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ふるさと納税は誰得?


うーん。
昨日、リプで会長ともやりとりもしたんですが。
いろいろと黒そうでもありつつジャブジャブばら撒くバブリーな施策でもありつつ。
※以下の計算はあくまで参考。実際は個人の条件により異なります



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夕張メロンとふるさと納税

北海道産 赤肉メロン 1箱大玉2玉入り メロン

北海道夕張市議会は17日、ふるさと納税制度の寄付者に特産の夕張メロンを贈る新規事業が大好評でメロン代や送料が足りなくなり、関連経費628万円を盛り込んだ平成26年度補正予算を可決した。本年度の寄付総額は予想を大きく上回る4535万円に達しており“うれしい誤算”。財源は寄付から賄う。
(中略)
 事業は年1万5000円以上を寄付した市外の人に4000円相当のメロン1個を贈る内容で、本年度にスタート。約150件の寄付を見込み、当初予算にメロン代44万円などを計上していたが、該当する寄付は約2100件(9月16日時点)に達し、資金が足りなくなった。

これは去年九月のニュースなんですが、15,000円以上の寄付に対し4,000円のメロンを送る。
送料なんぼかわかりませんがざっくり1,000円と仮定して5,000円。
夕張市からすれば、1件当たり15,000-5,000(本来は仕入れ値+送料+事務手数料など)で差し引き10,000の寄付が入る。
しかし税収からすればどうか、と。

まず現行で言えば、15,000円の寄付のうち2,000円は自前。
残り13,000円が控除対象で、10%だから1,300円が所得税から控除。
そして住民税から残りの90%、11,700円が住民税の控除対象になる。
ちなみに控除とは言え上限があって
家族構成と収入によって変化するので注意がいる。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000254926.pdf

個人からすれば
・寄付で15,000円マイナス
・メロンで5,000円プラス(送料込)
・税金から13,000円プラス(税額控除のため)

単純に見るとすごくお得っぽく見える。
なにせ15,000円支払うと、メロンが食えて税金が免除される。
動いた表面的な金額だけで見ると15,000円使って18,000円得したことになる。
※ただし寄付に上限はないですが、控除額に上限はあります

夕張市からすると
・寄付金15,000円プラス
・メロンの分マイナス(原価、送料、事務手数料など)
・住民税の税収から11,700円マイナス。

夕張 卸売センター | 優品
ただし卸売センターだと夕張メロンの優品が2~2.5kg箱が4,980円で売ってる。
夕張市がどのくらいの値で仕入れてるかわかりませんが。

あれ?マイナス多くね?
と見えるわけですがこの「住民税から11,700円マイナス」がポイントでして、住民税からマイナスなのはあくまでも寄付した個人が住んでいる市区町村の話であって、夕張にメロン目当てに寄付する大多数は油取り紙に満足できない京都在住の人とか、区のパンフレット貰ってどーせいっちゅーねんって言う東京都に住む人が寄付したりする。
ここで
「都市部の金が地方に落ちる仕組み」
が産まれてる。

動機がどうであれ地方の名産が消費され、地方に金が落ちる。
地方からすれば我が町の名産の宣伝にもなる。
さらには「夕張メロン美味いからもう一個買うか」って言う需要も期待してる。
ふるさと納税制度 - 夕張市ホームページ
ですから夕張市的には
・寄付金15,000円プラス
・メロンの原価分マイナス
・住民税から11,700円マイナス(ただし夕張市に住む数%)。
・宣伝効果プライスレス

といったところ。

当然ながら寄付金が少ない、代わりに住民が多い東京の某区では
・寄付金15,000円プラス(夕張と比べれば圧倒的に少ない)
・配布パンフレット分マイナス
・住民税から11,700円マイナス(税収の数%)。

ということでふるさと納税の恩恵は希薄。

狭山市と栗山町

ふるさと納税ってのは競争原理。
売物もない、住民も少ない地方からすれば美味しくもない。
たとえば特典が一切ない埼玉県の狭山市(人口15万人)だと

寄附いただいた件数と金額
平成25年度   59件  60,972,587円 (うち個人の方 11件 1,815,515円)
平成24年度   64件   6,903,996円 (うち個人の方 14件 1,605,349円)
平成23年度  122件  20,955,954円 (うち個人の方 17件 3,259,737円)

http://www.city.sayama.saitama.jp/shisei/shisaku/zaisei/furusatonouzei.html

お酒などいろいろ工夫してる北海道栗山町(人口13,000人、65歳以上が30%)では、
平成23年度は5件で465,000円だったのに、平成25年度には4397件で24,497,463円になってる。
栗山町ふるさと応援寄附金のご案内【5】 | 栗山町

人口が多く、個人より法人からの寄付の多い狭山市と、
高齢者が多く人口が少ない分ふるさと納税で潤った栗山町と。
狭山茶すら返さない狭山市……。

問題点

問題としてはこちらのニュースにあるように

1.行政サービスを受ける住民が税を負担する「受益者負担の原則」の観点から逸脱すること
2.当該自治体の収入にならない他の自治体の業務を担っていること
3.根本的な地域. 間格差を是正する対策にはなっていないこと
4.地方交付税交付金を合わせると、人口あたりでは都市部の税収と大差がないこと

http://www.pppnews.org/files/ppp/2014/PPP2014_12_140925.pdf

などが考えられる。
とまれその辺は市政の話なので個人レベルでなら「税金を控除されるお得な仕組み」の一つとして活用すればいいと思うんですがね。
特に落とし穴があるわけでもなし、しかも今年の4月からは「ふるさと納税ワンストップ特例」という、確定申告不要で住民税が差っ引かれる仕組みが始まるのだそうで(つまり所得税は控除対象にならない)。
確定申告不要なら白色申告のサラリーマンが節税対策でふるさと納税を利用するシーンも増えそうですし。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000330218.pdf

そしてこのpdfにもあるように
http://www.soumu.go.jp/main_content/000332223.pdf
特例控除限度額を一割→二割にする、と言う話も出てる。


地域活性化の名目で金を撒いて、競争させ。
市井では株主優待で食う桐谷さんみたいに、ふるさと納税で食ってみたり。
とまれ見えないどこかしらからこの政策に対し税が使われているわけですから、巨大な国の税金の使い道に逆らえない個人としては、少しでもフィードバックするのが吉ではないかと思いますがね。
ふるさと納税 丸わかり本 (プレジデントムック)