音楽が売れないのは、心を打つ曲がないから?

※少し雑な仕上がり
新人
音楽の世界市場、定額制サービスで成長へ 日本は対照的・大きく落ち込む 2013年 - ITmedia ニュース
iTunes1万曲越えのワタシが通りますよ、と。
多けりゃいいってもんではないけれども。


いつもの「日本の音楽離れ」話。
この辺のことはメディア論的な視点でなかなか面白い。
これを「アイドル曲のクオリティガー」「ヒット曲がないからダー」なんて言う一面的な見方だと全体像が見えない(ブコメはいつも一面的だけれど)。
だって昔の方が楽曲のクオリティは高かったのか?と。
「曲がいいなら売れる」
「今は曲がよくないから売れない」

そんなコメントしてる方々は本気で思ってるのかね???
昔から音楽聴いてますがオリコンランキング上位で聴いてる曲なんて全然無かったし、クオリティとランキングが比例してるとも思わない。
今どきの曲が理解出来ないから「クオリティが低い」と考えるのは思考停止。
そもそも「クオリティ」とか「心を打つ」とかなんだ、それ。

かつてのアイドルブームと今のアイドルブームを比較しても、今のアイドルの方が楽曲の方向性は豊富で、さまざまな要素を盛り込んで試行錯誤されてる。
カンブリア爆発みたいに貪欲にさまざまな要素を取り込み膨れ上がってるし、少ない牌の取り合いで切磋琢磨してるから自然と曲のクオリティは向上する。
「クオリティが低い→売れていない」というわけではない。

「ヒット曲がない」というのは簡単だけれどではなぜヒット曲がないのか?と。
当然ですが、幾つもの要因があって、結果として低下につながってる。


ヤンキー的購買

CDアルバム 年間ランキング-ORICON STYLE ランキング
まず2013年の年間アルバムランキング

1 LOVE
2 B'z The Best XXV1988-1998 B'z
3 B'z The Best XXV1999-2012 B'z
4 ファンキーモンキーベイビーズLASTBEST FUNKY MONKEY BABYS
5 てっぺんとったんで!(通常盤Type-N) NMB48

アイドルのアルバムとベスト盤、って感じですかね。


年間ランキング特集『オリコン2009年年間ランキング大発表!』-ORICON STYLE ミュージック

1 All the BEST! 1999-2009
2 SUPERMARKET FANTASY Mr.Children
3 塩、コショウ GReeeeN
4 愛すべき未来へ EXILE
5 ayaka's History 2006-2009 絢香

2009年時点で既にアルバムの年間ランキングだとアイドル&ベスト盤の構図ができてる。

2005年 年間アルバムチャート-ORICON STYLE ミュージック

1 musiQ ORANGE RANGE
2 ケツメポリス4 ケツメイシ
3 SENTIMENTAL LOVERS 平井堅
4 Def Tech Def Tech
5 PERFECT BEST EXILE

オリコン アルバム 2000年TOP100

1 delicious way 倉木麻衣
2 Duty 浜崎あゆみ
3 勝訴ストリップ 椎名林檎
4 LOVE IS THE MESSAGE MISIA
5 DREAMS COME TRUE GREATEST HITS "THE SOUL" DREAMS COME TRUE

んー、どうですかね?
これ過去に遡るほど「楽曲のクオリティが上がり」「アイドルが減る」ってなってます?
2000年ごろの浜崎あゆみの方が今のミュージシャンよりも楽曲のクオリティが高い、と思うのかね?

オリコン アルバム 1995年TOP100
書かないですが、95年まで戻ってもドリカム、TRFZARD大黒摩季とか並ぶ。このころは小室の力が強いのでTRF辺りが入るんですよね、逆にアイドルは下火。
EXILEは2001年デビューですから。

ドリカム、MISIA浜崎あゆみ倉木麻衣、DefTechにケツメイシオレンジレンジGreeeeN絢香
いつの時代もアルバムの上位を占めるのは「若い女性が聴きそうな曲」を歌う歌手なんですよね。

そしていわゆる「ヤンキー的」な要素・嗜好の強い層が根本に存在する。
ベタな恋愛ソングとか三木道三聴いてます、みたいな。
「お前だけがすべて」、「幸せにするぜ」、とか「逢いたくて逢えなくてとか」、まぁそういう。

AKB商法とブーム」と同時に「ヤンキー的セカイを好む若い女性層の購買が落ちた」という二つのことが起きた結果、AKBが目立つことになった。
残ったヤンキー的嗜好層はEXILEとか三代目~、AKBとかに一部流れる。


ポリシーよりも彼女に靴を

んで、今度はシングルをちょっと見る。
まず2013年。
CDシングル 年間ランキング-音楽ランキング

さよならクロール AKB48  
恋するフォーチュンクッキー AKB48  
さよならエレキ AKB48  
SoLong! AKB48  
EXILE PRIDE EXILE  

エグザイル&AKB天下。
2012、2011年は上位5位全部AKBなんで飛ばす。
年間ランキング特集『2010年、ヒットしたシングル、アルバム、DVDは?』-ORICON STYLE ミュージック

