メゾン・マルタン・マルジェラの終焉


ジョン・ガリアーノがデザイナーとして就任して1度目のコレクション〜アーティザナルラインが発表された。
ガリアーノがデザイナーに就任し、その通りのアーティザナルが発表された。
これでマルジェラのマルジェラが完全に終わった。
※以下、私見



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アーティザナルラインはマルジェラの中でも特殊な位置にある。

1988年の創設以来、メゾンマルタンマルジェラは中古の、また時には新品の服やアクセサリーを世界中で集めてきました。
その時間と使用の痕跡を尊重し保ちながら、これらの服やオブジェには第二の生命が与えられ、メゾンの創造的表現の要石の一つとしてあり続けています

BRUTUS 2010/09/15号

マルジェラはファッションという表層的な華美さだけではなく、物の時間や概念というものすらもデザインに昇華し、ファッションの価値に対する疑念やあるいはファッションというものが身につけるアートである(アートたり得る)ということを具現化して見せた。
服で服以上の表現を。
それがアーティザナルライン。

このアーティザナルを含めたアントワープ6のエキシビションが行われた際見に行ったが、やはり中でもマルジェラのものは他と明らかに違う指向性を持っていたのを覚えてる。


2009年にマルジェラ自身は退任。
その後はデザインチームがデザインを担当していた。
その空白の座に収まるのはラフ・シモンズか?と言われていたのに結局ラフ・シモンズはディオールに行き、意外性ナンバーワンのガリアーノがその座に収まった。
ガリアーノは人種差別発言で自身のブランドすら追われていたがまさかマルジェラを担当するとは思わなかった。
確かにガリアーノはすごい。

このディオールでのデザインを見ればわかるが、ガリアーノのデザインとは傾いた、華美さこそがその真骨頂。
ファッションがファッションであり、それ以上でもそれ以下でもない。
それがガリアーノ。
そしてマルジェラのデザイナーとして発表されたアーティザナルもやはり美しかった。
しかしそこには冒頭に引用したような「時間と使用の痕跡を尊重し保ち」「第二の生命」という観念はなく、どこからどこまでもガリアーノのデザインがそこにあった。


もともとマルジェラが退任し、デザインチームが担当して以来、デザインは頭でっかちで考えすぎたものが多かった。
マルジェラの影響下から逃れられないマルジェラの劣化コピー。
それが何年も続いた。
そこへガリアーノが就任した。
新しいマルジェラは、マルジェラだが違うものになるんだろう。


絢爛豪華なデザインを取り入れたガリアーノのマルジェラ。
それはそれで面白そうだが。
メゾン・マルタン・マルジェラはようやく眠りについた。
Martin Margiela: Street Special 1 & 2