すべてが森博嗣になる ~森博嗣作品まとめ~


【公式】すべてがFになる 第一話 予告動画 - YouTube

遂にドラマ版「すべてがFになる」が今夜から開始になる。

「すべてがFになる」を10回は繰り返し読み、講談社ノベルスを(S&MシリーズもVシリーズも)発売日に買ってたくらい森にハマってた身としましては、キャストの時点であまり期待していないんですが(四季役のあかりんだけ期待)これで森の他作品も注目され、もしかするとアニメなり劇場なり、という展開を考えるとファン的にもそれはそれでよいのかも知れません。
西之園萌絵ってショートカットのイメージだったんだが(だからって剛力はやめろ)。
ドラマはドラマ……。

つーことで
森博嗣作品を読んだことがないひとにさっくり作品を紹介する記事が、以下。



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すべてがFになる

すべてがFになる THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)

1から10までの10個の数字から5個の数字を取り、それらの積を作るとき、どの数字を取っても残りの5個の数字の積とは等しくならないことを証明せよ。

(ドラマコラボの表紙ェ……)
まず定番。
S(犀川創平)&M(西之園萌絵)シリーズ。

当時の新本格の波に乗ってる講談社ノベルスがぶちあげた「メフィスト賞」の第一回受賞作としても有名なこの作品。
「メフィスト賞」はその後、舞城王太郎や西尾維新を排出する。

理系ミステリ、と言われてますが舞台や登場人物の行動や思考、そして書いてる森博嗣自身が理系なので理系ミステリと呼ばれていまして(文体や雰囲気とか)、理系のウンチクという意味なら竹本健治「匣の中の失楽」などの方がよほど衒学的。
なのでそういう理系っぽい理化学な知識を求めてもそれほどありません。
ただ読んでみると「確かに理系だ」と思わせる。

作品での一番のポイント(魅力)は、ドクターレクターよろしく登場する真賀田四季に尽きる。
このキャラクターが劣化ドクターレクターで収まらなかったのが成功要因の一つでもある。
S&Mに関してはこのあとキャラが形成されていくわけですが。

KindleでのS&Mシリーズ合本版。
6,000円の大人買い用らしい……。

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森博嗣

講談社
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S&Mシリーズを読むと解るのだけれど森博嗣の作品の魅力というのはトリック自体ではなくてキャラクターにこそある。
なのでミステリとして期待するよりもキャラクター小説として読んで行く方が俄然に面白い。
全10作。

Vシリーズ

黒猫の三角 Delta in the Darkness (講談社文庫)
「黒猫の三角」に始まるVシリーズ。

こちらはS&Mと違い探偵役にも瀬在丸紅子(紅子のV)。
友人の保呂草潤平、小鳥遊練無、香具山紫子と複数人数登場するのも特色。
キャラ小説としての色合いがどんどん強くなりトリックが...。
なかなか面白いんですがS&Mシリーズと比較するとよろしくない。これはこれとして。

個人的には、これで小鳥遊(たかなし)を覚えた。
全10作。

四季

四季
真賀田四季の成長を綴ったファン向けボーナストラック。
S&Mのスピンオフ作品。

シリーズ未読の人間が読むと「ほへ?」「んー?」となること請け合い。
文庫だと四冊になってます(書影は合本のハードカバー)。

ミステリーと言われると....まぁ、謎は一応あります。

Gシリーズ

φは壊れたね PATH CONNECTED φ BROKE (講談社文庫)
通称Gシリーズ(タイトルにギリシャ文字が入っているのでG)はS&Mシリーズ、Vシリーズに登場した人物らも登場するスピンオフ的な繋がり方をしてるシリーズ。
時系列でもS&M>V>Gになってる。

単体シリーズでも読めますが、この辺りになると前提としてS&M、Vシリーズ20作を読んでいると面白い。
そうでないと「誰これ?」というくらい旧作のキャラが登場する。

S&Mコンビもすっかり大人になって出ますし(犀川は老いと言うか)。
もはや森博嗣大説。
全12作。

Xシリーズ

イナイ×イナイ (講談社ノベルス)
現行のシリーズがこれ。
タイトルは繰り返しで間にxが入る。

最新刊は11月5日に出る「サイタ×サイタ」
こちらにも西乃園萌絵が出ますので前提として……。

ここに至ると森が書きたいのはトリックそのものではなくそこから浮かぶモノなのだよね、と。

女王の百年密室

女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEEN―
こちらは上記の作品と違い未来が舞台になるSFミステリ作品。
パラダイムのズレなんかをイメージさせる、SFと言いつつファンタジーな世界での幻想譚的な趣もありつつ。
トリック自体は、すごいということは無いですが。

個人的にこのシリーズ(迷宮百年の睡魔)はガッツリ読んでない(当時あまりハマらなかったんで)。
今さら読み返してみたいところ。

そして二人だけになった

そして二人だけになった―Until Death Do Us Part―
巨大な海峡大橋のコンクリート塊に存在するバルブという密室空間で起こる連続殺人、ということで珍しくもゴリゴリミステリ設定のノンシリーズ。
Amazonのレビューを見ると賛否両論ですけど個人的にはそこそこ賛。

奥さまはネットワーカ

奥様はネットワーカ (ダ・ヴィンチブックス)
大学の工学部を舞台にした連続殺人モノ。
連作の形式でこれまでにない感じも面白い。
イラスト含めちょっとポップな感じに見せかけつつも結構こわめの仕上がりになってる。
ノンシリーズですが、こちらなかなかいい感じ。

シリーズは重たいって人は、ミステリとしての要素もあり、森らしい感じもあるのでこれを読んでみるのもいいかもしれない。

新書

過去記事に書いてるので参考にどうぞ。

まとめ

他にも惜しい監督*1でアニメ化もされた「スカイクロラ」や、禅や武士道の「ヴォイド・シェイパ」シリーズ、エッセイ、自伝的小説、ノンシリーズなどなど山ほど。
とりまミステリ要素のあるものの中から代表的なモノを並べてみましたが、森博嗣はミステリ作家というよりも最近は「ヴォイド・シェイパ」に見られるような観念であったり思想であったりを描きたい人なのかなーと言う感じを受ける。

トリック中心のミステリより、トリックを据えて描かれるキャラクターとドラマ、それが森作品の魅力なのかな、と。
ちょっと量は多いですが一作一作読みやすく重く無いので、初めから順に読んでみるのもいいかも。
ハマると大変ですがね。

今夜のドラマが楽しみです。
ヴォイド・シェイパ The Void Shaper
スカイ・クロラ (中公文庫)

*1:via 北久保弘之