「アイドルを聞くヤツはロリコンでオタクだ」を成立させるための要件

中人
昨日、メールをやり取りしてて「何聞いてるの?」と聞かれたので「エビ中」と応えると「えーっ!?ロリコンでオタクww?!」と言われて、まぁ、冗談が通じる中なのでそーそー...オイオイと軽く乗りツッコミして「ネットでは言うなよ―袋にされるぞー」と釘をさしておいた顛末があった。

さて、ネットと言うのはこういう「アイドルを聞くヤツはロリコンでオタクだ」ということを発言するのは釣りと相場が決まっているけれどたまに天然で発言する人もいる。
発言しなくてもそんな風に思っている人は多いだろう。
黙っている分にはどう考えようが自由ですが。

もしネットで、発言を行う場合はこれを成立させる要件事実が必要になる(主語が大きくなりがちである)。
無いものが大概燃える。
偏見や差別は証明できないタダの決めつけや思い込みがベースになっていることが多い。
ろくに証明も必要とせず差別を平然と行うのは、ブコメくらいのものだろう。たまに見かける。

今朝歩きながらさっくり考えてみた。


「アイドルを聞くヤツはロリコンでオタクだ」
これを別けると
「アイドルを聞くヤツはロリコンだ」
「アイドルを聞くヤツはオタクだ」

この二つに別けられる。

アイドルを聞く=ロリコン

まず前者の「アイドルを聞くヤツはロリコンだ」
このロリコンを成立させる要件として、そもそもの「ロリコン」が何かを考えなければならない。
ナボコフまでさかのぼる必要はないけれども簡単にWikipediaで調べると

ロリータ・コンプレックス (英語: Lolita complex) とは、幼女・少女への性的嗜好や恋愛感情のこと。略してロリコンともいう。ロリコンと略す場合は、幼女・少女への性的嗜好や恋愛感情を持つ者のことも指すことがある。

ロリータ・コンプレックス - Wikipedia

とある。
つまり
「アイドルの楽曲を聞く=幼女・少女への性的嗜好や恋愛感情を持つ」
が成立しなければならない。

アイドル=幼女・少女と必ずイコールであるかないか、と言う部分はどうだろうか?
たとえばエビ中であれば、新メンバーの13歳から17歳まで。
ももクロであれば、最年少 佐々木彩夏の18歳から21歳まで。
どちらもアイドルなわけだが、ももクロに至っては最年長で21歳なわけで、これで「ロリコン」と言われてしまうと少々つらい。
アイドルという大枠、しかもひとつグループ内で年齢もさまざま。
AKBを言い出せば20代後半までいるわけでアイドル=幼女・少女とはいったい……。

楽曲を聞くというのは「アイドルグループ」として聴いているのであってそこに特定メンバーに対しての指向性のある嗜好などは主に含まれない。
あの曲を聞くのはあの娘がいるからだ、となればまた話は別で、その対象が少女である、と言うことをまず証明しなければならないわけだけれども。

かつて宇多田ヒカルがデビューしたのは15歳。
大ヒットしたわけだがでは宇多田ヒカルを聞いていた人間は総ロリコンか?と言われるとそんなことも無いだろう。

宇多田ヒカル - Automatic - YouTube
美空ひばりがヒットを飛ばしたのも12歳の時。
Perfumeにしろインディーズでのデビューはのっちが14歳前後、メジャーデビューが18歳前後。
「少女と呼ばれる年齢の楽曲を聞けば=ロリコンだ」は成立が難しい。
ロリコンとそうでない境目がどこにあるのか、閾値はどこかの線引きは主観による場合も多く、そもそも「少女」という言葉自体が漠然としており「オレが考えるに」はお前の中だけの話であって、10代後半に見えても実年齢は28歳なんていう娘に惹かれ、それが外観ではなく性格面だったりしても周囲からは「お前ロリコンだなー」と言われ、説明するのもめんどくさいのでそのまま、なんてこともあったりする。


次に「聞く」と言う行為は必ずしも性的嗜好や恋愛感情と繋がらない。
これが成立するなら、先に挙げた宇多田ヒカル美空ひばりの曲を聞いただけでロリコンが成立してしまう。
聞くというのが鼓膜を振動させただけで成立するならアイドルの楽曲がさまざまなかたちで日々流れている現状、道を歩けば皆性的嗜好や恋愛感情を感じているわけでロリコンで無い人間を探す方が難しくなる。
電波に乗せてまき散らされれば、ロリコン製造装置。
そこらじゅうで性的嗜好や恋愛感情を抱いている。
「聞く」のが、意識の指向を言い出せばそれは主観によるし、外部からは計れない。どうであれ主張は通る。
「聞く」行為により「性的嗜好や恋愛感情を抱く」とイコールにするのはなかなか難しい。

