読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ヒップホップの絵本 エド・ビスコー「ヒップホップ家系図」

ヒップホップ家系図 vol.1(1970~1981)
予約しておいたエド・ビスコー「ヒップホップ家系図」が届いた。

元題が「HIPHOP FAMILYTREE」なのでそのままの邦題。
ヒップホップカルチャーの始まりから徐々に広まっていく「家系図」


1970年代、サウスブロンクスのDJから始まるサンプリング文化の萌芽とラップ、グラフィティ。
コミックス、というよりもその歴史になる登場人物の動きや事件に画が付いている、と言う風に読めるのは、日本のコミックスとはかなり違う。

文化系のためのヒップホップ入門 (いりぐちアルテス002)文化系のためのヒップホップ入門 (いりぐちアルテス002)
長谷川町蔵,大和田俊之

アルテスパブリッシング
売り上げランキング : 31280

Amazonで詳しく見る
その辺りは「文科系のためのヒップホップ入門」に出て来る帰国子女のM君の話で

大和田 M君のヒップホップに対する接し方って、いわゆる音楽ファンの聴き方とはちょっと違う。僕がヒップホップに興味があると伝えると毎日のようにメールをくれるんですが、それが「先生ヤバイっす、誰が誰をディスりました」とか「誰と誰がビーフを始めました」とか「誰が誰のレーベルに入りました」とか人間関係の話ばっかり。この曲がカッコいい!っていう音楽の話はひとつもない(笑)

文科系のためのヒップホップ入門

音楽を聴く、というよりも人の関係性が中心になるシーンの捉え方。
ヒップホップの黎明期の歴史も、やっぱり曲ではなくて人を中心に動くことになる。
なので「このころの音は〜」なんて説明は一切無いので、自分でYoutube辺りで探すしかない。

ヒップホップ家系図 vol.1(1970~1981)
このページは、アメリカンポップアートに影響を受けたグラフィティのファブ・ファイヴ・フレディ(フレッド・ブラスウェイト)がリー・キノーネを誘いグラフィティ集団ファビュラス・ファイブに誘うくだり。
このあとビレッジ・ヴォイスで紹介されたファブ・ファイヴ・フレディはニューヨークでアンディ・ウォーホルやキースへリングらと交流を持つことになる。
ヒップホップ家系図 vol.1(1970~1981)


黎明期からグランド・マスター・フラッシュやアフリカ・バンバータシュガーヒル・ギャングなど名だたるメンツが登場。
ヒップホップ家系図 vol.1(1970~1981)
まだロック少年のリック・ルービンがロックバンドを組んでライブハウスで演奏する間、両親が表で待機してる(車から降りると車上荒らしに合うような地区なので)だとかエピソードが描かれるけれど、ヒップホップ史に本格的に絡んでいくのは次巻以降。
ルックスもまだ白人少年(現在は、仙人みたいなルックス)

"The Adventures Of Grandmaster Flash On The ...

アイドル写真集くらいの巨大な冊子に絵本みたいなハードカバー、紙質はペイパーバックっぽくてフルカラー。
細かいところまでこだわってる。

出て来る登場人物が多いし、書き分けも日本と違ってキャラ化されていないし、場面転換が急なので、何の知識がない人は一つ一つ「これ誰だ?」「どんな曲だ?」と調べながら読むのが良いのかも知れない。
本編自体は100P未満なんだけれども1ページごとの情報密度が高くて、中身が詰まっていて短く感じない。
セリフや字が多いので、マンガというより絵の付いた音楽史、と捕らえる方が正しい読書感。


1970s〜1980のヒップホップカルチャー黎明期。
ガレージで演奏していたDJとラッパーのブロックパーティーから、それをレコードに録音して販売するという産業へと転換し、ラジオで人々に広まり、テレビに露出。サウスブロンクスの有象無象がラップミュージシャンとして取りざたされていく。


ミクスチャーとか、ロック寄りのビースティとか、パブリックエネミーとか、ヌジャベスみたいなチルアウトとかブラックシープみたいなトラックがジャズっぽいのとかは聴いていたけれど、こう言うど真ん中のラップ/ヒップホップの歴史は全然詳しくないのでひとつひとつ面白い。
ロック好きとしてはリック・ルービンが気になる。
80年代から90年代は、いつ日本語で出るんだかなぁ……。
ヒップホップ家系図 vol.1(1970~1981)
※↑上段大ゴマは、3Dではなくて大音量を表現してる。

Hip Hop Family Tree 2: 1981-1983
Hip Hop Family Tree 2: 1981-1983