世界が土曜の夜のマイルドヤンキーの夢なら



今日は、シナプスが胡乱なのでさっくりしたものを。
ちょっとボーっとして頭が回らない。

軽く「マイルドヤンキー」について。
月曜から夜ふかし」を観てたらマイルドヤンキーの特集をやってた。
最近、テレビでの特集が増え始めた感触。


「マイルドヤンキー」と言うワードは、この原田曜平「ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体」から広まったわけだけれども、ネットでこの本が語られだした当初の反応は多くが否定的で「また安直なレッテル貼りが出たぞ」と言った風だったように思う。
ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体
個人的にちょうどその当時「世界が土曜の夜の夢なら ヤンキーと精神分析」を読んでいたので気になっていた。

ヤンキー的な要素は世に溢れており日本人はヤンキー的なものを好む。
アユ、EXILEAKB48、あるいはキムタク。
ワンピースの「行動主義」「仲間」「根性」
ポエム的な文化もヤンキーイズムから読むことができる。

Miki Douzan - Lifetime Respect - YouTube
三木道三「LIFE TIME RESPECT」に見られるヤンキー的世界観&ポエム的&ラップという三つ巴の完成系もある。
アメリカのストリートカルチャーとして広まったヒップホップが日本に入り、そこで悪羅悪羅系、DQNのスタイルをまとうのもおもしろい。
時代的に旧来型の暴走族・リーゼントなヤンキーとは結び付かなかったのが良くわかる(それ以前に日本に入ったロックでは、キャロルやギターウルフなどでヤンキーイズムが見える)。


イオン女子がやって来た 大学生、モールで満足 :日本経済新聞
こちらも最近のワード「イオン女子」
この地方のモール文化は、景気が回復基調にあり大都市部でなくても職が得られ、消費は長年の不景気とバブルの教訓から慎重になっていて貯蓄・堅実型であり、郊外型ショッピングモールが展開しているから都会へなんて行かずに生活圏は自然狭くなる。
モノ→コト消費に価値観が遷移している時代において服に金は使えないわけで、そりゃあバブルの時代みたいに皆が皆ブランドを着てれば「わたしも!」とブランドを買うバイラル効果があったろうに、今や雑誌の付録のカバンで充分と言う連中がブランドのカバンを買うわけもなく、そりゃあイオンへと流れる。

都会では、DQN、チーマー→カラーギャングから続かず。
ストリート系は悪羅悪羅系のファッションへと昇華した。


いまや若者の一大勢力? マイルドヤンキーとは|特集まるごと|NHKニュース おはよう日本


実はこの「絆・仲間・家族という言葉が好き」「EXILEが好き」などというのはマイルドでも何でもなくヤンキーイズムなんですよね。
そこに地方経済圏の「郊外型ショッピングモールの発展による生活環境変化」「モノ→コト消費への嗜好の変化」などが重なったに過ぎない。

「マイルドヤンキー」というのは、一昔前なら「ヤンキー」で済ませたものに新しいレッテルを張っただけ。


ヤンキー文化の根強い地方の状況と「モノ→コト」消費への変化。
記号としてのヤンキーと実態のヤンキーの乖離。
地方ではイデオロギーの伴わないファッションとしての「イオン」「ヤンキー」スタイルのみが広まり「マイルドヤンキー」などと呼ばれ、本来であればヤンキーを区別するコードたりえたルックス・ファッションというものが「マイルド」というよくわからない漠然としたレッテルによってこれまた混沌とするのかもしれないし「名付けられればそれはそれになる」のだから、これまで漠然と「アタシってイオン女子かな?」と思っていた層の一部も「お前マイルドヤンキーじゃん」と言われた時点で「マイルドヤンキー」と化していき、形成されていく。

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NHKやテレ朝、「有吉ジャポン」、そして「月曜から夜更かし」
テレビと言うのはマスへの入り口。
解りやすいレッテル貼りが大好き。

ネットで広まったこの「マイルドヤンキー」と言う語が今後、テレビでお茶の間へ広まっていく様を観察するのはとても面白い。
マイルドヤンキーなんて幻想だったはずなのに「マイルドヤンキー」が作られていく。
スタンフォード監獄実験」と同じく、役割・名前が人を縛り、作る。
広まれば広まるほど、提唱主の原田曜平にちゃりんと小銭が入るのか。


ヤンキー論なら「世界が土曜の夜の夢なら ヤンキーと精神分析」の方が面白い。
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