皆川おさむ「黒猫のタンゴ」がヒットしたのは9歳の時。
「あれを聞いたのは皆ショタだ」というのを成立させられるか。


ちなみにだが、エビ中の「中人」と言うアルバムには「高校廃止法案(Interlude)」という曲が入っていて、これがまんまスネークマンショーだったり、あるいは「あるあるフラダンス」と言う曲はまんま牧伸二であって、元ネタを想起しつつ曲を聞いていて「ロリコン」と言われてしまっても、伊武雅刀牧伸二を連想しつつ性的嗜好や恋愛感情を抱くのはなかなか難しい。

牧 伸二 「あーやんなっちゃった あー驚いた」ピラパラエースCM - YouTube

アイドルを聞く=オタク

次に「アイドルを聞く=オタク」
オタクと言う言葉自体が、現状印象論主体で漠然としておりそもそもの定義がまず難しい。
いわゆるアイドルオタク=ドルヲタと呼ばれるクラスタに関しても、たとえば上から下までアイドルグッズを身にまとい、公演にも毎回参戦しあるいは地方に足を運ぶ熱心さがあり、自認している、と言うことであればドルヲタでいいだろうし、そうなれば最早ドルヲタと言う呼称は蔑称ではありえない。
しかしアイドルの楽曲を単に聴いているだけ、あるいはテレビに出ていれば観ている、アイドルブームを観察している、ような人種までも「ドルヲタ」と言ってしまうのは十把一絡げだろう。

オタクを成立させるには、最低でも対象に対する「熱量」と「愛情」が必要要件になる。
しかしそれが成立していなくてもクラスタの外からの偏見として「アイドルの曲を聞く=オタクだ!」が成立するからには、アイドルの楽曲にはウイルス並みのオタク感染力があるのだろうし、空気感染どころか音波で感染するのだろう。あなおそろしや。
そもそも聞けばオタクと言うのであれば、どの程度聞けばオタクなのかの閾値も欲しいところだろう。

先日、雑誌の表紙がオタクっぽくて離婚なんて話もあったが、あれにしろ「そういう表紙=オタク、キモい」という飛躍した発想に繋がっているわけで、そこにはただの狭量な偏見ベースの印象と勝手な思いこみ・決めつけしか存在しない。
「ギャング映画を撮影している→全員ギャングだ」あるいは「ホラー映画を観ている→全員犯罪者予備軍だ」にも似ている。

まとめ

「アイドルを聞くヤツはロリコンでオタクだ」
これを成立させる要件事実は、以下になる。

・「ロリコン」と定義される対象の年齢は?
・対象に対しての性的嗜好や恋愛感情の有無をどのように証明するか?
・グループの場合、その中で年齢差が生じるがどのように解消するか?
・楽曲を聞く=性的嗜好や恋愛感情があることをどう証明するか?
・楽曲を聞く=性的嗜好や恋愛感情の有無の閾値をどのように定義するか?
・アイドルを聞く=オタクであるをどのように証明するか?
・オタクとそうでない閾値は何か?
・そもそもオタクとは何か?

これらの要件を立証させたうえで「アイドルを聞くヤツはロリコンでオタクだ」を発言できるのであればまだしも、そうでないならそれはただのお前の偏見、差別でしかない。
AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」を聞くお母さん連中やら、あるいはBABYMETALに熱狂するムキムキのメタラーまで存在するのに「アイドルを聞くヤツはロリコンでオタクだ」という偏見に満ちた思考は自身の中に収めておくならまだしも実際を伴っていないのが現状。

偏見・差別と言うのは実に便利なツール
要件を何一つ証明できなくても、事実と違っていても「それが真実だ」と思うことができる。
そうなんだからそうだ。
そうに決まってる。
お前顔真っ赤だぞwwww
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とりまネットと言うのは実にめんどくさい。
なので浅薄な主義者はあまり発言しない方が良い空間だろう。

とさっくり考えたことを記事にすると、とてもめんどくさい。

私立恵比寿中学 ' バタフライエフェクト ' MFAefy - YouTube