ジャニーズとテレビの蜜月とゲリラ戦を行うスタダ

アイドルの王道ジャニーズとテレビ

ジャニーズ、そしてももクロをはじめとするスタダ勢との違いについて。

先日、ももクロの妹分である私立恵比寿中学が新アルバム「金八」を発表。
その中に「金八DANCE MUSIC」という曲が収録されてる。

金八金八金八金八
金曜八時はテレビに出たいの六本木
(中略)
新曲出すたび呼んでください
局長、編成頼みます

いかにもももクロの妹分っぽい(ヒャダインだし)楽曲で小芝居が入っているあたりもいかにもエビ中っぽい「らしい」曲なんだけども、この曲で改めて新曲を出すたびテレビに出て発表できるジャニーズ枠という異様さがよくわかる。
普通のアイドルやミュージシャンからすればMステに出られるというだけで特別。
エビ中は、2009年に結成しようやく出演が叶った。

Mステにはほぼ毎週のようにジャニーズのタレントが週替わりで登場し、何かしら新曲を歌う。
10/17 関ジャニ∞
10/24 嵐、V6
10/31 ジャニーズWEST
11/21 Sexy Zone
12/05 関ジャニ∞
12/26(SP) 嵐、KAT−TUN、関ジャニ∞、Kis-My-Ft2、KinKi Kids、SMAP、Sexy Zone、TOKIO、Hey!Say!JUMP、
01/16 -
01/23 KAT-TUN
02/06 SMAP、ジャニーズWEST
02/13 SMAP

2014/10/17~2015/2/13の間でジャニーズ勢が出ないのは1/16のみ。
スペシャルに至ってはこれでもかと各グループが登場する。
以前、剛力彩芽がドラマの主演一本で「事務所のゴリ押しで」とかなんとか言われバッシングされていたけど、実力云々はともかくこれだけジャニーズが新旧毎週毎週何年も何年も出続けているこの異様さに違和感を感じない。
「司会はお馴染み中居正広」なんてフレーズにも慣らされてしまった。




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ジャニーズのアイドルは、テレビと共に発展した。
俳優として突然主役に抜擢、司会を任され、時にはバラエティにも出る。
よくわからない新人が主役になってるなーとか、結構キーになる役なのに新人か?と思って見てみると名前の下にジャニーズアイドルのユニット名が書いてある、なんてことはしょっちゅうある。

もうジャニーズ抜きで連続ドラマを作るのは難しい。
毎年毎年毎年毎年、どこかのドラマに必ず誰かが出ている。

共生関係

SMAP以前は、まだタレント売りを控えていた~いわゆる郷ひろみや松田聖子のように露出を控え、バラエティも不器用な旧来的な「”スター”のアイドル」として売っていた。
光GENJI辺りまでは、そういう売り方をしていたが、SMAPには「愛ラブSMAP!」「キスした?SMAP」など冠のバラエティを持たせ、夢がMORIMORIにも出演。
役者としてバラで出演させ、タレント業を活発に行うことで個人としての知名度もあげる。

テレビ局側は数字(視聴率)を持っているタレントが欲しい、そしてジャニーズ側は知名度をあげるために露出できる場が欲しい。それぞれの利害が一致した上でMステに固定枠が生まれ、そこにジャニーズのタレントが誰かしら毎週出演する。
そうすることで数字は安定し、代わりに事務所が売り出したい新人を出すこともできる。

なぜアイドルのCDはこんなにも売れるのか。ジャニーズを好きになり初めて気づきました。単純なことですが、好きな人が歌ってるから、好きな人の歌声を聞きたいからみんな買うのだと。私は今まで、この曲いいな→このアーティスト好きだ、という流れだったのですが、好きな人の歌はこれほどもの破壊力なのかと知りました。イヤホンから好きな人の歌声が聞こえてきて、いつでも自分に寄り添ってくれるってこんな幸福なことはありません。私は応援ソングは苦手なのですが、V6が「疲れたら休めばいい」と言うなら、「わー!ありがとー!休むー!!」となります。職場の上司や学校の先生に言われた「がんばれ」より、好きな人の「がんばれ」は何倍も頑張れるものです。好きな人の言葉はいつでも有り難く、なにより説得力があり、自分の支えになります。

ドラマのタイアップで毎週毎週インプリンティングされれば広告効果は絶大。
企業は数十秒のCM一本打つのに山ほど金を積んでると言うのに、ジャニーズのタレントはテレビ側が欲しいから、主役に据え、タイアップを仕掛け、歌番組に呼ばれる。
人気があるから出演するのではなく、出演するから人気が出て出演が増える、という好スパイラルを利用しているのがジャニーズのアイドルの売り方だろう。
なのでバラエティ適応力が低いと今一つ伸びきれないユニット(グループ)になる、と言うのも特色か。

