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平田オリザ「幕が上がる」

幕が上がる (講談社文庫)

ある地方の高校演劇部を指導することになった女性教師が部員らに全国大会の出場を意識させる。高い目標を得た部員たちは恋や勉強よりも演劇ひとすじの日々に。演劇強豪校からの転入生に戸惑い、切磋琢磨して一つの台詞に葛藤する役者と演出家。彼女たちが到達した最終幕はどんな色模様になるのか。2015年2月に映画化する、爽快感を呼ぶ青春小説の決定版!

文庫の表紙は、こっちの方がいいと思う。
映画タイアップ表紙って時間が過ぎると少しダサく恥ずかしい感じになるから。




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Youtubeに上がっているももクロによる劇中劇「銀河鉄道の夜」を見てから読み始めた。

映画『幕が上がる』劇中劇とその稽古 銀河鉄道の夜 1 - YouTube
もし早見あかりがいればどの役だったんだろう、などと考えつつ。
有安に代わって中西さんか。

女優を目指して早見あかりがももクロを抜け、残ったメンツが平田オリザのワークショップに通い、ここまで本格的な映画(脚本 喜安浩平)&芝居(脚本 平田オリザ)に挑戦することになるとは何とも皮肉な感じがしなくもない。

映画を観てから読むか読んでから観るか悩んだが、読んでからにすることにした。
当然ながら脳内の配役は、映画のキャストを当てはめて。
一番違うのは、語り手のさおり役の印象か。

演出家、劇作家の平田オリザだけに情景描写などが非常に簡潔。
少し説明の多いト書きと言った感じ。
小説家だと描写を膨らませるところを淡々と描いているが、それぞれのキャラクターの台詞による表現などはさすがで世界を補っている。
端正に書かれ、簡潔でスピード感がありリーダビリティが高い。
昨日の夜に読み始め、今朝読み終わった。


ストーリーは、オーソドックスな青春&部活動。
高校の演劇部が挑むひと夏の挑戦。
野球部やサッカー部などならどこかで一発逆転などの見せ場を持ってくるところだが、演劇部だけに作中劇「銀河鉄道の夜」とそれを演じる役者陣が経験を重ねるごとに成長を遂げ、そして大会でカタルシスを……といった流れ。

私たちは、舞台の上でなら、どこまででも行ける。どこまででも行ける切符をもっている。私たちの頭の中は、銀河と同じ大きさだ。
(中略)
どこまでも行けるから、だから私たちは不安なんだ。その不安だけが現実だ。
誰か、他人が作ったちっぽけな「現実」なんて、私たちの現実じゃない。
私たちの創った、この舞台こそが、高校生の現実だ。

劇中劇として演じられる「銀河鉄道の夜」は、対象喪失と再生の物語。
それが劇中の人物らともシンクロすることで物語全体の暗喩にもなっている。


青春すなぁ。
これがどんな映画になってるのか期待してる。
映画は、さらにももクロの成長も作中キャラの成長とシンクロしていく。

試写の評価もかなり高い模様ですが。

ピクトアップ 2015年 04 月号 [雑誌]