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「いいひと」と思われているアナタ!出世しませんか?「悪の出世学」に学ぶ悪の出世術

読書

悪の出世学 ヒトラー、スターリン、毛沢東

いいひと/悪いひと

あなたは「いいひと」ですか?
会社や組織の中で「いいひと」と思われても、いいことがあるわけではありません。








想像してみてください。

  • 嫌な顔をせずひとのお願いを聞き誰からも「いいひと」と思われる人
  • 狡猾に立ち回り利用してでも出世しようとする「悪い」と思われる人

どちらが組織の中で出世できるでしょう?


組織の中で上に昇っていくには「いいひと」でいてもいいことはありませんよね?
極端な悪人でなければならないということではありません。

情報を集め、状況判断し、立ち回り、手を回し、冷たい判断をできる、
そんな「悪い」ひとが出世をしていきます。

実際、政治の世界や組織で出世をして上に行く人と言うのは、計算高く、他人からは嫌われたりして、悪いと言われる側面を多かれ少なかれ持っています。
仕事が出来るマジメないいひとが出世するのは確かに理想ですが、現実は厳しいものです。


この中川 右介「悪の出世学」は、ヒトラースターリン毛沢東という歴史に名だたる稀代の悪人の行動を振り返り

「彼らがどうやって、どんな手段を使い権力の座に上り詰めたか」

のノウハウを考えてみよう、という一風変わった嗜好の一冊です。

スターリンの会議術

一部本書から引用してみましょう。

そしてスターリンは会議ではいつも最後までなにも発言しなかった。全員がそれぞれの意見を言うのを聞き終えてから、発言する。
まず、いままでに出た意見をいくつかに分類し、それぞれを比較してみせる。みな、聞き入るしかない。そのまとめ方が的確なので、誰も異論を挟まない。こうして、全員がスターリンの言うことに聞き入ったところで、彼自身の意見を述べると、いつの間にかそれが会議の決定事項となる。これがスターリンの会議術だった。
(中略)
それを積み重ねることで、いつしか「スターリンはいつも正しいことを言う」とのイメージが出来上がった。

たとえばこう言った具合。
ここで解るのは、「自分の意見ではなく他人の一番良い意見に乗る」という方法。

もちろん、これがこのまま、どんな場合でも使えるか?と言うとそうではありません。
ですが、テクニックの一つとしてこういうものもあると理解しておくのはとても役立ちますよね?

実際、スターリンは、大小さまざまな手練手管を使い、自分の思想を持たず、何ごとにも拘泥しなかったため、常に多数派につき従い、裏から情報を集め、脅し、縛り付けて至高の権力の座に至ることになります。


このように
独裁者三人が組織の中でどのように振舞ってきたのか?
を検証してあるのがこの本です。

コピーライター毛沢東

毛沢東は「感動的なスローガンを掲げて、人心を掌握する」のに長けていました。
コピーライター能力により、ひとの心をつかんだわけです。

現代のネット社会でも、心を掴むキャッチフレーズの重要性が叫ばれます。
こう言ったイメージ戦略の重要性は今も昔も変わりませんよね?


一部引用してみましょう。

長征は軍事作戦としては大失敗である。

 だが、十四万人が死んだことは忘れられ、八千人が一万二千五百キロを飢えと寒さに耐えて移動したという事実をクローズアップすることで、英雄伝説として語られることになる。
大きな失敗は無視し、小さな成功のみを強調する、宣伝戦術の基本である。

 毛沢東は「農村が都市を包囲する」に代表されるように名コピーライターでもあった。彼が書いた、あるいは言ったとされる言葉で有名なものには、
「政治は血を流さない戦争であり、戦争は血を流す政治である」
「鉄砲から政権が産まれる」
「空の半分を支えているのは女性である」
(中略)
「人間は若くて無名で貧乏でなければよい仕事はできない」
などがある。

どうでしょう?

「空の半分を支えているのは女性である」
人間の半分は女性だ、と言っても誰の心にも響きません。

しかし「空を支える」という、漠然とスケールの大きい比喩にすることで、言葉全体がそれっぽく大きな視野を持った感じになりますよね?
キャッチコピーは「なんとなくそれっぽい」がとても大事だとよくわかるのではないでしょうか。
中身があるかないかではなく、言葉によってイメージを作り上げる。
そして、そのイメージこそが周囲からの評価を作り上げていきます。

情報戦の重要性

三者に共通するのは、情報に対して重みを置いていると言う部分です。
他人のゴシップや秘密、関係性、コミュニケーション。
噂話から重要なことがらまで大小さまざま。

組織は人間の集合で出来ていますから、組織を構成する人と関係性の情報はすなわち組織自体の情報とも言えます。
情報を掴み、上手く利用し、コントロールする。
立ち回り、出世するのに情報は必須と言えます。

悪の出世術

三者が最高権力に至るまでの道筋が書かれているので歴史書としても面白く読めます。
時系列に沿い、三者を並べてあえい、全体をとらえやすい構成になっています。

もちろん組織での「悪い」立ち回り方の指南書としても多くの気づきが得られます。
逸話の後にその行動から得られるノウハウを箇条書きしてあるので解りやすくなっています。


ただ極悪非道なだけでは、組織の中でトップに立てません。
手段を選ばず、決断を行えたからこそ彼らは権力を手にしたとも言えます。


今、会社の中で悩んでいる、いいひとのアナタ。
そういう方は、是非一度手に取ってみてください。

この本で 少しだけ悪くなってみませんか?


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※悪人礼賛本ではありません