テレビとジャニーズのアイドルは共生関係にある。
テレビと視聴者の距離感がファンとジャニーズアイドルの距離感であり、それがさらに縮まるコンサートはとても貴重な空間。
だからテレビの視聴率が下がり、テレビが話題の中心にならないとすれば、ネットにシフトしなきゃあならない。


しかしコントロールできないネットでの展開を望んでいない。
ダウンロード販売も行わない、iTunesでも売らない*1
アートバンクを使い画像(肖像権)に関して徹底的に管理を行っている。

ニコニコ動画を始めとする動画投稿サイト等において、ジャニーズ事務所所属タレントに関する著作権違反コンテンツの削除申請を株式会社アートバンク名義で行っている。オフィシャルサイトが存在しておらず、同社の正確な業務内容は不明である。

アートバンクとは (アートバンクとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

模倣するスターダストが軸足を置くネット

クイック・ジャパン 118
反対に、ももクロなどは、テレビへの出演が少なく、タレントとしての売りが弱いからこそ楽曲で売るしかない。


さまざまな要素を取り入れ一曲あたりの情報密度を増やし、洋楽好きなどにもウケるマニアックな楽曲作り、昭和プロレスを始めとするサブカルの要素を取り入れ、様々トリッキーな打ち出し方をすることで他アイドルと差別化を図り、ファン(モノノフ)と努力&立志伝的な物語のコンテクストを共有し、共有することで人気へと繋げる。
コンテクスト共有があるから、ももクロのライブは感動するし泣ける。

テレビへの露出は、少ない。
だからこそももクロはYoutubeやUストリームを利用し、ファンに向けて動画を配信し歌以外のタレント性をアピールした。
Uストだからこそ、ももクロで24時間の番組をやれる。
テレビよりもファンと距離感が近いUストだからこその売り方が出来るし、だからテレビの出演が増えれば淋しさもある。


ジャニーズはUストなどネット動画を利用する必要はない。
コントロール不能な動画を配信するより、コントロール下にあるテレビを使う方がいい。


ももクロが売れていない過去の映像、ライブ映像がファンの手でYoutubeに上がり、それを見たひとがファンになり……という仕組みが連鎖しファンが増えていき、新しいファンは過去動画を参照しコンテクストを共有することでハマる。

これまでの彼女たちのライブには常に「過剰」な勢いに満ちていて、それこそが彼女たちの真骨頂と思っているわけですが、今回はそれが実に「ちょうどいい」と感じました。自分がこれまでに見たAXとかZEPPとかのキャパの時に感じていた「過剰」はつまり、ほとんど飾りなしのアリーナクラスの場で通用するパフォーマンスを、それ以下の箱やさらにその前から続けていたということであり。
今年になって確かに露出も増えたし、それでキャパがぐっと大きくなっていることは確かですが、それでもここまで基本「ライブの評判とその評判に違わぬすごさ」でもって動員を増やしていくという、およそアイドルにあるまじき流れでここまでやってきた、その頂点がこのステージだったのかなと。

2012-04-24 - WASTE OF POPS 80s-90s

テレビへの露出がほとんど無くても、大ヒット曲が無くても、ひたすらライブパフォーマンスで話題を振りまき、ネットを中心に広まり、今では2014年の動員は48.6万人(13公演)にまで達した。
今から振り返れば「逆境こそがチャンスだぜ」と言う歌詞通り、オズフェスの出演を始めとするアウェイへの出演も話題になり、炎上であれ何であれ、その前のめりなアグレッシブさを魅力に転嫁し進み続けてきた。
そして動員が整ったからこそ次の段階として、トリッキーな曲ではなく歌謡曲へシフト。
テレビへの露出を増やし、映画に出演するなどタレントとしての売り方を模索し始めている。
イロモノから王道へ。
ゲリラ戦を繰り広げた戦術・戦略は、正攻法への転換点にある*2

