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今の僕らはなぜ「残念」なのか

小ネタ 読書 語り

昨日から、どうも体調が優れなくて、今朝も栄養ドリンク飲みつつ、ようやく手に入れたヒップホップ家系図を眺めながらダラダラと過ごしてた。
だるい。


昔は、この「だるい」が時代のキーワードだった。
岡崎京子が「平坦な戦場で僕らが生き延びること」と厨二病を炸裂させた90年代。
その後、バブルは崩壊。
学生が社会に飛び出ると、就職氷河期と急進力を失った社会があった。
それまで「日本を復興するのだ」と戦後を引きずったままの高度経済成長の果て、バブル景気で扇子を振って踊っていた方々はすっかり疲れ果て、日常に埋没し。
バブルの恩恵も知らず狂乱を遠目に見ていた世代は「だるい」という感覚を抱くことになる。

一〇年代文化論 (星海社新書)一〇年代文化論 (星海社新書)
さやわか

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さやわか氏が2010年代文化論と言う本を著した。
今の時代を担う若者世代の文化のキーワードとして「残念」を挙げる本書。
さやわか「一〇年代文化論」で考えたゆるキャラとももいろクロ―バーZの残念さ - あざなえるなわのごとし
発売日当日にたまたま買いこんな記事を書いた。
この本には書かれていなかった「ゆるきゃら」「ももクロ」という存在にも「残念」と言うキーワードが当てはまるんじゃないか?と言う記事。
ただこの本を読んで疑問に思ったのは、前述したように「だるい」というキーワードにはバブル崩壊後~ブランクジェネレーションならではの「喪失感」があって、そこから「だるい」というキーワードが出てきたように思う。
しかしこの「一〇年代文化論」でいう「残念」というキーワードは果たしてなにに起因するのだろうか、と。


【読書感想】一〇年代文化論 - 琥珀色の戯言
「残念」な僕らの若者文化(『一〇年代文化論』を読んで) - ぐるりみち。

その「残念」さを誰か、本の中身だけではなく、残念と言うキーワードが浮かび上がる社会の流れとユースカルチャーの現状について誰か語ってくれないかなー、などと待っていたのだけれど、その辺が残念。

 第5章は、「オタク」という言葉が成り立たなくなった理由について。

 岡田斗司夫氏の示した、「残念」なものをあえて積極的に面白がる「オタク族」は死に、ダメなものをダメだと認めつつ単純に受け入れる、清濁併せ呑む「オタク文化」が残った。そこに、世代間の断絶があるという。

http://yamayoshi.hatenablog.com/entry/2014/05/08/174022

オタクの変遷について軽くまとめてみる。

まずインターネットが無かった時代。
オタクはスタンドアロンでオタクという名前もなかった。
学校では暗いと言われいじめの対象となりコミュ症は悪化。
その分、アニメや特撮などにはどっぷりハマり知識は深くなる。

一方、そこまでアニメなどの趣味にそれほどハマることなくまんべんなくいろいろと趣味嗜好を広げる層がいた。
これがいわゆるサブカルと呼ばれる。
守備範囲はオタクとさほど変わらない。ただ深くなくて浅い、そのぶん広い。
コミュニケーション能力は人により違う。これに関しては以前に
オーケン的サブカルとオザケン的サブカル - あざなえるなわのごとし

コミュニケーション能力:
オタク<オーケン的サブカル<<<<オザケン的サブカル

この時点で「オタク」がオタクでなく「サブカル」がサブカルではないのでオタクとオーケン的サブカルは未分化な状態。

(旧)オタク :知識が狭く深い、コミュニケーション能力低
(旧)サブカル:知識が広く浅い、コミュニケーション能力はさまざま

宮崎某の事件によるオタクへの批判と嫌悪、宅八郎の象徴する「オタク=キモい」のイメージ拡散、景気の冷え込み、一部のオタクによる「オタクはアートだ」「オタキング」などオタクを商品化する動き、有害図書指定と排斥運動、バンドブーム、渋谷系でのオシャレポップカルチャーとしてのサブカル、空耳アワー、輸入されるヒップホップカルチャー、おまぬけなサブカルVOW秋葉原の隆盛。
社会はだるい。
だるいからサブカルチャーに走る。

The Quizmaster (奈落のクイズマスター)/ Flipper's Guitar - YouTube

そしてネットが広まる。

オタク同士は繋がり、深い知識は「ggrks」と言われるように検索すれば誰しもが手に入れられるようになる。
コミュニケートし繋がり、深くなく狭くないオタクが広まる。
個人の持つ知識の価値が下がった。

神聖かまってちゃん 「ロックンロールは鳴り止まないっ」 PV - YouTube
電車男」でのオタクのイメージ変化。
中野ブロードウェイ」「乙女ロード
オタクのサブカル化。
オタキングは「(旧来的な)オタクは死んだ」と嘆く。


そして新しい「初音ミク」「ラノベの復興(隆盛)など「残念」というキーワードが出る。
さて、この「残念」と言うキーワードはしかしサブカル的には、みうらじゅんが昔からロックンロールスライダースでいとうせいこうと共に「残念な公園の銅像」「残念な地方銘菓」などなどVOW的なモノをやっていたわけで、それが今や時代のキーワードになったのだ、と言われると、ユースカルチャー、サブカルチャーにおいての変遷に関しての考察が必要ですよね、と思うのだけれどもどうでしょうかね。
やくみつるみうらじゅんに世間が追いついた、ってことなんですかね、解らんけれど。


なので、さやわか氏の本の感想は解ったんだけれども、どなたか「残念」というキーワードで今のユースカルチャーを熱く語っていただけませんかね。
正直、ボカロとかニコニコ周辺の文化やツイキャス辺りの「リアルタイム性のあるクオリティの低い動画共有文化」(これも「残念」)が今一つ分かってないので語るのがウチでは難しいのです。


2010年代におけるユースカルチャー語りをお待ちしております。
あー、体調悪い。
だるい。
ヒップホップ家系図 vol.1(1970~1981)
ヒップホップ家系図 vol.1(1970~1981)