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「ロキノン」はブリットポップの同人誌

今となっては各所で、
「ろ、ろきのん?! 壁|* ̄m ̄)ノ彡☆ププププ!!バンバン!☆」
などと言われるようになっているロキノン系ですが、創刊は古く

1972年、音楽評論家の活動と平行しつつ二浪して大学生になったばかりの渋谷陽一が、アルバイト先のロック喫茶の常連(その中に橘川幸夫松村雄策らがいた)と同人誌「rockin'on」を創刊。印刷費18万円で3,000部が刷られ、同人による人海戦術で都内及び東京近郊の書店やロック喫茶や楽器店等に販売委託された。隔月刊誌であったが創刊号がほとんど売れ残ったため、もう一度創刊号を出すような資金繰りで2号目が発行された。

ロッキング・オン - Wikipedia

ウィキペディアにある。
古いなー。
ちなみにBURRN!は1984年に創刊。

ロキノン的ロック史1980~2000

さて、
「ろ、ろきのん?! 壁|* ̄m ̄)ノ彡☆ププププ!!バンバン!☆」
といえばブリットポップやマッドチェスターを思い浮かべる。
そこでロキノン的な1980~2000年代の動きをざっくりと表にした。

ロキノン」としか知らないひとにもわかれば良いのだけれど。


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ざっくり。
主に英国だが、NIRVANAだけ米。

これで見ると解るがロキノン系の中核を担う「NIRVANARADIOHEADOASISBLUR」などがこの時代に始まってる。
シューゲイザー →セカンドサマーオブラブ(レイヴカルチャー)
→80~90年代のブリットポップ隆盛
この辺りに出てきたバンドがいまだに評価され、未だにフェスの大トリ。

ではそれ以前のロキノンの表紙は誰だったか?と言えばストーンズだったり、デヴィッドボゥイだったりする。
同時期プログレニューウェーブを担う雑誌がフールズメイト(表紙はパティスミとかエコバニとか)。


さてロキノン系がロキノン系を聴き始めるにあたって忘れてはならないのは日本のイカ天ブーム。
1989年のイカ天ブームにより「バンドサウンド」「ロック」と言うモノが注目される。
そこまではいわゆるアイドルのポップソングや歌謡曲が全盛でロックは日蔭者だった。
1985年に松田聖子結婚、CCB「Romanticが止まらない
1986年渡辺美里My Revolution
1987年光GENJI「STAR LIGHT」

そーいう時代。

光GENJIいいなー。お前何聞くの?」
「……キングクリムゾンかな」
「え?」
「え?」

なんて会話が交わされている、そんな中にバンドブームが巻き起こる。
そしてバンドブームと同じ1989年にザベストテンが終了。
「バンドってかっこいいよね」という認知と英国のブリットポップ隆盛が重なる。
いわゆる「ロキノン系」の萌芽がこれに当たる。

1992年ごろには邦バンドブームが終わり、小室の時代が到来。
ところが洋楽を聴き始めたロキノン厨は海外のバンドが精力的に活動を続ける中、聴き続け、当時そんなバンドの情報は限られていて、U局のミュージックトマトだのMTVに頼らざるを得ない。
1997年SNOOZER創刊。
同年1997年にフジロックフェスティバル、2000年からサマーソニックという二大夏フェスが始まる。
1999年 MTVがVibeに名前を変える。

2000年代前半のルネッサンス

※以下、趣味による偏りあり
そして2001年にSTROKES「IS THIS IT」でガレージロックリバイバル、ロキノン的に言えば「ロックンロールルネサンス」が始まる。
同2001年、ザ・ミュージック「テイク・ザ・ロング・ロード・アンド・ウォーク・イット」が話題に。

The Music - Take The Long Road And Walk It - YouTube

2002年にTHE VINESがローリング・ストーン誌の表紙を飾る。
同年リバティーンズがデビュー(2004年解散)。ザ・コーラルの「スケルトンキー」がヒット。
「オリジナル・パトレート・マテリアル」でザ・ストリーツことマイク・スキナーがデビュー。

2003年にオーストラリアのJetがAppleのCMで人気を博し翌年フジロックフェスに来日。
同年スノーパトロール「Final Straw」がヒット。

2004年にフランツ・フェルディナンドがアルバム「フランツ・フェルディナンド」を発表。


Kasabian - Club Foot - YouTube
Kasabianの1stも2004年。アンセム「ClubFoot」

2005年にブロックパーティーが「サイレント・アラーム」を、
リトルバーリーが1st「ウィ―アーリトルバーリー」を発表。

Little Barrie Free Salute - YouTube
今やプライマルスクリームのギタリスト。

これが2000年代前半。
カンブリア紀か。

2006年ザ・フラテリスがヒットを飛ばす。

The Fratellis - Chelsea Dagger - YouTube
服屋の店員に「初めての来日はシャツを数枚買っていって、次の来日では「ここからここまで全部くれ」と買っていった」と言う話を聞いたことがある。
2007年トゥー・ドア・シネマ・クラブ結成。

2008年に、デビューはパッとしなかったキングスオブレオンの4thがヒット。
しかしこのころからギターロックよりも打ち込みを用いた、エレクトロニカとかニューウェーブっぽいサウンドのバンドが増え始めるのも特徴かもしれない。

