どこでもドアが発明されても世界は大恐慌にならない

人間は皆、日常性から飛躍した不思議の話が好きなんだと断定していい。

そもそもぼくが漫画にひかれた最大の要素が、この”日常性のはみ出し”にあったのです。

ありそうもない話を、ありそうに描きたい結局、こういうことではないでしょうか。

誰でもふしぎな話は聞きたい。

ただしまるっきりの絵空事ではなく、それを身近な、自分のまわりで

起きたとしてもおかしくない現実感をもって聞きたい。

ありそうもない話をありそうに聞きたい、と言うことだろうと思うのです。

藤子・F・不二雄

どこでもドアが発明されたら、世界中は大恐慌に!なにかが劇的に便利になると、誰かが大きく損をする…というのが経済です。 - クレジットカードの読みもの
クレジットカードの読みものさんを見かける時は軽く炎上してるか、大炎上してるか、釣りかばかりなんだけれども。
そういう姿勢、大…の代わりの釣り師でいいんですかね。


どこでもドアが今日この瞬間に発明されてしまったらどうなるか?予測するにその世紀の発明で、多くの産業が一気に破綻することになります。

わかりやすく例をあげてみますね。

・自動車…趣味以外での利用が不要に。TOYOTAやHONDAは軒並み倒産。
・飛行機…飛行機での移動が不要に。JALANAはまず破綻。
・旅行…瞬間的に移動できるため需要減。HISやJTBはかなり厳しい。
・電車…電車での移動が不要に。JRや私鉄各社は厳しい経営に。
・レストラン…本場のものが本場で食べられる時代に。
・不動産…都市部の土地価格が急落。地方の土地価格がやや上昇。
・運輸…輸送もどこでもドアで一気に可能に。委託不要。
・エネルギー…移動にかかる燃料が不要に。需要の大幅減。
・金属…自動車や飛行機などが不要になると、鋼鉄需要も大幅減。
・倉庫…物流拠点などが不要に。すぐに配送可能になるため、需要減。

どうでしょうか?どこでもドアが発明されてしまったら日本だけでもたぶん少なくとも500万人、多い場合には1000万人くらいが失業すると思います。まさに未曾有の大混乱ですよね…。


まったく見解が異なる。


どこでもドアが今日この瞬間に発明されてしまったらどうなるか?

わかりやすく例をあげてみますね。


もしもどこでもドアができたら…?

開発はどこで行われたか?
・個人(ベンチャー
・大企業
・未来から持ち込まれた
これらの条件の違いによって後の展開は大きく異なるでしょうが今回はとある大学の研究室で行われたと仮定しましょうか。


○○大学の研究室で「隔次元間の限定的固定及び空間移動理論」が発見される。
遠く離れた空間同士を繋ぎあわせる理論の構築。
そして実証実験が行われる。
離れた二つの次元を固定する……それにはとてつもなく膨大なエネルギーが必要になる。
そのために理論上での実験にとどまっていたが、とある企業から新開発の未来エネルギーの話が持ち込まれる。
放射能のように被ばくの心配がない。
リサイクルが可能。
完全にクリーンで、小さくても強力なエネルギーを生み出す未来の代替えエネルギー。
ひとつの発明は別の発明を呼び寄せる。
新たなエネルギーの技術革新にとって新たな産業が生まれるかも知れない。

そして「隔次元間の限定的固定及び空間移動理論」は実証される。

それらがなければ「どこでもドア」は実現できない。
「どこでもドア」は単なる一つの発明ではない。
iPadがただ一つの部品で出来上がっていないように、様々なハードウェアが組み合ってできあがっている。
作り出すためには様々な技術が必要で、それらの結晶。
「どこでもドア」もおなじこと。

次元固定技術。
そしてコンパクトで高出力なエネルギー。
音声認識も、多次元を繋ぎあわせるためには精度が高くなければならないため技術革新が必用だろう。

繋ぎあわせた行先の安全性はどのように確保されるのか。
外来種の生物や感染菌などが次元を超えて別の国に持ち込まれる可能性もある。
南アフリカのジャングルへ!!」
そんな願いをかなえて次元を繋ぎ、もしエボラ出血熱を持ちこんだら誰が責任をとるのか。
検疫は必須になるし、どこでもドアに予防接種や細菌チェックなどの検疫機能も必要になる。
税関も通らずに他国の物をどこでもなんでも持ち込める、となれば関税などは撤廃するしかないが密輸も横行しかねない。
徹底した管理及び法整備は前提になる。

どこでもドアを開いた時、その先が道路だったらどうなるのか?
その先に人がいたときの危険性は?
土や壁の中と繋がった場合はどうなるのか?(ウィザードリー的な)
万が一海と繋げば、ドアを通じて水が流れ続け水圧で扉を閉めることも出来ない。
万が一宇宙と繋げば、地球の空気が宇宙に吸い出され続ける。
そんな事故・災害が発生しないような安全策も求められる。

国際的な犯罪に利用される危険性もある。
当然ながら国際法の整備が必要になる。
各国で次元移動監視警察 通称「どこでもポリス」が創設される。

それらをすべてクリアーしないと市販はされない。
ハードの単価では無くてその理論をどの程度の価格とするのか。
あるいは国の管理下でナンバリングされ限定的に利用されるのか。
そして市販されるとしても価格はどのていどになるだろうか。
一般市民が誰しも手を出せる価格に落ち着くのは一体いつのことか。

戦争や兵器として利用される可能性もある。
軍事兵器としてとても有用だろう。
開発したのが軍事企業であれば、軍需産業は新たな目玉商品を手に入れることになる。


「どこでもドア」は夢の機械。
未来から持ち込まれた一台、それを小学生が使ってるから現代でも便利に使われている。
しかしそれが何十、何百、何千になれば話は変わる。
子どもではなく大人が手にすれば使い方も変わる。
誰が作るかによっても大きく異なる。

どこでもドアが今日この瞬間に発明されてしまったらどうなるか?
実際的に考えれば「市場に出回ることはまずない」
法整備にかかるコストや国同士の問題、安全性確保、さまざまな懸案を考慮しても一般市民が誰しも手に入れる、なんていうことにはならない。
簡単に言えばどこでもドアは「便利すぎる」
便利すぎる理論を誰でも手軽に使えるように、などとは実際上は難しい。

そういう「夢」を「現実」に持ち込んで

予測するにその世紀の発明で、多くの産業が一気に破綻することになります。
このようになにかが劇的に便利になると、誰かが大きく損をするのが経済というもの
それは実際的でもないし、予測でもない。
比喩が極端すぎ、結論が飛躍しすぎて繋がってない。
電子書籍が手軽になったが本が一切なくなったわけじゃあない。
これからも存在し続けるし出版社や書店が壊滅した訳でもない。

世の中に何かが産まれれば、ソフトランディングする。
既得権益が一気に瓦解するほどのパラダイムシフトはそうそうない。

実際的な目がない思考実験は、単なる妄言・トバシ・釣りでしかない。
ある日、誰しもが突然「どこでもドア」を手にすれば、まず国と言う仕組み自体が崩壊する。
どう考えても大恐慌程度で収まることはない。
藤子・F・不二雄の発想術 (小学館新書)