ももクロはタイアップ曲があっても、その曲がヒットしたから……というわけではない。
アンセムとしてさまざま曲はあるけど、それはあくまでモノノフの中での話。

AKBグループがメディアを押さえ切る形で動きやすい環境を確保しているとすれば、スターダスト勢は「業界に闇雲に味方を増やしていく」形で業界内での環境を整えていると言えるのかな、と。
元々ももクロはサブカル系指向だったのが、大きくなるにつれて大御所にシフトしている状況丸わかり。音源参加ではないところでも、「南国ピーナッツ」としてお馴染み松崎しげる、南こうせつ、坂崎幸之助、笑福亭鶴瓶、さだまさしと押さえまくり。
こういう流れを計画してたのだとしたら、そりゃ早々にヒャダイン切られるわ。仕方がない。
さらにエビ中もヒャダイン期を終え、現状でサブカル系をエビ中としゃちほこが代わりに押さえている感じ。ヒャダインは更に新手のたこやきレインボーへの楽曲提供に回るというサイクル。育成枠。そしてエビ中もぁぃぁぃがタモリに随分可愛がられるなど、大御所に手を伸ばしている傾向もあり。
まあやるのであればそういうやり方の方が穏便でいいとは思うけど、それ以前にスターダスト勢のスキャンダルの出てこなさがハンパない。

2014-12-17 - WASTE OF POPS 80s-90s

その辺はやはり創k……(ry

幕が上がる

幕が上がる (講談社文庫)
2/28から映画「幕が上がる」が公開される。
メンバーフル出演。
主演映画で監督が本広克行、脚本はナイロン100℃の喜安浩平、そして原作は平田オリザ。
下北の舞台大好きっ子しか歓喜しないゴリッゴリの面々なのに、アイドル映画って、何これ。

このマニア受けな気合入れ過ぎのバランスの悪さがももクロ的なわけだが。

これまでの日記の中でも、「都内某所でワークショップ」といった記述があるのは、だいたい、このももクロさんとのワークショップでした。3時間から4時間のものを五回くらい、がっつりやりました。最後は、少し、芝居の稽古も付けました。
 というわけで、今年は、イレーヌ・ジャコブとももクロを往復しつつ、その間に『暗愚小傳』と『秋田内陸阿房列車』を創るという、とてつもなくスリリングな夏でした。
7月にパリでアンドロイド版『変身』のプレ稽古をしていた際は、実際に、イレーヌとこんな会話をしました。
「明日、もう帰るの? あわただしいわね」
「いま、日本のとても有名なアイドル歌手のグループと、僕の原作で映画を撮ることになっていて、演技の指導をしなくちゃならないから」
「それって、スパイスガールズみたいな子たち?」
「まぁ、そんな感じ」

平田オリザ|青年団公式ホームページ

平田オリザ氏のワークショップが生きてるかどうか。

とりま、ただのアイドル映画では終わらなさそうですが。
観ないつもりだったんだけど、観た方がいいかなぁ……。
主題歌のアレンジも冨田恵一(冨田ラボ)がやってるって言う気合の入れ方が、斜め方向狙ってる。

ももいろクローバーZの青春映画!『幕が上がる』予告編 - YouTube


DNA狂想曲

未開路を切り開いていくももクロのノウハウを、その後ろに続く妹チームに引き継いでいく。
次に続くエビ中、チームしゃちほこ、たこやきレインボー。
エビ中のМステ出演時のタモリの真横が、あぃあぃだったのも、当然タモリシフト。
タモリ倶楽部に出ていたからタモリはあぃあぃの変声を理解済みで、SMAPにもいじられ、パフォーマンスは全力で行い、間違いなく傷跡は残した。
このあとただのフレッシュレモンになりたいので終わるか否か。

ある程度ファンが増え安定してくると、次はそのチームカラーを考えた展開を広げていく。
エビ中は、独自路線で演劇テイストやロックなサウンドを中心に据え「キング・オブ・学芸会」を突き進む。
しゃちほこは初期こそももクロのマイナーチェンジだったのに最近ではEDMっぽい打ち込み音など実験的なことをやってて、こちらはこちらで面白い。

チームしゃちほこ - 抱きしめてアンセム(Live at 武道館) from しゃちサマ2014 - YouTube

そして今のアイドルは、ウェブや現場でさまざまな展開を……と続けると長くなるのでとりまこんなもんで。

先日、ダウンタウンDXにしゃちほこの秋本帆華、伊藤千由李が出てたのが凄く気になってる。
なぜあのタイミング……。


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*1:ドワンゴでのみDL販売を6月に開始 ジャニーズ楽曲のフル音源配信が6月1日(日)よりドワンゴジェイピーでスタート iPhone、Android(TM) OS搭載スマートフォン端末で初の試み|ニュース|広報情報|株式会社ドワンゴ

*2:ももクロ過去動画の削除が最近になって増えた、とモノノフの方とリプしたことがある