田村次朗「ハーバード×慶應流 交渉学入門」

ハーバード×慶應流 交渉学入門 (中公新書ラクレ)
日々、生きる中で人とふれあい関係しその中で常に「交渉」を行っている。
交渉とは仕事だけではなく人と人がコミュニケートする際に行われることかも知れない。


著者の田村次朗氏は、慶應義塾大学法学部を卒業しハーバード大学のロー・スクール留学中に交渉学について学んだのだそうで、その後近江商人の考え方と合わせ慶應法学部などで教えているのだそう。


まずBATNA(Best alternative to a Negotiated Agreement)「交渉決裂時の対処として最もよい策」
これがあることで背水の陣にならずに、またどういう風に交渉を運ぶかの指標にもなる。


議論をお互いの口頭で言い合うのではなく図にしたりホワイトボードに書いたりすることで整理し、そしてその意識が図面や字に向かうことで相手を直接攻撃せず論理的に話すことが出来る、などという考え方も面白い。
自分からの視点だけではなく相手の視点にも立ち、お互いにWin-Win、或いは第三者も含めて「三方良し」という、Win-Win-Winとでも言うような解決を目指す。
「双方(三方)が納得し満足出来る形に落としこむ」ということが大事だと説いている。

他にも交渉術として「フット・イン・ザ・ドア」(最初に簡単な要求を通し、徐々に上げていく)や逆の「ドア・イン・ザ・フェイス」(大きな要求を提示し断られたら徐々に下げていく)などなど具体的な交渉術もこれ以外にもいろいろと書かれていて興味深く読める。


入門、と冠している割にはちょっと難しい本だが「交渉」は人と人の利害が発生すれば仕事と言わず起こりえるもの。
一読しておくのもいいかも知れない。