読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

音楽配信 実験の歴史を振り返る


(※曲はAFPのIngenue)


BitTorrent初の試み、トム・ヨークが有料で新アルバムを配信 : ギズモード・ジャパン
突如、レディオヘッドのボーカル トム・ヨークが新ソロアルバム「Tomorrow's Modern Boxes」を発表した。
ビットトレントを経由して販売(Paypal)と言うことで話題になっている(あとはビニールとロスレス音源で5200円と言うデラックス版もあり)



【スポンサーリンク】



かなり良いアルバムなので(しかも6ドルだし)是非聴いていただきたいところだが、今や当たり前になった配信も過去には様々な試行錯誤を経由してる。

「音楽の配信」に関してどんなことが行われてきたか過去を振り返ってみたいと思う。

Thom Yorke

The King of Limbs
2011年 レディオヘッドはアルバム「The King Of The Limbs」を発表。
公式サイトからのMP3もしくはWMV方式での配信。

このときのことをトムヨークは、
レディオヘッドのトム・ヨーク、『ザ・キング・オブ・リムス』が聴き手を疎外してしまった理由がわかると語る (2012/05/14)| 洋楽 ニュース | RO69(アールオーロック) - ロッキング・オンの音楽情報サイト

「ああいう形でレコードを出せたのはすごい感じだったよ。でも、その一方でまるで実在していないかのような感じもあって……でも、それはぼくたちがやろうとしていたことの当然の結果だったんだね。それについては腹立たしく思うか、『もうちょっとうまくやれたのかなあ』と反省するかのどちらかしかないよね」

さらにトムはこう続けている。「このアルバムが聴き手を疎外してしまったのはよくわかるよ。このアルバムがこのアルバムだけの惑星で生きていることにぼくは気がついてなかったんだ」

と話していた。


In Rainbows
2007年 レディオヘッドがアルバム「In Rainbows」をネット配信。
しかもダウンロード価格をユーザーが決められる、と言う試みも行った。

「価格はあなた次第」のレディオヘッド新作、幾らで売れた? - ITmedia ニュース

comScoreのデータベースに登録した200万人のデータを基にした調査によると、10月1~29日の間にIN RAINBOWSのサイトにアクセスした人は全世界で120万人。そのうちかなりの割合がアルバムをダウンロードしたという。ダウンロードした人のうち、お金を払ったのは約40%だった。全世界では、有料でダウンロードした人は38%、無料でダウンロードした人は62%。米国では40%が有料、60%が無料でダウンロードした。

 また購入者が支払った金額は全世界で平均6ドル。ただし、無料ダウンロードした人も含めると平均価格は2.26ドルに下がる。米国の平均は8.05ドルと世界平均より高いが、これは可処分所得に差によるものかもしれない。

このときDLの金額を0円にして、代わりに豪華版を別途に買った。
届いた豪華版は押し入れに眠ってる。

Nine Inch Nails

The Slip
2008年 NINことトレント・レズナーはアルバム「The Slip」を無料配信。
米有名バンド「Nine Inch Nails」が最新アルバムを完全無料でオンライン公開 | スラド YRO
アルバム全曲無料配信と言うのはかなり実験的な試み。
トレント・レズナーは、デジタルに関しての造詣が深く公式アプリや面白い試みも多かった。


Hand That Feeds
さらにその前、2005年。
レズナーはシングル「HandThadFeeds」の音源をGaragebandとWMVフォーマットで公開。
Nine Inch Nails Single Released in GarageBand Format | Tomahawk Field
ライヴコンサート映像をビットトレントで公開、と言うこともやってた。

ネットで公開したブート

さらにさらに遡ること1994年(日本だとEASTENDxYURI「DA.YO.NE.」が流行ってたころ)。
ビリーコーガン率いるスマッシング・パンプキンズ(が、まだオリジナルメンバーのころ)がアウトトラックなどを収めた「MASHED POTATOES」と言うアルバムをネットに公開したことがあった。
http://www.spfc.org/MPfaq.txt
さすがに覚えてる人も少ないかもしれない。
公式でブートをバラまいた例になるか。

1994 - The Smashing Pumpkins - Mashed ...