Beginner AKB48  
ヘビーローテーション AKB48  
Trouble maker 特上カバチ!!
Monster 怪物くん
ポニーテールとシュシュ AKB48  

2010年はいわゆるAKB王国が台頭してくる年。
1~10までがAKBもしくは嵐という異常な構図。
今さら「アイドルガー」などと言うのは遅い。
一番右の枠がタイアップ(主題歌、CM)で空欄はタイアップ無し。

2009年は端折りますが上位、秋元順子以外は、嵐。
年間ランキング特集『2008年 オリコン年間ランキング大発表!』-ORICON STYLE ミュージック

truth/風の向こうへ 魔王
OneLove 花より男子F
I AM YOUR SINGER サザン CM
キセキ GReeeen ROOKIES
羞恥心 羞恥心 クイズ!ヘキサゴンII

シングル曲は「有名ミュージシャンの新曲」もしくは「何かしら突発的なブームが起きてその曲だけ売れる」パターン。
そして「タイアップ」がほぼ上位を占める。

タイアップってのはCMとかドラマの主題歌とか、テレビメディア辺りと手を組んで露出を増やす→多く聴かせて買わせる、訳ですよね。
主題歌になる、ということはそれ自体がその曲の宣伝になってる。

ところがAKBとかはタイアップがとても少ないんだけれど上位に食い込む、いわゆるAKB商法(握手権)を色々言われる。
テレビで鳴らしまくって一般人にインプリンティングしといて「握手権で買わせるなんておかしいぞ!」というのも、それはそれでじゃあ何が正しい売り方なんだ?って言う疑問を持ったりもしますが、言えることは「タイアップがもう機能してない」ってことでもあるんですよね。
去年であれば39位に天野春子(小泉今日子)「潮騒のメモリー」が入ってる。
これはドラマ「あまちゃん」効果ですよね。
ドラマの視聴率がよければそれなりに売れる土壌はまだある。

もし「半沢直樹」に主題歌があったらどうなってたでしょうね、判りませんが。


アラシック

嵐(関連)のCDシングルの売り上げから最も上位の物だけを抜き出す。
2013年 Calling/Breathless 88.1万枚
2012年 ワイルドアットハート 64.9万枚
2011年 Lotus 62.6万枚
2010年 Troublemaker 69.9万枚
2009年 Believe/曇りのち、快晴 65.7万枚
2008年 truth/風の向こうへ 61.8万枚
2007年 Love so sweet 43.0万枚

ものすごくわかりやすいと思うんだけれども嵐のファン層はいつもCDを買ってる。
CD売り上げのベーシックインカムみたいな存在とでもいうか。
AKB商法ガー」とか言われてるのを横目にアラシックな方々は律儀にCDを買い続けてる。
AKBはそれよりも買ってるから目立っているだけでコアの(固定ファン層)購買に変化は見られないわけです。
なにせジャニーズの曲や画像はネットでは…ね。
Bittersweet(初回限定盤)(DVD付)

ジェイ・ストーム (2014-02-12)
売り上げランキング: 364


まとめ

簡単にまとめると

タイアップ曲
ジャニーズ(嵐)
ベタなラブソング

これが「売れてる」音楽CDの構図だった、と。
ところがインターネットの台頭によってテレビの力が落ちる。すると

AKB48
ジャニーズ(嵐)→
タイアップ曲↓
ベタなラブソング↓

ジャニーズは変わらず、AKBが上がり、他が下がる。
これまでのCDの売り上げと言うのはTVとメディアスクラムを組んでいたからこそ下支えされ続けていた。
ドラマと主題歌はセット売り。
ところがテレビ離れやインターネットの台頭、代替え手段としてのフリーの動画配信サイトの隆盛によってヤンキー的「一般購買層」の音楽離れが始まり、今や音楽を買うのはコアなアイドルファンが主流になった。
西野カナとかは売れてたりしたけれど、あの方ダウンロードが大きいんですよね。
2010年の着うたランキングなら2位だけどシングルだと75位だそうで。

ベタな「逢いたくて逢えなくて~♪」好きな層が
CD→着うた→ダウンロード販売
…に繋がればよかったんだけれど、それが
CD→着うた→Youtube
…に繋がってしまった。あら残念。

着うたを支えたのもケータイを持つ若い層だったんだけれども、スマフォになると着うたと言う形態はそぐわなくなるし、アルバムでの購入よりも単体ダウンロードになれてる世代ならYoutubeで好きな曲だけ聞けば代替えになる。
なにせ無料。
ウチみたいな「音楽はCDアルバムで」という層だとシングルでは満足できないんだけれども。
楽曲のクオリティが高いから売れる、なんて幻想。


定額ストリーミングの音楽配信サービスが受けるかどうかはつまり「ヤンキー的な嗜好を好む若い女性層」を取り込めるかどうか、ってところにかかってるし、それに訴えかけるには繋がるためのメディア(これまでならテレビ)がないから苦労しそう。
徹底してネットで聴けないようにするか(よけい離れる危険性有)、別媒体経由でインプリンティングするかしかないと思うんですけどねー。
物語を作ってそこから露出するとか(目が見えなくて~みたいな)。


ま、生暖かく見守りたいと思います。