読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

「ライフハック」という名のチート技

小ネタ 日常

今朝、こんなツイートがあって


ベジタリアン云々は置いといて、この

バランスの良い食事を心がける「普通」の話には興味を示さず「特別」を求める

この視点が面白いと感じた。
「特別でありたい欲望」に関して。




【スポンサーリンク】




非日常とチートとライフハック

以下、ライフハックとダイエットを絡めて描いてみる。

皆が読みたいのは平平凡凡な日常ではなくイレギュラーなチート。
地味で地道な努力の方法ではなく、ステージを跳ばせるとか、裏ステージへの入り方とか無限増殖とか言うチート(旧:裏技)。

成功者の自慢話はあくまでもたまたまその状況下で個人がうまく成功した話でしかなく、実際に「いやー、ライフハック系の本を山ほど読んでボクは成功しました」なんてひとは情報商材の世界でしか見かけないし、成功者は自分の看板を使って自慢話を商売にして「誰にでも使える簡単なライフハック・チート」を求める人々に売って、さらに自分の足元を固める。

f:id:paradisecircus69:20150309130850j:plain

振幅が小さいただの「小ネタ」「TIPS」
小手先のテク、小さな気付き。振幅が小さければそれは目立たない。
話としても小さい。
次に振幅が大きい実際の伴う、あるいは誇張された「成功談」
その先には言いっぱなしの「極論」。
さらに先には裏付け無用の「トンデモ」が待ち構えている。

振幅が大きければ大きいほど数は少なく、目立ちやすい。
「Excelのワンポイントテクニック」「昨日講演会してきました―」より「通勤手当なんてなくせや!」の方が目立つ。


たとえば和食ってのは非常にバランスがいい。
もし塩分が気になるならどれかを減塩にすれば済む。
ところが「糖質制限が健康だ!」「おでんを食べてやせよう!」「ベジタリアンに!オラはなる!」などと極端な話を持ち出されると、途端にそちらに傾倒する。

実際、もしやせたいなら朝昼晩の食事をカロリーも考えてバランスよくキチンと食べ、飲み会で飲み過ぎず、不規則な生活を止めて、ひと駅分歩いたり、昼休みは遠出してみるとかすれば無理なく体重は減っていくのに、なぜか極端なことに走りたがり結局続かずに太る。
特別な身体じゃなく、ごく普通の身体で、ごく普通に食い過ぎで、ごく普通に運動不足だから太る。

f:id:paradisecircus69:20150309131344j:plain

※ざっくりしたイメージ図その2

空いてる時間があればスクワットでもやればいいんじゃね?
筋肉つけりゃ基礎代謝が上がるし、大腿筋が手っ取り早い。

やってる感じの暗示

イレギュラーな状況と言うのは自分が何かを「やってる感じ」にさせてくれる。
「やってる感じ」がして、「目に見えて明確な効果がある」からこそハマる。
しかし継続性を考えれば「やってる感じ」はしないし「目に見えて明確な効果がある」こともないけれど、一年後に振り返ってみるとやせてる、とかそういうことであれば生涯続けることも楽な筈なのに。

「ベジタリアンだぜ―!」「糖質制限でやせたわ―」「マクロビすげー!」
やってる感じはすごくあるけど、どれも行動としてバランスが悪い。
偏った生活をいつまで続けていくんだろうか。
残念ながら人生は、死ぬまで続くんだが。

ある日、年老いた自分を鏡で見て「糖質制限とかもう関係ねーな」と思ってやめるのかねぇ……。


極端なダイエットでないにしろキチンと食事をして動いて不健康でない中肉中背のひとは山ほどいる。
でもそういうひとらの健康法って「普通に過ごす」でしかない。
特段話すほどでも無い日常。
もともとの代謝量が高いのかもしれない、奥さんがカロリーを管理してるのかもしれない、規則正しい生活なのかもしれない、Ingressにハマって歩くことが増えたのかもしれない。

特別なボクと逆転のチート

http://www.flickr.com/photos/13080516@N08/7097071801
photo by Peter B. Carter

一気飛ばしの楽々チートで一発逆転したい気持ちはわかるけど、結局「成功」するためには地道な努力が一番楽だったりする。
時間はかかるけど。

「少数の成功例、ライフハックに学ぶことなどない」とは言わない。
ただ極端なハウトゥばかりを目にしても、何てことはない日常は日常でしかない。
新しい知見、自分の頭で考え、日常が変わって見え、成功の道筋を知ったような錯覚を覚えて。
でも実際が伴わないんじゃあどうしようもない。

もともとスペックの低い一般人がお手軽チートで人生逆転したいってのは「ごろ寝でお菓子食ってもやせる!」に似てる。

「出来る男は朝活です!」と聞いて朝活始めて起きるのが早くなって健康になったのは良いだろうが、だからってそれで人生が大きく変わるとも限らない。
もちろん「人生変わった」というひとも居るだろうが、やってなかった事を始めればそりゃ変わるのは当たり前。

何の効果もない、出会いもない、進展も無ければ止めてるから印象に残らないだけの多くの方法論。
無数にやってるライフハックや名言などのなかで効果があったものだけ意識され、他は忘れられる。
「よく当たる占い師」と同じ仕組み。


人間は普通の平和な日常であれ、自身にとってみればその人生は唯一無二の特殊な人生。
スペシャルな人生だから自分には他のひとには無い何かがあると思いたい。
だから自分は特別だと思いたい。

誰も彼も自分にとって特別なだけ、実質ただの一般人。

チートとネット

「特別でありたい欲望」を叶える装置としてネットやSNSは非常に機能しているが、いかんせん現実が伴わないし、そのネットでの「特別である感」に伴わない現実世界での自分を顧みて「ネットの有名なオレこそが実力であって、現実は単に打ち手を間違えただけ。絶対オレなら出来る」とよくわからない思考ルーチンを辿る方も散見する。
はてな村有名人のオレが本当のオレだ、なんて……(((((((( ;゚Д゚)))))))
その先には、もう承認欲求の深淵しか……(ry


物理現実が普通だからこそ「特別でありたい欲望」はネットで花開き、ライフハックは受け入れられた。
ぐっとくる名言、お手軽なライフハック、新しい自分になれる3つの方法。
情報商材花盛り、与沢翼みたいなやり口だって食っていける。
以前はポストに広告を投函し、ネズミ講で会員を広げ、雑誌に札束を持ったモデルの写真で広告を出し、路で声をかけカモをひっかけていた業界が、今やネットにカモがゴロゴロいて、網を張っておけば勝手に引っ掛かるんだからウハウハ。

夢見るライフハックマンセーの人ほど気をつける方がいい。
人生大逆転のチートなんてそこら辺に転がってない。
心に刺さる名言で自分を慰めても、一歩も前になんて進んでない。


ハウトゥで勉強するヤツが儲かるんじゃない。
ハウトゥを売る側が儲かるように出来てるピラミッド。
とまれ引っ掛かるひとは知ったこっちゃあないが。

※記事中画像はなんとなく雰囲気です

ライフハッカー[日本版] 辛そうで辛くない人生と仕事が少し楽になる本