ネット民の必読書「グーグル ネット覇者の真実」がかなり面白かった

グーグル ネット覇者の真実

これはグーグルの物語である。
グーグルは何を考え、何をめざしているのか。
『マッキントッシュ物語』でアップルの全貌を暴いた著者が、巨人の内側に密着取材。
これまでベールに包まれていた謎を解き明かす渾身のドキュメント。
徹底的な隠蔽戦略で見つけたネットの「金の鉱脈」、ジョブズが憎んだアンドロイド携帯、中国市場での失態、フェイスブックに挑むグーグル+、クラウドコンピューティング戦略。
誰も描かなかったグーグルの歴史のすべてが、ここにある。

ネットに繋がない日は、ほとんどない。
繋ぐのはSNSTwitter,Facebook)かインターネット。
しかしネットは広い。どこになにがあるかわからない。
だから検索エンジンを頼る。
検索エンジンは、知識の地図のような存在。
何が知りたいか質問を入れればアルゴリズムで判断され答えが出てくる。

Googleアドセンス広告を貼っているブロガーは多い。
Googleウェブマスターツールやアナリティクス(ユニバーサル)を使っているユーザーも多いだろう。
Gmailはメールクライアントアプリを時代遅れにさせ、GoogleMapで調べてから話題の店に向かう。
Googleがなければ、今の「インターネット」の姿はずいぶん違うものだったろう。

しかし、そんな毎日触れているGoogleについてどれだけ知っているか?






スティーブン・レヴィ「グーグル ネット覇者の真実」は時系列でGoogleの成り立ちに始まり、検索エンジンの成立過程、アルゴリズムの精度向上、バックリンク、アルゴリズムトラフィックの増加に対応するための独自のサーバー思想と設備、アドセンス広告、GoogleMapやGmailなど各種サービスがいかにして出来上がっていったかを当事者らのインタビューを織り交ぜ描いている。

こんな一節がある。

2005年のある日、マリッサ・メイヤーはグーグルの行動を説明するために次のような表現に訴えた。グーグルに常軌を逸して見える面があるとしても、それは世間や競合他社の意表を突く先見の明によるもので決して正気を失ったわけではないのだ、と。検索以外の分野に次々と進出を企てるグーグルの冒険的企てを、部外者たちは飲んだくれの曲芸師のようだと批判した。

たとえばGoogleは多くの企業を買収しさまざまな分野への事業にチャレンジを行い、多く失敗してる。
それを皮肉り「グーグルグレイヴヤード(グーグル墓地)」というものまである。
Google Reader joins graveyard of dead Google products
一番新しい墓穴は、GoogleGlass。
これだけの企画を開始し失敗している。

この本を読むとこういう「無数の失敗の記録」が出来上がるのもよくわかる。
無数の屍の上に今のいろいろなサービスがある。
Googleは、革新的な多くのサービスを生み出したがそれらは「これまでの常識にとらわれない」発想だからこそ生まれた。
「読み終わればメールは削除するものだ」という発想だったオンラインメールを「容量を増やせば消さなくてもいい」という発想で大容量を盛り込んで発表されたGmailは成功し、それまでチカチカと自己主張の強かったネット広告もGoogleアドセンスによって大きく改革された。

ただGoogleも初期のベンチャーから巨大になるに従いさまざまなしがらみや法律や圧力などにより思うような動きが取れず、SNS分野でスタートが遅れFacebookTwitterの後発になった辺りの経緯も面白い。
以前ニュースにもなっていたGoogleが中国進出を失敗した経緯も克明に描かれていてグレートファイヤーウォール(中国政府の情報統制、フィルタリング機能)に屈しそれでもサービスを続けようとしたいきさつも面白い。
Googleが中国撤退を発表、サービスは香港のサーバーから継続 -INTERNET Watch
さすが中国、旧時代的な情報統制で政府に都合の悪い情報はシャットアウトなんて。
そこにシビ……。

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「邪悪になるな(Don't be evil)」を掲げるグーグルが邪悪だとヤジられる羽目になるのか。
グーグルにとっての「正しさ」とは何か?
とても分厚くて読むのに大変手間がかかる本だけれど(Kindleで読んでいて数ページ読まないと読破パーセンテージが増えない)その価値は十分にあると思うし、SEOアドセンスで金を儲けることばかり考えている人には「ネット広告の意味」を考える意味でもぜひ一読をお勧めしたい。
しょーもない自己啓発書を10冊読むより、これ1冊読むほうがためになる。


次は、これでも読む。

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