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前半シュール/後半ベタなギドク入門映画「嘆きのピエタ」

嘆きのピエタ [DVD]

天涯孤独に生きてきた借金取りの男。男の母親だと名乗る謎の女。初めて母の愛を知った男を待つ、衝撃の真実…そして世界が言葉を失った、ある愛のカタチ。この愛は、本物か、偽物か。

キム・ギドクといえば「難解」「暗喩」な映画を撮る監督として有名ですが「嘆きのピエタ」はそんなキム・ギドクにしては非常にわかりやすい作品に仕上がってる。



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借金取りの男が登場。
ルックスは、ちょっと岡村靖幸っぽい。
町工場を取り立て回り。
金が返せないとなると事故を起こさせ障害者にしてその金で返金させる。
無感情に容赦がない。

映画『嘆きのピエタ』予告編 - YouTube
そこへ謎の女が登場。
日本だと「坂道を歩いてたら紙袋のりんごを落としてしまって相手がそれを拾う」なんて出会いのシーンがありますけど、今作では生きたままのニワトリを下げて歩いてたら転んで逃してしまって、それを捕まえた女が登場。
かなりのシュールな場面はコントみたい。
借金取り役 130R板尾、女 DT松本(もしくは椿鬼奴)で再現できるなーと。

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男は家に帰り、ニワトリを絞めて鍋で煮る。
誰かがやってきたので扉を開けると突然さっきの女が入ってきていきなり皿を洗い始める。
さばいたニワトリの内臓を片付け、食ってる途中の皿も片付けようとする。
これまたシュールすぎる展開。

女は、借金取りの母親だと名乗る。
……にしてもいきなり部屋に入ってきて皿洗い始めるってコミュニケーションヘタ過ぎ、ってか怖いわ。

孤児として育った男は当然ながら女を拒否して追い出す。
再びやってくる女。
扉を開けると今度はビニール袋に入れたウナギを持ってる。
もちろん生きたままの。
女を追い返し、残されたウナギの首に女の電話番号が書かれたカードが巻き付けてある。
……ウナギに電話番号書いとくってどんなコミュニケーションwww


ここからは王道、というかキチンと展開していくのが珍しい。
テーマは母と子、そして罪と贖罪。


「春夏秋冬そして春」に見られるリインカネーション(輪廻転生)という仏教的世界観とキリスト教的倫理観が混ざったチャンポンが、やはりキム・ギドク的。
他作にも影響が非常に大きいんですよね。

罪に対して相応の罰を、贖罪を。
社会的な動物が構築した社会において「金」(資本主義)とはなにか。
そしてさまざまな状況を超越する母性。


監督は、工業地帯で育ち、今作も子供の頃の工業地帯の風景を描いたそう。
10日で撮影した今作は、第69回ヴェネチア国際映画祭でPTアンダーソン「ザ・マスター」、たけしの「アウトレイジビヨンド」を抑えて金獅子賞(グランプリ)を受賞。

わかりやすく、ギドクの入門作品としてオススメ。
ラストシーンが素晴らしい。


宇多丸が「嘆きのピエタ」というか、キム・ギドクについて熱く語ってますw
キムギドクは中卒、30歳で生まれて初めて映画を観て監督になったって人ですから、いろいろ語り甲斐がある。

近親熟女手コキ

宇多丸