ソニー・ミュージックエンタテインメントが音楽情報試聴サイトBIG-TOPを立ち上げたのは1995年のこと。
坂本龍一氏は、同年ネット配信ライブを行ってる。
坂本龍一/D&L Live DVD: uessay
今じゃ当たり前になってますがね。

宇多田ヒカルさんのUst配信、34万人が視聴 国内で過去最多 - ITmedia ニュース
Ustでの宇多田ヒカルのライブ配信は34万人が視聴。

今や、Dommuneなんて毎晩配信やってます。

空から落ちてくる音

Enclosure【ボーナストラック+2、高音質Blu-spec CD2、超ロングインタビュー、歌詞対訳付】
ネットではなくアナログな手段での試みもある。

今年の四月の話。
元レッチリのギタリスト ジョン・フルシャンテがアルバムの配信用に人工衛星を打ち上げた。

元レッチリのジョン・フルシアンテ、新譜用に衛星打ち上げ・無料配信 : ギズモード・ジャパン
試みとして上手く行ったかどうかわからないけれど、当時アプリを入れたら随分軌道から遠かった記憶がある。
便利なんだか不便なんだかよくわからない。



ライブのお持ち帰りCDというのが話題になってますが、

ピクシーズ(Pixies)がライヴ盤を“15枚”リリース!!! - CDJournal ニュース
2004年にピクシーズがツアーの会場ごとに1枚ずつライブ音源を発売する実験企画。
今ではライブ音源はYoutubeで充分って人も多いかもしれませんが。
現在でも、ツアーの会場ごとにライブ音源盤を出すバンドはなかなかないと思うので稀有な試み。
これ買い漁ったわ.....(PIXIES大好物なもんで)。



そしてGIZMODE記事内でも出ているがウータン・クランは世界で一つだけのアルバムを制作。

CBCNET:LOG » ウータン・クラン、新アルバムはたった1部のみ販売 – 新しい音楽ビジネスとしての挑戦

British-MoroccanのアーティストYahya氏によって作られた銀箱に収められたこのアルバムは、ひとつのアート作品として販売される。Forbesの記事によると、まずこのアルバムは美術館やギャラリー、フェスティバルにて一般の人が厳重なセキュリティーのなか聞くことができるツアーに出るという。そしてその後、数億円以上になるであろう値段で1部のみ販売される。現代美術のマーケットにも反響があるだろう。
そして、購入した者は無料配布するのか、一人で楽しむのかは自由だという。

まぁ、ウータンか。そうか。

USBメモリ


フレミングリップスは、楽曲の入ったUSBメモリをドクロ形の食用グミに入れたり、あるいはガチの髑髏に入れて販売。

musicReview.jp - NEWS | Flaming Lips グミで出来たスカルで新作リリース
フレミングリップスは、とっくによくわからない。


USBメモリと言えば、菊地成孔氏の2000年から2010年の音源、動画、写真、テキストが収められた「闘争のエチカ」も実験的な試み。
闘争のエチカ(上巻) “L' éthique de la lutte Un” [USB]
音楽140トラック、映像150分、スチール100枚、テキスト5万文字(上下巻合わせて)の分量。

まとめっぽいもの

CD→着うた→ダウンロード販売→定額制へと移行しつつある現状だけれど、これまでデジタル・アナログなど様々な試行が繰り返された。
iPhoneが普及し、iTunesでのダウンロードが力を持ち、その一方で音楽の販売自体は不振で、国内であればロックフェスなどの動員は増えても楽曲自体に対価を払うことをしない世代も現れてきた(どっかにYoutubeで合法DLってひともいましたっけね)。
ニコニコやYoutubeで発表される趣味レベルの音楽のクオリティが上がればわざわざ音楽に対価を払う必要も無くなっていく。

そういうこれからの世界で音楽でどうやって食うのか、あるいはどうやって売っていくのか。


既存の販売ルートに乗っかってるやり方が、いつ過去のものになってもおかしくない時代の変化の速度。
CDが無くなるどころか
「え?昔って音楽で商売出来たの?!」
なんてなってもおかしくは無いのかもしれない。


とはいえ、グミに入れて売るのがメジャーにならないのは確かだが。