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「いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学」読みはじめた

読書

いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学

いつも時間に追われていて、思うとおりに物事が片付けられない。
それなりの収入はあるのに、目の前の出費のために、借金を重ねてしまう。
ダイエットをしようとたびたび取り組むけれど、長続きしない。
人の気を引こうと熱をもって話しかけるが、いつも相手はつまらなそうなだけ。
薬を処方通りキチンと飲まないから、いつまでも治らない。
……こうした、同じ状態から抜け出せない人は多いですが、じつはこれらはすべて、必ずしもその人の資質によらない、ある共通の要因がもとで起こっていたのです。

さまざまのめざましい実験・研究成果を応用し、期待の行動経済学者コンビが初めて世に贈る1冊。

電子書籍化を待てずに紙の本で”いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学”を買ってしまった。
読み始めたがなかなかに面白い。

ダニエル・カーネマン「ファスト&スロー」、ダン・アリエリー「予想通りに不合理」など行動経済学の本は多いが、この"いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学"では主に「欠乏」を扱っている。



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人間は、欠乏を覚えるとそのことが頭を占める。

たとえばお腹が空いた組と食事をした組のふた組の被験者を用意する。
フラッシュ暗算のように一瞬だけ単語を見せ読みとれたら紙に書いてもらう。
この実験でほとんどの問題が同じような正解率だったのにひとつだけ大きく違った答えがあったそうだ。

「CAKE」

この文字だけ、お腹が空いた組の正解率が高かったのだそうだ。
甘いもの食べたくなるよねぇ……。


集中すると他のことがおざなりになる。

消防士が火事の現場へ向かう、その途中のカーブで投げ出され死んでしまう。
そう言った交通事故も多いらしい。
当然ながらサイレンを鳴らし突っ走るのだから(責任の所在は置いといて)交通事故は増えるのは必然として、しかし前述したようなシートベルトをせずに車から放り出されるなどの「不注意による事故」と言うのも多いらしい。
消防士が現場に向かう途中、準備や火災現場の情報集めなどに集中してしまうからだそうで、人間は集中力が高まるとその関連のある事象にはとても高性能な処理能力を発揮するがそれ以外がおざなりになってしまう。
さっき安全講習を受けて「シートベルトしましょう」と言われたばかりの消防士がシートベルトをせずに死ぬ、なんて出来過ぎ。


切迫感を覚え、集中力が増す。
すると普段の自分以上の能力を発揮できる。ボーナスタイムに突入する。
バスケならゾーンとでもいうか。
夏休みの宿題が最後の最後まで残ったときの、最後数日の集中力はハンパ無い。
機会が減り、時間が欠乏し、追いつめられ集中力が上がる。

しかし前述したようにその「集中すべき対象」にはとても素晴らしい効果を発揮するが、その分他を忘れたりする。
狭窄視野になる代わりに発揮される普段以上のスペック。
それにそんな集中は続かない。
ボーナスタイムには限界がある。



著者の一人、ブリンストン大の行動経済学者エルダー・シャフィール博士は「現状維持の法則」(選択肢が多いといつも通りのものを選んでしまう)などでも有名。
もう一人のセンディル・ムッライナタは、経済学者 小幡績氏のエピソードに登場する天才。

ある日、ゲーム理論に関する課題が出されて、クラスメート3人で取り組んでいたのですが、まる2日かけてもまったく解けない。私は全力で取り組んでまったくわからない問題というのが初めてだったので、かなり焦っていました。そこに、学内で天才だと噂になっていた年下のインド人がふらりとやってきたんです。試しに相談してみると、まるで悩むそぶりもなく答えを導き出し、わかりやすい解説まで始めたんです。度肝を抜かれましたよ。3人で2日かけて解けないものを、ものの数秒で解いてしまうんですから

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/35511


まだ読み始めたばかりなのですが、なかなか面白い一冊。
お手軽ライフハック的な「外資系投資会社のエリートが教える効率的に時間を使う10個の方法~」などではなく、さまざまな精神的・肉体的「欠乏」による人間への影響と行動を探った一冊。

今日から西尾維新「非録伝」を読むので、読み終わるのは先の話。
電子書籍ならもっと早いんだけど……。
悲録伝 (講談社ノベルス)