他人を「老害」と非難する「若さの病」

ネットの世界で「老害」として生きるということ - いつか電池がきれるまで

99%くらいの人は、欲望の大小はあるにせよ、「お金が欲しい」。
もちろん、僕もそうです。生きていくためには必要なものだし、わかりやすい自分への「評価」でもあるしね。
お金になることが、書き続ける動機になる、という人もいるはず。
ただ、それを公言するのに抵抗があるのは、僕が旧いネットユーザー(というか「個人サイト管理人」)だからなのでしょう。
(中略)
こういうのはもう流行らない、ということは、自覚しています。
でもまあ、みんなが「マネタイズ!」って叫んでいるなか、老害(僕のことですよ念のため、いろいろ邪推しないでね。最近はこんな注釈を入れないといけないのがめんどくさいんだよなまったく)が乾布摩擦しながらたまに出てくるのも、それはそれで面白いのかな、と。
fujipon氏の記事で言う「マネタイズ」は必ずしも「老害」に限らず、サラリーマンの小遣い稼ぎや年金で食ってる爺さんがセミナーに参加してSEOの技術を学んでる現状もあって「年齢差」と結びつけて語るのは筋が悪く感じます。
マネタイズなんざ若かろうが年とっていようが自分が生み出すコンテンツに対しての向き合い方、捉え方次第ですし「マネタイズに嫌悪感を感じる」ことの表明が誰かに対して「害」になってないんだから、それは老害とは思えない。
流行だからって正しさとイコールじゃない。


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例えば最近言われ始めているこの手の中身は、つまり「多く読まれる<きちんと読まれる」コンテンツの価値観の変化を現してる。
炎上商法でバズるのではなくコンテンツの価値を高め(広告も共に)何度も読まれ読者に愛されバズられることの方が正しい(SEO)、という視点変化ですからこれは(あえて)どちらかといえばfujipon氏言うところの「老害の旧弊的な価値観」に近しい。
年齢と「コンテンツとそれに伴うマネタイズに対する認識差」は必ずしも年齢とはニアイコールでしょう。
そもそも「検索最適化しよう」「マネタイズのためにコンテンツを作ろう」という本末転倒な思考は、ネットに対して本来的ではなく短絡・即物的な思考しか感じませんし視野が狭い。
とはいえこれを断言すると色々こぼれ落ちるので「概ね」としておきますが。


「誰」ではなく「何」

※ここからマネタイズの話題はありません。あくまで言葉の話題
※以下はもちろんすべてにおいてではない(と書かないと白と黒でしか判断できないとか言い出すバカがゴロゴロわくので一応書かないといけないというめんどくささ…)


それはともかく、気になるのは「老害」と言う言葉。
ちなみに自嘲で名乗る分には一向に構いません。


先日、とあるブログを見てたら「おススメ」映画が羅列してあって、よくある記事なので斜めに読んでコメントを見てたら
「DTっぽいけど嫌いじゃない」
とコメントがあって驚いた。
いや、管理人女性ですけど。しかも既婚の(多分)。


過去にブログとかTwitterで男性と女性を間違えてやりとりしてた人もいる。
結構何人も。
文体からだけだと区別がつきにくいひとがいる。

それと同じように「このひとはウチと似たような歳だろうなー」と思ってたら10も年上だったり、逆に「しっかりしてるから年上だろう」と思ってたら随分年下だったりってこともある。ネットってのは不思議なもので年齢や性別も曖昧模糊としていて社会的地位も漠然としてる。
それを前に出してる人は別として。
書いた人物の「現実の情報」が少ないと、書いた内容だけで判断できる、される。
それは性差や人種や社会的地位も超越する。
※もちろん社会的地位が高いひとがその「現実の著者情報」をつけて発信する方が力はある、が必ずしもそれだけではないということ

老害」という批判

たまにネットで「老害」と揶揄するヤツがいて辟易とする。
老害」なんて言葉を使うのは、年齢を出してる相手に向かって使う「侮蔑」としての機能しかないはずなのに、別に「相手が年寄りだから」じゃなくても使われるんだから面白い。
漠然と「相手が年上だろう」と捉える「自分の若さを出したい」人間に限って相手を揶揄して使う。
「自分は若くて柔軟な思考で、旧弊的な価値観にとらわれてるお前が間違いだ」
という自身のポジショニングも確保しつつ相手を非難する狡猾な言葉。
それが「老害」というキーワード。
年齢をネットで公開してない相手に使ってりゃあ、ただの筋違いなわけですが、それでも「発言者自身の若さ」というポジショニングは機能する。
「老いている」と相手に言うことがそもそもの論旨をさておき個人に対する攻撃、非難として機能していると思っていることが謎なわけだが。


