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キ○ガイと虐待被害者の映画「マーターズ」

映画

鬼才、パスカル・ロジェが放つ新感覚ホラー。70年代初頭のフランス。少女が衰弱しきった姿で路上を彷徨っているところを発見される。大人たちは原因を問いただすが…。

「マーターズ」は、広くお勧めできない。

「ギニーピッグとかさー。ホステルとかいいよねー」
「狼の口ってあの死体と拷問の描写がクールで」

みたいな人におススメ……が、そんな人はかなり少ない。

監禁虐待を受けていた少女リュシー。
独り脱出し、発見されたリュシーは誰にも心を開かない。
施設に引き取られて暮らす中、唯一アンナと言う少女にだけ心を開くようになるリュシ―。
そして月日が流れて……。




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このあとは残酷シーンが続く。
以降ネタバレ。

マーターズ(〇〇までにこれは観ろ! ) [DVD]

15年後。
リュシーは、自分を虐待していた相手を見つけたと言い一家を惨殺する。
前情報を何も知らずに観てるのでいきなり幸福そうな家族が死んで「これは幻覚に悩まされながら、それっぽい家族を次々リュシーが殺していく話かなー?」と思ってたらリュシーが死んでしまって「え?」と思ったら突然大人がやってくる。

問題は、ここからの後半部分で組織のボス”マドモアゼル”の話す「生きたままあの世の世界を見るためにはあらゆる苦痛を受けたまま生きていることが必要」とかいう頭の悪い狂気にとりつかれたキ○ガイ・カルト集団に捕まって、アンナはリュシーと同じ監禁虐待コースだよなーと思ってたらやっぱりその通りで、延々虐待が繰り広げられて、これはヤバい。ともかく殴る蹴る、座らせ鎖に縛る、ひたすらそれだけを人格が破壊されるまで繰り返す。

映画ってのはエンタメですからある程度「この娘は助かるなー」「一発逆転で助けが」などそういう救いがあるんだけれども、この映画の場合当然のごとく何もない。
しまいには全身の皮を剥がされて吊るされる。
そこでアンナは「この世の先にある世界」を見る。
それをマドモアゼルに話し、マドモアゼルは頭を撃ち抜き死ぬ。

マドモアゼルは、聞かされたのが虚無だったとしてそれに絶望して死んだのか。
それとも生きている間に知ってはいけない知識だったのか。
すくなくとも天国ではないんだろう。
苦痛を受けまくって見えるのが天国では、それはそれで救いがない気もするが。


アンナの魂は光に包まれて、、なんてこともない。
無残な死体をさらし、その目の中にあの世の世界を映したまま衰弱し死んでいくだけ。
どこまでも絶望しかない投げっぱなしパワーボム。
個人的には前半のノリでリュシーが次々……って展開を期待してしまったので、ちょっと物足りなかった。
監禁虐待ディストピア映画。