読書とアウトプット

※今週忙しくて申し訳ねぇっす
本の要約サイトというものがあるのだそうだ。

ビジネス書の書評・要約まとめサイト bookvinegar-ブックビネガー

本の要約サイト | flier(フライヤー)

時間のないビジネスマンが、本の内容が要約されたものを読む。
要は本のまとめサイトのようなものだが「読書体験を経ないで知識を得たい」というのもビジネス書ならではだな、と思う。


学生時代、読書感想文なんてものを書かされた記憶がある。
読書感想文は読書をしてその本から「何を読み取ったか」を言語化する。
つまり読んだ時点で整理しきれていない本の情報を、アウトプットする際にまとめあげることを促す。

読書は「アウトプット」が99%: その1冊にもっと「付加価値」をつける読み方 (知的生きかた文庫)読書は「アウトプット」が99%: その1冊にもっと「付加価値」をつける読み方 (知的生きかた文庫)
藤井 孝一

三笠書房
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「読書は「アウトプット」が99%」という本もある(読んでないけど)。

1.作家の頭の中の物語、思考、思想を書く(著述)
↓アウトプット、エンコード(言語化)

2.読者が本を読む(読書)
↓インプット、デコード(概念化)
理解

3.読者が感想を書く
↓アウトプット、エンコード(言語化)
ブログ、感想文など


「要約を読む」行為はこれらの過程を飛ばして「誰かの読書体験(3)を読む」行為。

4.感想文、要約を読む
↓インプット、デコード(概念化)
理解

ここで問題なのは何かといえばこの4は読書ではないし、原文を読んでいない。
読んでいるのはあくまでも誰かの読書体験でしかないにもかかわらずまるで読書を行ったかのような疑似体験(知識)が得られる、という部分だろう。
読書において大事なのは「文字を読み、自分でデコードする過程(2)」
読書(理解)能力の高低はこのデコード技術である、と言い換えてもいい。

そしてもともとビジネス書などの自己啓発書は必ずしも2が必要ないという部分が面白い。
2とは「文字として書かれていることを読み解く」行為なのだが、大概のビジネス書というものは「○○なひとは××だから仕事ができるのだ」と地の文ですでに要約してあるものが多い。
だから

1.作家の頭の中の物語、思考、思想を書く(著述)
↓アウトプット、エンコード(言語化)
本(要約済み)

2.読者が本を読む(読書)
↓インプット、デコード
理解(要約をわかればいい)

キャリアポルノを読むのは読書ではなく、取説を読むようなもの。
あれですよ、アダルトDVDでいいシーンばっかり編集してあるやつ。
あぁいう感じ(雑)。

新社会人に伝えたい「インプットよりアウトプットが大切」の嘘 - プログラマになりたい

知識や経験の裏付けがないアウトプットは薄っぺらいものです。1つ2つであれば、まぐれ当たりで凄い評価や反響を得ることもあるでしょう。でも、続きません。継続的に質の良いアウトプットを出し続けるには、まずはインプットを重視しましょう。インプットを続けて続けて、もう貯めきれないとなって自ずから吐き出されるようなアウトプット。まずはそれを目指すと良いのではないでしょうか。

新社会人に向けて言うことは何もないのだけれど(勝手に頑張れ)、ただインプットとアウトプットであればアウトプットが大事なんて嘘だ、というのはさすがに言いすぎだと思うのだが。
上記もしたがアウトプットというのは必ずしも誰かのために行うものではなく、自身の思考のためにも行われる。
子供のころに読書感想文を書かされるのは「誰かの心を動かすような名文を書きなさい」と言われているのではなく「読書して読み解く力、そしてその読んだ内容を把握し理解したうえでそれを表現する作文の能力」それを向上させ理解させるための訓練の意味合いがある。
別にそれでうまくなる必要はない。
だが「本を読むというのはただ文字を追うのではなく内容を理解できるか」「また読み取った内容を何かしらの形で表現できるか」という行為が重要なのであってそのアウトプット結果の質は問われていない。
薄っぺらくても、どんなクソ感想文でも構わない。
どうであれ「凄い評価や反響」などは関係ない。

必ずしもアウトプット後の「書き出したり誰かに向けて発表する」ことは含んでいない。
自身の中にインプットした知識を、人に向けて説明できるようにアウトプットを行う(実際に説明するかどうかは別)。
よく「他人に説明できるくらいに理解をしなさい」とか「誰かに教えるのは自分のためにもなる」というが、アウトプットというのは自身の思考の整理にも効果的に働く。
ただひたすらインプットを行い「理解したつもり」の知識に埋もれるのと、アウトプットもして「整理もしておく」のであれば果たしてどちらがよいのか。
絶対にどちらがよい、とは言えないけれど、後者のほうがよさそうに思うのだけれどもね。
アウトプットもできないと要約サイトなんかに頼らなきゃいけないようなひとになりかねないので。

それはともかく、最近忙しいからってこんな雑な記事ですまぬよ。
読書について 他二篇 (岩波文庫)