すりかえ

例えば、将棋をしていて負けそうになったからって相手に殴り掛かったとする。
格闘ゲームをしていて勝てないから、いきなりリセットする。

将棋やゲームという軸で太刀打ちできないから、暴力や個人攻撃という別の軸にシフト、すりかえするわけです。
相手の容姿や社会的地位や環境、身体的特徴や障害、性差、そして年齢。
そういう事象を使って相手を非難する、という発想がすばらしくゲスい。
映画とかドラマでもそういうやり口をするのはどれもザコ

それを口にした相手は、その時点でまともに応対する価値を失う。
少なくともその話題に関しては完全に。


本来は「老害」なんて言葉を使うのは「おまえのかーちゃんでーべそ」レベルの児戯なんですよ。
母親のヘソとか出てるかどうかは個人にとって何の関係もないが、相手の母親を貶めともかく侮辱したいという意図だけは感じ取れる。
同じく「老害」は、実際に老いてるか、何がどのように害なのかを証明(誰にとっての害?なぜ?老いとは幾つを指して?相対的?絶対的?)をしてるわけでもなくただただ相手を批判したい、石を投げたい。
老害」という言葉を使わなくても、相手の言う論理が間違っているならそれを指摘すればいいだけの話。
個人の年齢に対して「お前は衰えているから害なんだ」というのはハッキリ言えば年齢差別でしかない。
年齢と思考は乖離してますからね。
若かろうが歳とってようがバカはバカ。
老害」てのは、必要のない侮蔑。
盤上の戦局が思い通りにいかないから相手の悪口を言ってるのは実にみっともない。


これが若さか……

誰かの「アナタの言うコレは間違っている」は判るが「コレを言うアナタは間違っている」は全然違う*1

ネットって言うのは年齢も性別も社会的地位もなくそこに書かれた言葉で判断できるし、判断される。
「誰が何を言ったか」ではなく「何を言ったか」で判断されるから面白い。
ニートであっても一流の人生論は語れる。

さまざまな人間がさまざまな価値観から記述するからネットというモノは面白いのであって、誰かに対して自分の若さを笠に着て
「オレは若くて甘いかも知れないが、それを容認できないお前は老害だ」
というのは全くの筋違い。

お前が若いかどーか知らんし、どこぞの無関係な誰かの甘さを容認するほど世間は優しくもない。
ネットにおいて誰かに「老害」を口にするヤツってのは「若さの病」にかかってるんだろう。

自分の正しさを信じて、それを認めないというのは旧弊的なパラダイムに捉われて思考が衰えたロートルなのだ、と。
歳をとるとその「若さの病」が見える。
「若さの病」にクワトロ・バジーナは黙って殴られ、ブライトは

それが甘ったれなんだ!殴られもせずに一人前になった奴がどこにいるものか!
と言って殴りつける。
あったよねー、そーいうころって、黒歴史になるってのに、いやー赤面すよねーww。
「これが若さか…(ププププ(>艸<)恥ずいな―、こいつww)」


殴る価値すら感じない

ネットでのそういう己の若さを誇って誰かを非難する方には、殴る価値すらないのでそっとタブを閉じるだけですがね。
愛情と関わりがあるから若さに対してロートルは殴ってあげるのであって、その価値も感じないなら無視するだけ。
誰かの黒歴史が積み上がっていくのは知ったこっちゃないし、成長しなくても構わない。
消えて行けばそれはそれでいい。
殴られるほど喜ぶマゾヒストがゴロゴロしてるイヤなセカイなのでね。

カスだのクズだの老害だの。
差別とか蔑視な言葉を誰かに使うヤツってのは、それだけで価値が落ちる。
いや、価値の実態(薄さ)がバレる、と言うべきか。


誰ぞに若さを気取って修正されたくもない程度には年をとってきたみたい。
ハサウェイ嫌いだわ。
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(上) (角川スニーカー文庫)

※「若さの病」というのが不特定の相手に対して年齢批判に相当して「老害」同様のブーメランじゃないか?って言う反応は想定済だけど、そこまで言いだすときりがないんだよ??あー、自家中毒はいちいちめんどくせぇ

*1:「コレを言うアナタは間違っている」を使っていいのは「コレを言うアナタは間違っている」を使ったヤツに対してだけ