相棒とTEAM

杉下右京の密室
今「相棒」と同じ枠で放送をしているTEAMが面白い。

相棒は典型的なバディもの。
バディものは、二者が足りないものを補い合う関係で出来ていて、杉下 右京(水谷 豊)&亀山 薫(寺脇 康文)との「頭脳・論理派&肉体・直感派」コンビが判りやすいが、先シーズンの甲斐 享(成宮 寛貴)となら「熟練&若さ」の対比になっていた。
しかし杉下の正義は警察組織の正義とは違うために、冷や飯を食わされ隅に追いやられている。
だからこそスタンドアロンで行動し、組織とは違う方向から事件を追いかける。
杉下にとっての推理行動は自分自身のものであって、それは組織のものではない。
組織/集団を動かすには頭脳の明晰さよりも、人を上手く動かす技術の方が優先される。


対して今シーズンの「TEAM」
小澤征悦演じる管理官 佐久は「君たちは駒です」と言い切る。

縄張り意識の強い組織の中で反発されるのが前提として人を動かす。
部下に情報を吸い上げさせ自分で推理を行い、部下は反発しつつも佐久の推理が正しいことを認めて従わざるを得ない。
地元警察との反発の要になっている人物を懐柔し巻き込むことで味方に引き入れ最終的には人海戦術でことにあたる、というのが今のところのTEAMのテンプレート。

相棒はスタンドアロンのコンビ、TEAMは集団であり組織。
相棒のコンビはフットワークが軽いが、ストーリー的に二人では当然手が回らない場合もある。
そこで人手が必要なときは第5課長の角田(山西惇)や捜査一課の手を借りることになる。


本来、相棒のスタンドアロンな構造は「探偵と助手」であって、ホームズとワトソンであり、ポワロヘイスティングス、エラリーと父。
だからこそ警察組織との相性が悪い。
「太陽に吠えろ」や「特捜最前線」などの刑事物では、各話でそれぞれの刑事が持ち回りで探偵役(推理)を行い、他の刑事がそれを補助する(集団で地取り捜査をする)構造があったんだけれども、今回のTEAMではそういった頭脳労働は佐久管理官に一括され、各個構成員の推理は佐久管理官の推理の正しさを強調するための装置としてしか機能しない。
佐久管理官は、人の心が判らないキャラクターではなく、人の心が深く判るが、集団を動かす上で最低限行う必要のある分しか行わない。
だから反発を買うが、その反発があっても組織は動くしそれだけの地位にある。


めんどくさい事を書いたけれども、要は個人技の「相棒」に対する集団の「TEAM」という対比を同じ枠でやるテレ朝のドラマのやりくちが面白い。
それだけ「相棒」というタイトルが大きくなってしまった、ということなのかも知れないけれどテレ朝としては「相棒に変わる、並び立つシリーズ」タイトルが欲しいのだろうけれども。
正直、成宮の「相棒」は持て余している、と言うかシナリオ的に苦しさが目立つので。


「相棒」だと鈴木杏樹だとか、臨場なら松下由樹とか女性陣が配置されてるもんだが、今作では隅から隅まで男。
舌先三寸で策略を巡らせる西田敏行が、代わりになってるんだかなってないんだか。

こういう「人と相容れない態度を平然と行う」キャラクターはとてもいいが、果たして「相棒」で判りやすいバディものに慣れている視聴者が「TEAM」を受け入れるかどうか。
結構、注目して観ている。
男たちのドラマ 「TEAM-警視庁特別犯罪捜査本部-」田辺誠一が見どころを激白!!- 最新ニュース|MSN トピックス