ端から見ることになって、端から端まで本棚を眺めてるうちに「あれ?こんな本あったんだ」「お?これなんだろ?」みたいな不意の出会いがあるのも書店の魅力だろうと思う。


試し読み

これは手に取って読める
街の書店>電子書籍>ネット書店
という順位が無難だが、コミックスが立ち読み・汚れ防止のフィルムにくるまれてる書店が多いので、コミックスの場合は
電子書籍>街の書店>ネット書店
ということもある。

ただamazon電子書籍の立ち・試し読みに関して言うと自分の場合、あとがきを読みたかったり、ランダムに中を開いて文体を確認したかったりするのに、頭から目次だけで終わってたりするのは、iTunesで映画レンタルしようとして試しに再生したら冒頭のクレジットだけが延々流れ中身が確認できず、結局Youtubeで予告編を探したりするのに近い。
システム的には難しいだろうが、誰でもその本に対し試し読み数ページの権利があって、どこでも好きなところだけを読めるようになってればなー、などと思わなくもない。


品質

紙の本が上回る、というか電子書籍は端末による。
Kindle Paperwhite 3G(ニューモデル)
Amazon (2013-11-12)
売り上げランキング: 106
少なくともKindle Paperwhite程度の「読めればいい」端末では、文字の本ならいいが写真などは問題外。
iPadなどの端末なら高画質で読めるが、長時間読むのには向いていない。
暗いところでは紙の本は読めないが、明りの下でなら一番読みやすいのは当然のこと。

ただ電子書籍は、動的コンテンツや寄生獣のフルカラー版のように「電子書籍ならでは」の付加価値を模索しているし「電子書籍だからこそ」と言う差別化が出来て来れば今後は面白いと思う。


所有すること

そしていつも言われる「電子書籍はあくまでも読む権利を買っているだけ」というところ。
これに関しても自分のように「紙の本を持ちたくない」人間にとってみればさほど問題無いが、「モノ」として物理的に所有したい人には受け付けない部分だろう。
岡田 重度の愛書家は冊数ではなく、「トン」で数えますよ。本棚の数が20を超えたら、単位がトンになりますね。昔のマンガだと、10巻を超えるのは滅多にありませんでした。『デビルマン』は全4巻ですし、『巨人の星』でも全11巻でしょう。

なんでコンテンツにカネを払うのさ?デジタル時代のぼくらの著作権入門

かつては本棚に本をみっちり並べ、古本屋で気になる本があればともかく買い(その頃のマイ標語:古本との出会いは一期一会)、毎月60冊読んでも貯まる一方で、古本の入った段ボールは積み重なって床が傾いてたことがある。

今は本棚もない。
読み終わった本は紙袋に放り込み、貯まれば古本屋に持ち込めるようにしてある。
できれば電子書籍化を待ちたいし、出なさそうなら仕方なく紙の本で買う。
今手元にあるKindle端末には「世界で最も強力な9のアルゴリズム」「昭和元禄落語心中 5巻」「幼年期の終り」までさまざまなタイプの書籍が58冊入っている。いつでも読みたい時にどれでも読めるし、端末の重さしかないので鞄に入れておいても文庫本と変わりない。
コーマック・マッカーシー京極夏彦の作品は面白いが、持ち歩くには重くて不便な面もある。

それに同じ本を何度も読むことはもうあまりなくなった。
他に読む作品が多すぎる。
一つ読めば次を読まなければ、積読が無くならない。
紙の本の積読以外に電子書籍積読まで発生している。
でなければ、端末に58冊も入ってない。


積読しても場所をとらない。
上に貼った京極の「書楼弔堂 破暁」のように突然セールを行っていたり(今は30%オフ)、すればセールのうちに買ってあとは積んでおく。
積んだまま読まないなら紙の本でも電子書籍でも同じこと。
なら場所をとらない分、電子書籍の方がいい。

もしサービスが無くなり、電子書籍を読む権利が失われても、だったら紙で買い直せばいい。
数万円、数十万円の事じゃない。
どうしても読みたいなら数百~数千円出せば紙でも電子でもまた読める。


まとめ

いつも思うのだけれど紙の本にも電子書籍にもいい部分があってユーザーは、どれでも、どれだけでも自由に選べばいい。
「権利買ってるだけの電子書籍なんてサービス潰れたら終わりだぞ?バカか?」
「紙の本じゃないと手触りがないとか所有できないとか、考え方が古くさくて…」

などとそれぞれをくさしたりするが、いいところもあれば悪いところももちろんあるのだし自分に合うサービスを使えばいい。

今後100%すべての本が電子書籍になります、なんて未来は遥か先で、もしかすると電子書籍なんて一時代だけのことでもっと別の何かしらが登場するかもしれないのだし、そんな未来のことを考えても仕方ない。
「いつかアマゾンが倒産したらKindle電子書籍はすべて読めなくなるんだぞ?!」
それが心配なら持っていたい本は紙で買って、読み捨ての本だけ電子書籍で買えばいいだけの話。
どちらかに100%依存しなきゃいけない、なんて誰も規定してない。


イケハヤの新刊「なぜ僕は「炎上」を恐れないのか 年500万円稼ぐプロブロガーの仕事術」は現在書店で発売中。
Kindle版は2/28発売ですが紙の本よりも10%オフ、と強引に話を捻じ曲げて終りたいと思います(ブックオフで売るのとどっちが得だろう?)。

炎上を恐れない姿勢(自分の言いたいことを恐れずに伝えること)はすばらしいのですが、
本書から得られることはほとんどありませんでした。

一番心に響く読者はまさに炎上を受けている人なのかもしれません。
Amazon.co.jp: なぜ僕は「炎上」を恐れないのか 年500万円稼ぐプロブロガーの仕事術 (光文社新書)の kaka "kaka"さんのレビュー

【関連過去記事】
「電子書籍は紙の本より安いべきである」は本当なのか? - あざなえるなわのごとし