いわゆるニューレイヴ。
CSSMGMT、バトルス、クラクソンズ辺りが出てくる。

Klaxons - Golden Skans - YouTube

Battles - Atlas - YouTube

読み違え

さて、ロキノンもこの辺のニューレイヴバンドをどどんと全面に推してその流れに乗っていけば……と思うのだけれども、ここで国内のティーンの音楽文化に変化が訪れる。

ネットのすそ野が広がり、2007年にニコニコ動画が開始。
DTM MAGAZINE 2007年 11月号 [雑誌]

音楽業界のメインストリームでは、いわゆる長い間の小室ブームが過ぎ、そこへガールボーカルの隆盛が続いた次にかつて隆盛を極めたアイドル・ブームがやってくる。

2003年にはPerfumeが。
AKB48は2005年に誕生している。
ももクロは、2008年結成。2010年にメジャーデビュー。


そんな今のブームを担う新しい時代の先鞭が見えるこの時期。
ロキノンは新しい次代を担う海外バンドを押し出すべく表紙を!

rockin'on (ロッキング・オン) 2007年 10月号 [雑誌]
……なぜこの重要な時期に振り返り。
ピストルズ、クラッシュ、フガジ、オフスプ……orz

CD、ロック→ネット、アイドル、ボカロ

かくて勝敗は決した。
ロキノンは海外の「ロック」情報を伝える重要な情報導線として機能していた。
今やネットで情報が得られ、雑誌を読んでまで得たいと思える情報はない。

2000年代半ば。
その時点でもロキノンブリットポップを振り返り、オアシスやレディへが表紙を飾り続け、古典としてツェッペリンビートルズストーンズを挙げた。時代はネオレイヴやダブステップが強さを増し、「ロック」的なギターロックはオジサンの懐古趣味の対象になった。

2006年のウドフェスの失敗を見ても学ばなかった。
あれは呼び屋のウドーが悪いと思っていた。
ウドー・ミュージック・フェスティバル伝説

しかし違った。
2013年、「ステヤン」と言われたTOKYO ROCKSでの中止騒動を見てロキノンは思った。
「やべぇ!?このメンツで売れないの?マジで?!」
ロキノンど真ん中のメンツにも拘らずチケットがはけず(もちろん運営もひどかったんだが)時代がとっくに変わっていることに気付けていなかった。
「あれはステヤンが悪かった」
それで終わってた。
ほんとうはロックと言う大きな話を考える機会だったのかもしれない。


Ozzfest Japan 2013は、ももクロを導入して今の空気を取り込もうとしたが、案の定懐古趣味のロックファンからは「ふざけんな!」「ロックとは気高いものである!アイドルで汚すな!」とかなり勘違いしたお父さん方が怒涛の猛抗議。

ももいろクローバーZ Ozzfest Japan! 2013 5/11 HD - YouTube
アイドルで汚されるロックっていったい...。

サマソニは既に韓流スターやお笑いすら出すカオス状態なので気付かれておらず、老舗のフジもかなり以前からロック以外に手を広げていた。
ケミカルや渋さ知らずなんて常連だけどあれを「ロック」と言い張るんだから、いやロックは広いよ、マジで。

ロキノンっていうのは、かつてのブリットポップをメインで語る専門誌であってリアルタイムな音楽を語る雑誌として既に機能していないし、それは今に始まったことではなくてもう随分前に懐古趣味に進んでたんだろう。
ピクシーズが新譜を出せばインタビューを載せるだろう。
レディへが来たり、夏フェスの時期になればまたそれを取り上げる。
若手の中でも昔っぽい音を鳴らすジェイクバグやストライプスは推したいらしい。

Jake Bugg - Lightning Bolt - Official Video - YouTube
あぁ言うのしかお好みじゃない。
でも中心はやっぱりいつまでもギャラガー兄弟であり、トムヨークであり、ブラーなんでしょうね。

同人誌化する音楽専門誌

たまに音楽評論家とか言う方が「今の音楽評論家が何を求められてるのか?」とかの自己語りを見かけるけど、少なくとも懐古趣味しか出来ない/してないものが求められてないからなにひとつ盛り上がらないんでしょうね。

Ozzfestにももクロが出てもBurrn!はインタビューしなかったそうで、それはそれでいいと思うんですよ。
そういう雑誌だから。

メタル雑誌なのに、
イロモノの聖飢魔ⅡやSEX MACHINEGUNSといった
気に入らない連中は全く記事にしないし、、、

これはデーモン閣下
「あの雑誌は、日本一のメタル系同人誌だから」
この言葉に集約されている。

http://momokurometal.seesaa.net/article/360097674.html


たとえば洋楽誌なら洋楽誌的な視点でアイドルやボカロを語ったっていい筈。
語れるだけのリソースは存在するし、深いところまで斬れる。

でもそんなことはやらない。
それをやってるのはフットワークの軽い個人レベルのブログで、だからそっちの方が面白い。
雑誌は情報導線として速度が鈍いのだし、だったらフローではなくストックとして情報の密度や切り口を変えるしかないのにそれはやらない。
やるのはアーカイヴとしての雑誌。
BURRN!みたいな道を辿って
ブリットポップ中心のロック専門同人誌」
それがロキノンなんでしょう。


それでは、BABYMETALでお別れしましょう。
さいならさいならさいなら。

BABYMETAL - メギツネ - MEGITSUNE (Full ver.) - YouTube