「全自動文章法」に対する私見

30分で完成する全自動文章法―これ1冊で全部うまくいく!
※実地試験
【文章術】『30分で完成する全自動文章法―これ1冊で全部うまくいく!』今井健仁:マインドマップ的読書感想文
今井 健仁著「30分で完成する全自動文章法―これ1冊で全部うまくいく!」で提唱している文章術は、以下の項目だとリンク先記事では挙げている。

1.対立する意見を書き、それをつぶしていく
(中略)
2.例えを使って論理を補充する
(中略)
3.最後を「二重否定」で締める

さてこの「全自動文章法」というものは果たして役に立つものなのだろうか。
全自動、などという触れ込みがかなり眉唾ものではあるが。


文章術、というものをよく見かける。
確かに「文章」を書くというのは難しい。
このブログも一年以上経つがいまだに自分の文章が上達した、巧いとはとても思えない。
基礎的な技術と積み上げる経験値、そしてセンスがやはり重要なのだろう。

しかし「読むだけで文章力が上がる」などという本が本屋で平積みされていたりしてそれを信じて買いあさり、読んでみてもやはり向上しない。

それはそうだ。
「読むだけで文章力が上がる」のであれば誰しも下手な文章で悩んだりしないし、ネットで見かける文章ももっと高度なものになっているだろう。
※対立する意見を書き、それをつぶしていく

「○○するだけで瘦せる」
「できる人はやっている○○のテクニック」
「○○日間で英語は話せる!」

煽情的に過剰にあおる文言がならぶ怪しいタイトルを冠した本の数々は、そのタイトルに伴わない内容を覆い隠すように過剰に外観的な価値を誇り、飾り立てる。

「○○するだけで瘦せる」本を読んで本当に痩せるのなら世界中のダイエットはその本だけで足りる。
「できる人はやっている○○のテクニック」本を読んで本当に成功するならその本を読んでみな成功できる。
「○○日間で英語は話せる!」のが本当なら是非学校で採用しよう。日本人の英語習得率は飛躍的に向上する。

どれもこれも競馬の予想屋のよう。
「次のレース、間違いなく来るのは……!」
そう言ってその予想が当たるなら予想屋のオヤヂが馬券を買って儲ければいい。
しかしロレックスをつけてレクサスを乗り回し、馬主になってる予想屋のオヤヂはいない。
※例えを使って論理を補充する

「30分で完成する全自動文章法―これ1冊で全部うまくいく!」
そんなことはありえない。
あるとすればそれは小さな文章の”基礎”の部分だけだろう。

「全部うまくいく」の「全部」が何を指しているか解らないが著者のいう「全部」と買い手の期待する「全部」が果たして一致するかどうか。
長い文章を書きたいのにこの本を読んでも細かいディテールと小手先のテクニックは解っても文章を読ませるためのノウハウが欲しいなら向いていないかもしれない。
逆に短い小論文のようなものであれば役にも立つだろうが、果たして対価を払って見合う内容か否か。
充分に検討してから買わないと金の無駄遣いになりかねない。
この本が提唱している文章術の基礎なんて今やネットの上に無料で転がっている知識と差がないのだから。

ネットの上の知識は価値がどうであれ無料で得ることができる。
本として売っているものは、きれいに装丁され印字され著者の学歴や経歴などで権威や価値を持たされてパッケージされているが、ネットに散らばる既存の無料の知識以上に新しく革新的なことが書かれているかどうか、その価値に見合うかどうかは微妙だと思わざるを得ない。
※最後を「二重否定」で締める


この本を読んでもいないので何とも言えないけれど、上記のような「二律背反」「比喩表現」「否定による明示」は短い文章では役に立つけれど長い文章ではさらに構成も必要になるだろうし「全部」というのがどの程度かは微妙としても、がっつり書きこむ論文あたりはディテールは上手く行っても全体がうまく運ばない気がする。
読んでないからわからんけど。
提唱しているらしいテクニックを実際に使ってみるとどうなるか、という試験をその本そのものを対象に行ってみる、という実験でございました。

今日は、暖かいので午前中なのに実に眠い。

30分で完成する全自動文章法―これ1冊で全部うまくいく!30分で完成する全自動文章法―これ1冊で全部うまくいく!
今井 健仁

データ・ハウス
売り上げランキング : 4097

Amazonで詳しく見る